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使用許諾契約書を読む - 後編

ここでは、普段は会社のデスクトップ環境で使用し、時々ノート PC で客先に持ち出したいという用法を、ノードロックライセンスで合法的に実現する方法を探ってみたいと思います。

まずは以下の条項について、現実的な解釈を行なう必要があります。

使用許諾契約書の条項 2-3 には「一つの作業場所において、一台のコンピュータもしくは一つの LAN に許諾資料をインストールし、使用する権利をお客さまに付与します」と明記されています。

eula23.JPG

※ 上記条項はアルティウムから PDF で提供されている使用許諾契約書から引用しましたが、印刷されて提供されているものとの間には、一部表現の違いがあります。

この文面では「インストールし、使用する権利」というように、「インストール」と「使用」との間がわざわざカンマで区切ってあります。このため 「インストール」と「使用」のそれぞれの行為が単独で、作業場所、PC、LAN に対し 1 つに制限されていると解釈できます。

 すなわち、インストールが 1 つの作業場所、1 台のPC、1 つの LAN に制限されており、使用についても同じく 1 つの作業場所、1 台のPC、1 つのLAN に制限されていることになります。そし文面からは、その行為が同時であっても同時で無くても 1 つでなくてはならないと解釈されます。

アルティウムの意図として、たとえ同時に使用されないとしても、頻繁に使用される場所が変わったり、インストールされるPCやLAN が入れ替わるのはこまるので 1 つの作業場所、1 つの PC 、1 つの LAN で使ってください、ということなのだと思いますが、この場合、作業場所については現実との乖離が生じます。

例えば、この「一つの作業場所」 を 「同時に一つ」と解釈しない限り、CAD を使う場所を特定の場所(例えばユーザ登録されている事業所内)に固定しなくてはならないことになります。しかしそれでは作業場所を移動することを前提としたノート PC での使用は、本質的に不可能ということなってしまいますので、「同時に複数の場所で作業を行なわない限り複数の作業場所での使用が許可されている」ものと解釈します。

では、具体的に プログラムがインストールされたノート PC を社外に持ち出す方法を考えてみます。

まず、ノート PC に 2 つ目のプログラムをインストールして使用するという用法を許容、もしくはこれについて言及した箇所を探してみましたが、どこにも見当たりません。このため、他の条項で許容されている範囲内でこれが可能かどうかを判断する必要があります。

そこでその一つの方法として、2 つ目のプログラムがインストールされている自宅の ノート PCを、必要なときに客先に持ち出すという方法について考えてみました。前回説明したように自宅のコンピュータへの 2 つ目のプログラムのインストールは排他的使用を条件として、例外的に認められています。

この用法で問題になるのは、「自宅のコンピュータ」の定義です。自分で買ったものならばどこで使っても自宅のコンピュータといえるのか? また、自宅に固定されているものでないと自宅のコンピュータとはいえないのか? というところがはっきりしません。この使用許諾契約書では「自宅のコンピュータ」と書かれているだけでその定義が行なわれていません。もし「自宅のコンピュータは家の外に持ち出しても自宅のコンピュータには変わりない」ということであるなら、客先に持ち出しても良いことになります。

しかし、条項の文面はともかくもその意図を考えると、アルティウムでは、2 つ目のプログラムがインストールされた PC は自宅内でのみ使われることを想定していると思われますので、この解釈は少々強引であり、アルティウムの許容範囲を超えるものかも知れません。

そこで別の方法を考えてみます。

もう一つの用法としてインストール DVD のプログラムを、社内のディスクトップとノートPC の両方にインストールし、一旦両方の PC をアクティベーションする。そして、プログラムの起動に必要なキーファイルについては使用する片方の PC にだけそのつどインストールするという方法があります。

使用許諾契約上この用法が許容されるかどうかについては、キーファイルがインストールされていない PC が、プログラムがインストールされていない状態と見なされるかどうか、ということにかかっています。「キーファイルがインストールされていないと CAD として機能しませんので、キーファイルがインストールされていない場合を未インストールの状態」とみなされれば、ライセンス違反ではなくなります。しかしこの PC が単にセキュリテイーが解除されていな状態であり、プログラムのインストール自体は完了しているとみなされれば、2台の PC にプログラムがインストールされていることになり、ライセンス違反ということになってしまいます。

もしこれが許される場合には、簡単にデスクトップとノート PC を使い分けることができます。

例えば、ノート PC を持ち出す際には デスクトップ側のキーファイルをアンインストールし、ノート PC にキーファイルをインストールします。これは単に 1 つのファイルを移動させるだけで行なうことができます。

以前は、CAD のプロテクトにはドングルと呼ばれるハードウェアキーが使われていました。この場合には、複数 の PC に CAD プログラムをインストールしておき、ドングルを差し替えることにより排他的に使いまわすことができました。

上記キーファイルのインストール/アンインストールによる使いまわしは、このドングルの差し替えに似ています。しかし、ドングルはCAD ライセンスに対して 1 個しか提供されませんが、キーファイルは  PC ごとに取得できますので、重複使用のリスクが付きまといます。このためこれは、アルティウムとしては認めがたい用法であるかも知れません。

以前のドングルによるプロテクトでは、「できる事」と「許される行為」が一致していました。すなわち許されない行為はドングルによってできないように制限されていました。しかし、キーファイルによるプロテクトでは、「できる事」であっても「許されない行為が」多々存在します。その許されない行為を規定しているのがこの使用許諾契約書です。インストールした時点ではすでにこの契約が成立しており、ユーザにはこれを遵守する義務があります。

ユーザとしては、ライセンス違反が起こらないように細心の注意を払わなくてはなりません。そしてまた、許諾の範囲内でその機能や権利を最大限に利用することも大切です。このため、改めてこの使用許諾契約書を注意深くお読みになることをお奨めします。

注: このページの内容は使用許諾契約書を弊社の解釈に基づいて解説したものです。運用への適応においては、お客さま自ら使用許諾契約をお読みいただき、ご自身で行為の可否をご判断いただくようお願いします。

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