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2008年03月08日

Innovation Station セミナー

3月7日、大阪で開催された Altium Innovation Station セミナーに行ってきました。

今回は 30人あまりの参加者があり、以下のスケジュールで紹介が進められました。

13:00  アルティウムのミッション
13:15  Altium Designerの統一環境を開発フローに合わせてご紹介
      ~FPGA設計フェーズからSCH/PCB設計フェーズまで~
16:00  アルティウムの究極のイノベーション「Innovation Station」
      詳細をデモを交えてご紹介
16:45  質疑応答、抽選会(iPod Nanoをプレゼント!)
17:00  終了

アルティウムの紹介セミナーには以前にも何度か参加しましたが、前回よりも説明がわかりやすく、またAltium Designer の全体像がつかみやすかったように思います。また今まであまり詳しく触れられることが無かった Altium (旧 Protel)の創業から現在に至るまでの歴史や、創業当時から現在まで一貫して受け継がれてきた「先進の開発環境を万人に提供する」という、創業者ニックマーティン氏の思想があらためて紹介されました。

また今回のセミナーでは、ゲストスピーカーからもたいへん興味深いお話をうかがうことができましたので、これらのなかから特に印象に残ったところだけを簡単にご紹介します。

ゲストスピーカーセッションでは、株式会社オーケープリントさんより、「大容量化する伝送線路と高速シリアル通信に対応するプリント基板の具体例」というテーマで、プリント基板製造現場での高速伝送路に対する対応や苦労話が紹介されました。

まず、シミュレーション結果と実際の基板では特性インピーダンスが一致しないことが多いという現実が説明されました。理由として、配線パターンはエッチングで形成されるため、断面はシミュレーションの条件として想定されているような四角形ではなく台形であるということ。さらに絶縁層の厚みの均一化/管理の難しさや、動作周波数による比誘電率/誘電正接の変化などがあげられました。

続いて、高速伝送路での信号の劣化を回避するための手段として以下のような技術が紹介されました。

(1) 表面層直下に特別なシールド層を配置
薄くて誘電率の高い絶縁体を挟んだシールド層を表面層の下に挿入して、高速伝送路との間に分布キャパシタンスを形成する。耐圧は 100Vくらい得られるので、通常の用途では耐圧が不足することはないということでした。これについては、後でサイトを検索したところ次のようなレポートが見つかりました。 http://www.mew.co.jp/tecrepo/521j/pdfs/521_05.pdf

(2) カーボンファイバーを使ったプリプレグ層を挿入
カーボンファイバー材を使ったプリプレグ層を、上下表面層の内側に入れ基板全体の放熱とグランド電源インピーダンスの低減を行なう。(当然カーボンファイバー材の表面は絶縁処理されるはずですが、この詳細は聞き漏らしました)

(3) バックドリル工法
貫通ビアの形成後、接続に不要な部分をドリルで切り取りスタブを減らす。

他にもいろいろな紹介があり、基板製造についての知識が乏しい者にとっては大変興味深いお話ばかりでした。やはり現場の専門家の話には説得力があります。

また、今回のメインテーマである Altium Innovation Station については、次のような紹介がありました。

(1) Altium Innovation Station は「Altium Designer + Desktop NanoBoard」を基本としたコンセプトであり、製品名ではない。

(2) 今後、Altium Innovation Station のコンセプトに基づいた製品の販売が計画されており、これらの製品は開発用としてだけでなく、エンドユーザが製造する製品の組み込み用としても供給される。

(3) Altium Innovation Station のコンセプトで提供されるハードウェアとして、Desktop NanoBoard の機能を組み込み用にシェープアップした Custom NanoBoard の販売や、NanoBoard を入れるための筐体の販売が予定されている。

・ どうやら以下の画像の中のほとんどのパーツが販売対象になるらしい。
(アルティウム ジャパンのトップページより画像を借用) Copyright © 2008 Altium Limited
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合わせて、Altium Designer の特徴として、ロイヤリティフリーの CPU IPコア (CANと一部の国におけるI2C のライセンスは有償)が提供されているということ。さらに NanoBoard の回路が公開されていることが説明され、Altium Innovation Station が単なる開発環境の提供だけでななく、開発から商品化までに必要なリソースをも提供するものであることが訴求されました。

今回のセミナーのレジメの冒頭に「設計の手法が、今まさに変わろうとしています」と謳われていましたが、まさにこのことを予感させるセッションでした。

今のところ、Altium Designer の FPGA 開発環境の運用事例に接する機会がまだまだ少ないのが現実ですが、近い将来このセミナーにおいても、 Altium Innovation Station 環境での開発事例が紹介されるのではないかと期待しています。

なお 4月11日には名古屋でも開催されますので、お近くの方は是非ともご参加ください。

Links:アルティウム専門店トップページ||Altium Designer trial shop


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