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アルティウムの新旧カタログに想う

 アンビル コンサルティングでは、旧プロテルユーザ様とのお付き合いが多く、お問い合わせいただいた際には旧製品のカタログを引っぱり出すことが良くあります。そしてそのたびに、進化した現在の姿との間に隔世の感を覚え、また当時を思い起こし感慨にふけることも少なくありません。

そこで今回は、10年前の Protel 98 のカタログをご覧いただき、皆様にもちょっとだけこの想いを共有していただきたいと思います。

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この左側のカタログは、旧テクスパートでデザインした Protel v3 のカタログ(EDA Digest '97)を Protel 98 用に手直しして  EDA Select '99 という 名前で発行したものです。大量(EDA Digest '97とあわせると 15,000冊くらい)に印刷するとともに PDF 版も用意しました。しかし当時の低速なネット環境ではダウンロードに時間がかかるPDF 版は、あまりご利用いただけなかったように記憶しています。

ページ数は合計 72 ページあり、これは右側に示した Altium Designer のカタログと同じです。しかし新旧のカタログを並べてみると両者には歴然とした違いがあります。

まず、Altium Designer のカタログが全ページフルカラーで印刷されているのに対して、Protel 98 のカタログはモノクロで印刷されており、表紙だけに黄色が一色追加されています。(PDF 版のスクリーンショットはフルカラー)  また挿絵には気の利いたイラストは無く、その代わりにスクリーンショットを大量に用いています。

この Protel 98 のモノトーンを基調にした配色は、主に印刷コストを削減するための妥協案でしたが、エンジニアに好まれる「エンジニアリングカラー」として、望ましい配色であるという判断もありました。

このように Protel 98 のカタログと Altium Designer のカタログとを比べると、見栄は明らかに劣ります。しかし機能説明などの内容は質と量の両面において充実しており、製品を訴求する力では大きく劣るものではないように思います。

この両者の違いを端的に表すと、「右脳に訴えかける、現 Altium Designer のカタログ」に対して「左脳に訴えかける Protel 98 のカタログ」ということになると思います。

美しいグラフィックスで構成された Altium Designer のカタログは「イメージをそのまま受け取り、直感で情報を取り込む右脳」に効率よく作用し、スクリーンショットと文章による解説が中心の Protel 98 のカタログは「思考、計算、記憶を司る左脳」に効率的に作用していると言えます。

そしてこの視点で 2 つのカタログをみると、それぞれに右脳と左脳への偏りが見られます。このため、今後はカタログの効果を最大化するために、このバランスへの配慮を行なうことが必要なのではないかと思います。

また、最近デザインされた Summer 08 世代のホームページや印刷物を見ると、 Altium Designer 6 世代のものから見栄えが大きく変わってきており、なんとなく Protel 98 のカタログに似てきています。 

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例えばこのチャートの配色を見ると、 Protel 98 と同様にモノトーンを基調としており、また使用しているフォントも Protel 98 とほぼ同じです。この共通点が両者が似かよって見える原因のようです。

アルティウム社のデザイナーも、モノトーンを基調とした配色を「エンジニアリングカラー」として好ましいものと考え、使用し始めたのでしょうか?もしそうだとすれば、10年以上も前にこれを用いた私のセンスも、捨てたものではないと思ったりもしています。

また、デザインはさておきその内容を見ると、Protel 98 のカタログではサードパーティの商品の紹介に多くのページを割いています。統合ツールの優位性を強調しつつも、サードパーティツールとの併用を提案するという構成になっています。そして、最後のページではサードパーティから提供されているツールとライブラリを寄せ集めた Option Suite 98 が紹介されています。

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この商品は、国内の要望に合わせて Protel 98 の機能を補うために企画されたもので大変よく売れました。しかし Altium Desiger では機能の改良が進み、いまではこの Option Suite 98 に含まれている多くのツールが不要になっています。

例えば、PCB に日本語を入力する FontMan は、Protel 2004 での TrueType による日本語入力機能の実現により、無用の長物と化してしまいました。もちろんこれは、アルティウムの進化を示すものに他なりません。

また、このProtel 99 のカタログでは、当時のホームページが紹介されています。

p98web.jpg

当時、Protel 98 には操作の手引書として使用できる書籍が出版されており、これがトップページの冒頭で紹介されています。またサイトの構成を見ると、当時のホームページが機能紹介よりもむしろ、サポート情報を中心に構成されていたことがわかります。

新旧のカタログを見比べてみると、ここ10年の間の変遷が浮かび上がってきます。私ども売り手側としては、この中から好ましい変化とそうでない変化を見分け、誤りのない道を選ばなければならないことを改めて痛感しています。

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