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Altium Designerの機能/用法 Archive

Altium Designerのネットリスト出力

 Altium Designer を使った一般的な手順、すなわち Altium Designer で回路図を描き、 Altium Designer で PCB を設計する場合には、「Update-PCB 」コマンドでデータの受け渡しを行います。また  Altium Designer で回路図を描き Protel 99 SE などの旧バージョンのアルティウムツールで PCB 設計を行う場合には、Protel フォーマットのネットリストでデータの受け渡しを行います。

そしてそれ以外に、PCB 設計に他社のツールを使うというケースがあります。残念なが外部に PCB 設計を委託するとアルティウム製品以外のツールでPCB 設計が行われるという場合がほとんどです。このような場合には、PCB 設計に使用するツールのネットリストでデータの受け渡しすることが必要になりますが、Altium Designer では Protel 以外にも多くの他社フォーマットでネットリストを出力することができます。

netlists09.png

さらに、こここにないフォーマット、すなわち Altium Designer でサポートされていない国産 PCB-CAD などとのデータのやり取りが必要になることがあります。このような場合のために、弊社ではネットリスト変換ツール「NET-TOOL ad 」 を用意しています。

NET-TOOL ad では Altium Designer から出力した Protel または Protel 2 フォーマットのネットリスを、以下のようなさまざまなフォーマットに変換できますので、相手がどのような PCB-CAD であっても困ることはありません。
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・ BoardWorks(Windows) ・ CADLUS ・ CADMAX ・ CADNETIX ・ CADVANCE V
・ CR-2000 ・ CR-3000(ccf) ・ CR-5000 ・ Computer Vision ・ CSiEDA Ver4
・ CSiEDA Ver5 ・ DCS ・ DK-Magic ・ DK-Σ  ・ Dream CAD ・ EVOLUTION
・ Expedition PCB ・  ICAD ・ Intergraph ・ K4 ・ MENTOR ・ MM-2 ・ MM-Colmo
・ MM-PC ・ MY-PCBⅢ ・ PADS ・ P-CAD(ALT) ・ P-CAD(WRL) ・ POWER-VIEW
・ Protel ・ PROVIDENCE ・ SCICARDS ・ SCICARDS28 ・ START(UNIX)
・ START(Windows) ・ TANGO ・ TELESIS ・ THEDA ・ VISULA ・ WorkView(Net)
・ OrCAD(Capture) ・ OrCAD PCBⅡ
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この NET-TOOL ad は 30,000 円(税別)で販売されている他に、弊社から Altium Designer をご購入いただいた場合の無償提供品として、お選びいただけます。

Altium Designer のアップグレード

保守契約間中であればユーザーは、Altium Designer の最新版ライセンスを無償で受け取ることができます。また、保守契約期間が過ぎている場合には、保守の再契約またはアップグレードの購入により、最新版のライセンスを入手することができます。

また Altium Designer 保守契約料金とアップグレード価格は、3月 1日の価格改定 で値下げされ、手軽に最新版ライセンスを入手できるようになりました。しかしせっかく入手した最新版のライセンスが、なぜかインストールされず眠っているケース多いようです。

なぜ放置されてしまうのか?その原因は、やり方がわかりにくいので、ついつい後回しになってしまっているということのようです。

Altium Designer の初期のころは、アップグレードパッケージとして、新規販売と同じものが提供されており、保守契約期間内に新バージョンがリリースされた場合、インストール DVD、ライセンス、日本語後のインストール手順を含むフルセットが自動的に送られてきました。しかしそれが少しづつ簡素化され、今では形のあるパッケージはなくなり、「インターネットを通じて必要な情報とデータを提供する」とい方法に変わってしまっています。

またアップグレードを受け取るためにはユーザー側からのアクションが必要になり、ただ待っているだけではなにも手に入れることはできません。

この方法は、新バージョンをタイムラグ無しに受け取るためには好都合なのですが、その反面、セットアップの手順が煩雑になりました。すなわち、送られてきた箱をあければ、ライセンスも、インストール DVD も、説明書も、「セットアップに必要なものはすべてそこにある」 とうわけではなくなり、セットアップを開始するまでにややこしい手続きが必要になってしまったということです。

このような新しい方法のわかりにくさが、アップグレードが後回しにされる原因になっていますので、ここでその手順をおさらいしてみたいと思います。

(1)  新バージョンがリリースされるとアップグレード手順がメールで案内されます

保守契約期間中に新バージョンがリリースされても、アップグレードパッケージもライセンスも送られてきません。その代わりにアップグレードの手順が示されたメールが送られてきます。ユーザはこれを読み、その説明にしたがって手続きをすることにより、初めて新バージョンのライセンスを取得することができます。このメールを放置したままではなにも始まりません。もちろんアップグレードはできません。 必ず、ここに示された手順に従って手続きをしてください。

(2)  アップグレードの手続き画面にアクセスてし確認を行うことが必要です

送られてきた案内メールの手順にしたがって、まず手続き画面 https://summer09upgrade.altium.com/?lang=JA#:1 にアクセスします。

up_prs.png


この画面では、まず SUPPORTcenter Credential を要求されます。もしまだ入手されていないようでしたら、info@anvil.co.jp までご請求ください。またもし、パスワードを忘れた場合や、入手したかどうかの記憶がはっきりしないような場合には、電子メールアドレスの欄に、ユーザー登録の際に使用したメールアドレスを入力し 「パスワードを忘れた場合」 と書かれた部分をクリックしてください。

ID(メールアドレス)とパスワードを入力し、サインインに成功すると画面は確認ページに切り替わります。そしてこここに保有しているライセンスの情報が示され、これをアップグレードするかどうか? という事と、DVD メディアの送付が必要かどうか? という事について確認が求められます。この確認を終え、「私は上記の内容を確認しました」の部分にチェックを入れ、その後 「私のライセンスをアップグレードします」とかかれたボタンを押します。これでこの画面による手続きは完了し、ライセンス情報がメールで送られてきます。(通常、Altium Designer のセットアップの際にユーザーは、このメールで送られてくるライセンス情報を自分で入力する必要はありません)

この手続きによって、アルティウムのデータベースに記録されている保有ライセンスのバージョン情報が、旧バージョンから新バージョンに書き換えられ、Altium Designer の新バージョンを利用することができるようになります。

もしこの手続きを行っていない場合には、新しいバージョンの Altium Designer をインストールしたとしても旧バージョンのユーザーと見なされ、新バージョンのライセンスを使用することはできません。また逆に、この手続きを終了すると、旧バージョンを使用する権利が無くなり、旧バージョンでのアクティベーションができなくなります。

(3)  プログラムのインストールとセットアップを行います

まずプログラムをインストールします。上記手続き画面で DVD の送付を希望した場合、到着までに 1 週間以上かかることが多いので、お急ぎの場合にはダウンロードされることををおすすめします。また、トライアルライセンス用のインストールプログラムと、製品ライセンス用のインストールプログラムは同じものなので、トライアルプログラムがインストールされている場合には、再インストールの必要はありません。なお、プライベートサーバー(フローティング)の場合には、サーバー用プログラムを別途にインストールすることが必要です。

インストールが終わった後、Altium Designer を起動し、 DXP メニューの アカウントコマンドを選んでライセンスの設定を行います。プライベートサーバー(フローティング)の場合には、サーバー用プログラム上で設定を行います。ここでも SUPPORTcenter Credential によるサインインが必要になります。サインインすると、利用可能なライセンスが自動的に表示されます。これを選んで  USE ボタンを押すだけでライセンスが有効になり、すぐに新しいバージョンの Altium Designer が使用できるようになります。

もし複数のユーザーで Altium Designer ライセンスを使用するという場合には、SUPPORTcenter Credential を各ユーザーごとに取得すると良いと思います。そうでないと、他人の ID でサインインしなくてはなりません。 SUPPORTcenter Credential は無償で入手できます。SUPPORTcenter Credential の追加発行を希望される場合には info@anvil.co.jp までお申し込みください。

なお、インストールとセットアップの手順については以下に詳しく説明されていますので、こちらをご覧ください。

以上、いままでとは違った手続きが必要になりますが、手順さえわかってしまえば戸惑うようなことはないと思います。

以上、ご不明な点につきましては、info@anvil.co.jp までお問合せください。

Private Server ライセンスの特徴

Altium Designer Summer 09 からはオンデマンドライセンスが提供され、フローティングライセンスでなくても、複数のユーザ間でのライセンスの共有が可能になりました。  Summer 09 のライセンスタイプ

しかし、フローティングライセンスの存在価値が無くなったわけではありません。現に、プライベートサーバー・ライセンスという名前で、フローティングライセンスが提供されています。そこで、このプライベートサーバー・ライセンス(フローティング)の2 つの特徴を紹介したいと思います。

・ プライベートサーバーはインターネットの障害の影響を受けない

オンデマンド・ライセンスは、アルティウムがインターネット上に設置されたライセンスサーバーからライセンスを受け取ります。従い、障害によりインターネットが切断された場合には、ライセンスを受け取ることがでできませんので、Altium Designerプログラムを使用することができなくなります。

一方、プライベートサーバーの場合には、一旦インターネット経由でのをアクティベーションを行った後は、ローカルに設置されたライセンスサーバーからライセンスを受け取ります。このためインターネットの障害の影響を受けることはありませんので、特にユーザ数が多い場合には、プライベートサーバーをおすすめしています。

・ プライベートサーバーは Altium Designer の複数のバージョンを使用できる

Altium Desihner Summer 09 のプライベートサーバー・ライセンスは、Altium Desihner の複数のバージョンをサポートしています。

例えば、Summer 09 のプライベートサーバー・ライセンスを購入しで認証を行うと、Summer 09 だけでなく Altium Designer 6 以降のすべてのバージョンのプログラムを使用することができますので、お客様からの指定その他の理由で、複数の古いバージョンを併用しなkぅてはならない場合には大変便利です。 なお、この詳細については以下のページをご覧ください。
http://wiki.altium.com/pages/viewpage.action?pageId=11241666 

また、プライベートサーバーのライセンスサーバープログラムは、Altium Designer を使用するクライアント PC にインストールすることもできます。 この場合サーバー用のPC もネットワーク環境も不要になり、スタントアロン・ライセンスと同じように使用することができます。

一人しか使わないので、スタンドアロンで充分という場合でも、複数のバージョンを使い分けたい場合には、フローティングライセンスを利用するとよいと思います。

回路図シンボルとフットプリント

回路図の作成や PCB 設計を能率よく行うためには、必要な回路図シンボルとフットプリントを事前に用意しておくことが必要です。理想的には、専任のライブラリの管理担当者をおきたいところですが、なかなかそうはいかないのが現実だと思います。

そこで今回は、設計者自身が回路図シンボルやフットプリントを準備することを前提に、能率よく必要な部品をを取り揃えるための手段を紹介します。

(1) 標準ライブラリとライブラリエディタの利用
これは最も基本的な方法ですが、アルティウムサイトの併用やウィザードの利用により省力化が可能です。

現在、95,315 個の部品を含む統合ライブラリが標準添付されているほか、アルティウムのライブラリサイト からは新しいく用意されたライブラリがダウンロードできます。

さらに 検索ページ を利用すると、目的の部品をすばやく見つけることができます。

また、ライブラリエディタを使ってでは部品の新規作成や編集を能率よく行うことができます。特に、PCB のライブラリエディタには フットプリントウィザード が用意されており、必要なフットプリントをすばやく作成することができます。

(2) Altium Designer の変換機能を利用する
Altium D esigner では、Altium Designer 以外のツールさ作成されたさまざまなデザインファイルの読み込みができますので、他社フォーマットのライブラリファイルを読み込んで Altium Designer のライブラリとして使用することができます。

さらに、回路図やPCB のデザインデータから自動的に部品シンボルやフットプリントを抽出する機能がありますので、ライブラリファイルがなくても回路図やPCB ファイルさえあれば、手間取ることなく部品を手に入れることができます。なお、Altium Designerでは以下のデザインファイルの読み込みが可能です。

回路図
- Protel Schematic の全バージョン
- P-CAD Schematic ASCII(V15 & V16)
- Orcad Capture (V7, V9 & V10)
- PADS Logic
- DxDesigner

PCB
- Protel PCB の全バージョン
- P-CAD PCB ASCII(V15 & V16)
- P-CAD PDIF
- PADS PCB ASCII
- Orcad Layout(V7)
- CADENCE Allegro
- CADSTAR

詳細は http://altium-info.jp/ibox/2009/01/post-54.html

(3) サードパーティから調達する
Altium Designer の部品ライブラリを販売している会社があります。

すでにご存知だとは思いますが、オルグシステムズ では、国産部品を中心に多くの回路図シンボルを格納した、TechLIB-SCH を販売しています。

弊社でも OEM 供給を受け TechLIB-SCH ad の名称で販売しています。さらに、オルグシステムズではカスタムライブラリの作成を受託しておりますので、オルグシステムズに回路図シンボルの作成を依頼することもできます。

また、Altium Designer では他社の CAD フォーマットのライブラリの読み込みが可能ですので、国内外のサードパーティから提供されている OrCAD 用のライブラリなども、Altium Designer で利用することができます。また Altium のサイトでも サードパーティのライブラリ がいくつか配布されています。 

(4) サードパーティのライブラリ作成ツールを利用する
専用のツールを用いて、能率よくライブラリを作成することができます。

PCB Matrix  という会社がウィザード形式で簡単に部品を作成できる優れたツールを販売しています。回路図シンボル用の、Symbol Wizard と、PCB フットプリント用の IPC-7351B LP Wizard の 2 種類があります。30 日間のトライアルライセンスが無償で提供されていますので、一度試してみてはいかがでしょうか?

(5) デバイスベンダーのサイトから入手する
デバイスベンダーからも、各社が販売する部品のシンボルやフットプリントライブラリが提供されています。

今確認したところでは、Analog Devices のサイトで Protel 99 SE フォーマットでシンボルとフットプリントがが配布されていました。

adevices.png

また、National Semiconductorのサイトでは、Altium Desiger のフォーマットで配布されていました。ただし、National Semiconductorの場合には、Ultra Librarian というツールを使いAltium Desiger などの各社のフォーマットに変換するような仕組みになっているようです。

また、National Semiconductor では、多くのリファレンスデザインが Altium Designer の回路図およびPCB フォーマットで提供されており、これらを読み込んで利用することもできます。

nsref.png

デバイスベベンダーがサポートするフォーマットは各社まちまちですが、Altium Designer フォーマットのものが見つから無くても OrCAD など Altium Designer で読み込み可能なフォーマットのものがあれば利用できます。

以上のような手段を用いることにより、かなりライブラリ作成の手間を省くことができるのではないでしょうか?

Windows 7 64 ビットで試しました

10月 22日に Windows 7 がリリースされてから 2ヶ月近く経ちました。

この新しい OS は大変好評のようですが、アルティウムではまだこの OS に対するサポートは表明しておらず、一ヶ月くらい前にアルティウムに問い合わせたところでは、「動作しないということではないが、動作確認に手間取っておりアナウンスが遅れている」とのことでした。

そこで弊社では、最近導入した Windoes 7 の PC環境に、Altium Deisgner Summer 09 をインストールしてみました。

この新しい PC は以下の構成のノートブックです。

・ OS : Windows(R) 7 Professional 日本語版 64ビット
・ CPU : インテル Core i7-720QM プロセッサー
・ メモリ : 4GB デュアルチャネル DDR3-SDRAM メモリ
・ グラフィック : ATI Mobility Radeon HD 4570 512MB
・ ハードディスク : 128GB SSD

新しい OS という事だけでなく、64 ビット版ですので何らか不具合が出ることを予想していましたが、難無くインストールでき、回路図と PCB の範囲で基本的なレベルの動作をテストした限りにおいては、特に問題は見あたりませんでした。

ただし起動直後に 「64 ビット版に対しては、パラレルポートのドライバーがサポートされていない」というメッセージが表示されます。このため 64 ビット OS 環境では、USB がサポートされていない 古い Nanoboard (NB1) を使用することはできません。

win64lpt.png 


また 64 ビット OS 環境での制限については、Altium Designer ユーザー情報サイト の 64ビットOSへの対応について  にも説明がありますのでご覧ください

今回の動作を確認の内容については説明を省きますが、回路図、PCB の編集とレポート機能について、出張デモの説明手順に従い一通り試しました。

ads09_win7.png 


以上の結果から得た感触として、回路図と PCB 範囲であれば Windows 7 の 64 ビット環境でも問題は無いと思われます。しかし詳細なテストを行ったわけではありませんので、実際に移行される場合には事前に充分なテストをされるかまたは、アルティウムからサポートがアナウンスされるまでお待ちください。

また、もしWindows 7 の 64 ビット環境で不具合が発生した場合には、弊社でも確認させていただきますので、ご連絡ください。 ただし今のところ弊社のサポート部門は  Windows XP 32 ビット 環境で業務を行っており、Windows 7 の 64 ビット環境で生じた不具合に対しては、解決に至るまでのサポートをお約束することはできません。

また、ついでに Protel 99 SE が、Windows 7  64 ビット環境で動くかどうか試してみました。

こちらも詳しく動作を確認したわけではありませんが、回路図、回路図ライブラリ、PCB、PCB ライブラリの各エディタで、新規作成と既存ファイルのオープン、ファイルの保存および、基本的な編集機能については一通り確認しました。

まず、Protel 99 SE SP2 をインストールした後 SP6 にアップデートしましたが、インストールプロセスを含め、特に不具合は生じませんでした。 10 年前のリリース当時このProtel 99 SEは、やたら重くて何をするにもけっこう待たされるソフトでした。しかし今の環境ではたった 1 秒で起動し、サクサク動いてしまいます。

99se_win7.png 

追記: 2014年10月21日
Windows 7 環境での ライブラリが組み込めないという不具合とその対策方法 が紹介されています。

なお当然ながら、この Protel 99 SE ついてはWindows 7 および 64 ビット OS に対するサポートの予定はありませんので、この新しい OS 環境でご使用になる場合は自己責任でお願いいたします。

アセンブリーバリアント

バリアントはバリエーションの意味であり、アセンブリーバリアントは、プリント基板の実装にバリエーションをつけるための機能です。

電子機器の生産に際して、コスト削減ののため、複数の機種でプリント基板を共通化したい場合があります。また、仕向地にあわせて仕様を変えたい場合もあると思います。このような場合には、同じプリント基板に対して実装する部品の数を変えたり、部品の定数を変更することにより、それぞれの仕様にあわせます。

例えば、高級品には全ての部品を実装し、普及品に対しては一部の部品を省いてグレードを下げるという方法を用いて、高級品と普及品のプリント基板を共通化することができます。

このような場合には一つの回路図やPCB デザインから、機種や仕向地ごとに異なった、回路図や部品表、その他の実装データを出力することが必要になります。

これを実現する機能が、アセンブリーバリアントです。なかなか便利な機能ですのでここで紹介いたします。

また、アセンブリーバリアントの機能を使うと、実装するかしないかだけでなく、実装する部品の定数にバリエーションをつけることができますが、ここでは部品を実装しない場合を取り上げて、その手順を説明します。

まず、[ プロジェクト ] > 部品実装バリアント を起動すると、バリアント管理のダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスの左下にある「バリアントの追加」ボタンを押すと、画面にバリアント設定のためのチェックボタンが現れ、それぞれの部品に対して実装するかしないかの設定ができます。デフォルトでは全てチェックが入っていますので、実装しない部品については、このチェックを外します。

また、もし定数を変更したい場合には、ダイアログボックス右下の「New Value」のところに数値を設定することによって可能です。

ここでは、全ての LED とそれに直列に繋がっている抵抗を非実装にするため、これらのチェックボタンのチェックを解除しました。

variant1.png

このダイアログボックスで設定したバリアントでのドキュメントの出力は、OutJob (出力ジョブ)を用いて行います。

 [ ファイル ] > 新規 > 出力ジョブ、を起動すると以下のダイアログボックスが表示されますので、ここで、出力するドキュメントの種類と形式、および適応するバリアントを設定します。

今回は、バリアントを適応した回路図を、PDF で出力するという設定を行いました。

 qutputjob.png

 この設定で「Publish to PDF File 」のボタンを押すと、以下のように実装しない部品に「X 」マークの入った回路図を出力することはできます。 もちろん同様の方法で、アセンブリーバリアントに基いた部品表や実装図を出力することができます。

variant2.png


以上が、アセンブリーバリアントの基本的な機能と操作手順です。この機能の詳細は、Assembly variants - さらなる機能強化をお届けします で説明されています。またこの機能は、Summer 09 でさらに強化されています。 部品実装バリアントの編集 と ボードレベル アノテーションについての詳細はこちら

以上、大変便利な機能ですので一度お試し下さい。 

Altium Designerのデザインサンプル

Altiun Designer が多くの優れた機能を備えたツールであることは、すでによくご存知のことだと思います。しかしそれだけではなく Altiun Designer には実際の運用に役立つ、数多くのデザインデータが用意されています。

例えば回路図の作成や PCB のレイアウトに必要な部品ライブラリには約 10万個の部品が含まれており、回路図やPCB のテンプレートも豊富に提供されています。また FPGA 開発に対して、はロイヤリティフリーの CPU や周辺回路の IP が無償で提供されています。さらに他にもデザインテンプレートなどが豊富に用意されています。

そこで今回は、無償で提供されているこれらデータの中から、デザインサンプルデータをいくつか紹介します。

Altium Designer Summer 09 をデフォルトのままインストールすると、回路図、PCB,、FPGA などのデザインサンプルデータは、Program Files\Altium Designer Summer 09\Examples\ に保存されます。

この Examples フォルダーの下の Tutorials フォルダーには、Altium Designer の導入直後に、その利用方法を学習するために役立つデザインファイルが置かれています。この中には FPGAデザインの概要を知るために役立つファイルがいくつかあり、Altium Designer の特長の一つである、Open Bus を用いたデザインザンプルも用意されています。

また、Examples フォルダーの下の Reference Designs には、実際の開発/設計業務に役立つハードウェアとソフトウェアのデザインサンプルが置かれています。

examples.png


なかでも圧巻なのは、旧 NanoBoard NB1 及び現在の Desktop Nanoboard の全回路図とデザインデータが提供されていることです。これにより、 NanoBoard を利用してFPGA の開発を終えたあと、この NanoBoard の回路図から必要な部分だけを抜き出して、独自の基板を作成することができます。

さらに、Examples\Soft Designs には、CPU が実装された FPGA ボードを動かすための、組み込みソフトのデザインサンプルがあります。ここで提供されているデザインデータを利用することによって、手間をかけずに実際に機能する装置を組み上げることができます。

まさに至りつくせりのサポートがここで行われています。

また、個人的に興味深いのはこの中にオーディオ信号処理に関するデザインサンプルが数多く含まれていることです。おそらくオーディオ機器の開発うを経験したエンジニアが、Altium Designer の開発スタッフの中にいるのでしょう。

たとえば、マルチチャンネルデザインの事例として、アナログのグラフィックイコライザーのデザインサンプルが用意されています。またこれをデジタル処理に置き換えるための FPGA デザインサンプルも用意されています。さらに先日行われた、アルティウム代理店向けのセミナーでも、NanoBoard 3000 と Altium Designer の Open Bus による、デジタルグラフィックイコライザーの開発事例が紹介されています。

アナログ回路による、グラフィックイコライザーのデザインサンプル

analog_eq.png

 グラフィックコライザーをデジタル処理で実現可能な、FPGA デザインサンプル 

didital_eq1.png

digital_eq2.png

いま、Altium Designer に含まれれている、このアナログとデジタルの 2 種類のデザインサンプルを見比べ、Alteim Designer がサポートするテクノロジーの広さをあらためて実感しているところです。

追記(余談) 11月22日: 市販のデジタルオーディオ機器がどのような構成になっているのか気になったので、手持ちのチャンネルデバイダの中身を覗いてみました。

channneldivider.png

アナログ回路は電源と入出力ジャックのまわりだけですが、チャンネルが多いこともあり、基板のスペースの半分以上をアナログ回路が占めています。 DSP チップはマーキングが薄く品番は不明ですが、量産されている機種なので汎用の FPGA ではないかも知れません。

Summer 09 のセットアップ

Altium Designer Summer 09 のリリースから、2ヶ月を迎えようとしていますが、この間にユーザの皆さんからいただいたお問合せで一番多かったには、ライセンスのセットアップに関するものでした。

Summer 09 では、新ししくオンデマンド・ライセンスタイプが加わり、アクティベーションの方法も変更されています。にもかわらず、これについての説明が不十分であったことが、セットアップに関する問い合わせが増えた原因ではないかと思います。       Summer 09 のライセンスタイプ

そこで今回は、Summer 09 のライセンスのセットアップの要点を整理してみたいと思います。

Summer 09 ではその方向性としてインターネットの活用、とりわけ WEB への依存が従来以上に進んでいます。例えば、アクティベーションは WEB を利用した新しい方法に変更されています。またドキュメントはオンラインで提供され、印刷物はありません。さらに新規購入時にはインストール DVD をお送りしていますが、アップグレードの場合には、ダウンロードが推奨されており、インストール DVD の送付はオプションになっています。

(1) プログラムのインストール
新規にご購入いただいた場合にはインストール DVD をお送りしています。アップグレードの場合には、事前の申請により DVD を入手することができます。もし DVD が手元に無い場合、または最新のリビジョンのプログラムを入手したい場合には、専用のサイトからダウンロードすることができます。

ダウンロード先アドレスは、e-mail でご案内しています。また、インストールプログラムはトライアル版を全く同じものですので、トライアルプログラムがインストール済みの場合には、再インストールの必要はありません。

Summer 09 プログラムのインストール方法は以下のページで説明されています。
・ トップ:  ライセンスのセットアップ
・ インストールの手順:
Altium Designerのインストール - オンデマンドライセンスとスタンドアロンライセンス
Altium Designerのインストール - プライベートサーバライセンス

(2) オンデマンド・スタンドアロンライセンスのアクティベーション

アクティベーションは新しい WEB ユーザーインターファイスを用いた方法に変更されており、従来の e-mail でのアクティベーションは廃止されました。

新しいライセンス認証システムでは、それぞれのユーザごとに用意されたアカウントに、各ユーザーが保有しているライセンスの情報が格納されています。ユーザは Altium Designer のライセンス認証画面から、このアカウントにサインインして、この中ににあるライセンス情報を Altium Designer に読み込みます。このサインインには、SUPPORTcenter Credential を用います。  アルティウム SUPPORTcenter 

この後、オンデマンドで使用するかスタンドアロンで使用するかの選択をします。オンデマンドを使用した場合には、ローミングモードに切り替えることもできます。インターネットに接続できない場所で Altium Designer を使用する場合には、このローミングモードに切り替えます。

なお、Altium Designer の納品時に、ライセンス情報を e-mail および書面でお届けしていますが、新しいライセンス認証システムでは、ユーザがこの情報を入力する必要はありません。

この新しい認証システムでは、必ず SUPPORTcenter Credential が必要ですのですので、お手元に無い場合には事前に取得手続きをしてください。

また、スタンドアロンとオンデマンドは、どちらをご注文いただいても同じものが納品され、どちらを使用するかは、インストールが終了した後に設定します。 このスタンドアロンとオンデマンドとの切換えは、好きなときに何度でもできますので、とりあえずはオンデマンドで使用して、不都合が出てきた段階でスタンドアロンに切り替えるということで良いのではないかと思います。

Summer 09 のライセンスの認証(アクティベーション)方法は以下のページで説明されています。
・ トップ:  ライセンスのセットアップ
・ アクティベーションの手順: ライセンスのアクティベーションガイド

なお上記、ライセンスのセットアップ からリンクを辿ると、Summer 09 の ライセンスのアクティベーションガイド ではなく、旧バージョンの認証手順を説明するページが現れますのでご注意イください。

また、Altium wiki ではさらに詳しく丁寧な説明があります。
On-Demand ライセンスシステム  On-Demand ライセンスの使用 
ライセンス システム - FAQ

(3) プライベートサーバー・ライセンスのインストールとアクティベーション

プライベートサーバー・ライセンスは、従来のフローティングライセンスと同じものですが認証方法が変更されています。従来のように、サーバープログラムをインストールして、Web 経由でのアクティベーションを行います。この手順はオンデマンドライセンスと同様、SUPPORTcenter Credential でサインインして、ライセンス情報を取得するという方法に変更されています。従い、事前にSUPPORTcenter Credential を入手しておくことが必要です。

また、e-mail 経由での認証はできませんので、サーバーに使用する PC がインターネットに繋がっていない場合には、インターネットに繋がっている他の PC でアクティベーションを行い、ライセンスファイルを取得します。そしてこのファイツを、サーバーとして使用する PC にコピーします。

クライアントのセットアップ手順は、オンデマンド・スタンドアロンライセンスの場合と同じです。

Summer 09 プライベートサーバー・ライセンスのセットアップの方法は以下で説明されています。
Altium Designerのインストール - プライベートサーバライセンス
プライベートサーバー ライセンスの使用  

(4)  保守期間中の無償アップグレード

保守期間中の Altium Designer のユーザには、Summer 09 へのアップグレードが無償で提供されます。しかし、ユーザに対しして自動的にアップグレードパッケージが送付されるのではなく、ユーザ側での手続きが必要です。

まず、アルティウムからユーザあてにアップグレードの案内がe-mail で送られます。ここにアップグレードを入手するために必要な手続きの方法が示されています。なお、 Summer 09 へのアップグレードの案内はすでに 8月上旬に配信が完了しています。

アップグレード手続きは専用の Web ページで行います。案内に示されたアドレスにアクセスすると、手続きのためのページが現れ SUPPORTcenter Credential の入力が要求されます。

SUPPORTcenter Credential を入力してサインインするとユーザの登録情報と、アップグレード可能なライセンスが表示されます。ここでは、インストール DVD を請求することもできます。このページでの確認と入力を完了了することにより、アップグレードが可能になります。

アップグレードは、旧バージョンとの差分を更新するのではなく、新規インストールになりますので、インストールと認証の手順はこのページで説明した新規インストールの場合と全く同じです。

また、ライセンスタイプは旧バージョンと同じものが提供されますが、無償で変更することができます。変更を希望される場合には遠慮なくお申し付けください。

Altium Designer に関するお問合せと見積り依頼は、フォーム または e-mail info@anvil.co.jp にてお受けしておりますので遠慮なくご連絡ください。

Summer 09 の新機能と改良点

Altium Designer Summer 09 では、オンデマンドという新しいライセンスタイプの追加 とアクティベーション方法の変更が行われたことにより、Altium Designer を 出張先などへ持ち出すことが容易なりました。

これはシステムレベルでの久々の大きな変更です。そしてこの新機能はAltium Designer のプログラムをインストールした直後に動きだし、今までとは異なった手続きが要求されますので、見逃してしまうことはありません。

さらに Summer 09 では他に、今までに例が無いほど数多くの改良が加えられています。 しかしその内容は比較的地味なものが多ため、役立つ新機能を見落としてしまう可能性があります。

そこでこれらのアップグレードの内容を、以下の 3 つの項目に分けて紹介してみたいと思います。

・ メジャーな新機能の追加
・ 使い勝手を良くするためのマイナーな機能の追加や改良
・ 不具合(バグ)の修正

(1) メジャーな新機能の追加
これについては、アルティウムの WEB ページ 「Summer 09の新機能 」 に日本語での説明がありますのでこちらをご覧ください。

PCB ユーザが多い現状ではやはり、このページの最初に紹介されているメカニカルレーヤの追加が、最も注目すべき新機能であると言えます。 Summer 09 では今まで 16層しまなかったメカニカルレーヤが、2 倍の 32層に増えました。

この層数の増加に伴い、PADS、P-CAD、Allegro、OrCAD、CADSTAR、DXF/DWG の読み込み機能も 32層のメカニカルレーヤを読み込めるように変更されています。

また、この変更に伴い、PCB のファイルバージョンが新しいものに変更されていますので、旧バージョンとのやり取りを行う場合には注意が必要です。このため Winter 09 以前のバージョンで作成したPCB ファイルを Summer 09 に読み込む際には、以下のような警告が表示されます。

S09_previous.jpg

この 「Summer 09の新機能 」で紹介されているのは新機能のごく一部であり、これ以外の新機能や改良点はリリースノートに詳しく説明されています。しかしこのリリースノートについては、アルティウム社での翻訳が遅れているようですので、弊社にて独自に翻訳を行いました。

そしてこのリリースノートを詳しく読んでみると、今回の Summer 09 では「メジャーな機能の追加」よりもむしろ、「使い勝手を良くするためのマイナーな機能の追加や改良」 と 「不具合(バグ)の修正」が要視されていることがわかります。

(2) 使い勝手を良くするためのマイナーな機能の追加や改良
リリースノートで紹介されている新機能と改良点の項目数を数えると、PCB - 126、回路図 - 27、FPGA - 79、システム - 43、伝送線路解析とシミュレーション - 5、エンベデッド - 9、CAM - 2、ライブラリ管理 - 6 となり、合計 315項目におよびます。そしてその大半は 「使い勝手を良くするためのマイナーな機能の追加や改良」であると言えます。 そしてこの中には、今まで要望の多かった次の改良が含まれています。

・ OrCAD 10.x で保存した .DSN ファイルの読込み
OrCAD Capture v10.x の場合、ピンから、ピン名、ピン番号を独立して移動できる機能が追加されています。Winter 09 以前では DSN ファイルの保存時にこの機能を無効にしないと読み込むことができませんでしたが、Summer 09 ではそのまま読込むことができるようになりました。

・ DXF/DWG エクスポートの際、表示されているレイヤだけを出力可能
今まで、層ごとに DXF/DWG ファイルを出力することができませんでしたが、Summer 09 では可能になりました。

・ ネットのハイライトでポリゴンもハイライト可能
同電位の箇所を、より適確かつ簡単に知ることができるようになりました。

この 3つの改良だけでも、けっこう便利になったと言えます。

(3) 不具合(バグ)の修正
Summer 09 では不具合の修正、すなわちバグ取りもだいぶ進んでいます。例えば、運用上もっとも深刻なのは、クラッシュ等 「データの消失や操作不能を引おこす」ような不具合ですが、これらに対する修正だけでも 22 箇所にのぼります。

そこで、これらの 22 箇所の深刻なバグの修正点をリリースノートから拾い上げてみました。弊社では、このような不具合についての報告を受けたことはありませんが、皆さんがいままで経験したことがあるクラッシュに対して、対策が行われているかも知れませんので、ざっと目を通してみてください。

 PCB
・ PcbDoc をオープンせずにOutput Job ファイルからPCB の印刷設定を行うと発生していたクラッシュが修正されました。
・ ルームを検索する為にFind Similar Objects でSame スコープを使用してもAccess Violation が発生しなくなりました。
・ Max/Min HoleSize の違反によって発生していたAV(アクセス バイオレーション)が修正されました。
・ P-CAD PDIF ファイルを読み込んだ後に発生していたクラッシュが修正されました。
・ 以前、編集中にルームを配置した後、クローズするとクラッシュしましたが、これは修正されました。
・ グラフィックカードのエラーによってAltium Designer が予期しないエラーを発生することがなくなりました。
・ マニュアル配線でビアを配置する時、クラッシュしなくなりました。
・ HugNPush モードでインタラクティブ配線を実行中、コーナーをアークに変更するとアプリケーションがロックするバグが修正されました。
・ ハイライト中、プリミティブを削除すると発生するクラッシュが修正されました。それらを削除するとアンドゥ用のスタックが不足し、新たなクラッシュが発生していましたがそれを修正されました。
・ 多角形オブジェクトの頂点の重なりを正しく処理できないことで、インタラクティブ配線ツールがクラッシュやハングアップする問題が修正されました。インタラクティブ配線ツールは、高さや幅の無い(頂点が2 つしかない)カッパーエリアがデザイン中に存在するとクラッシュしていました。
・ Windows クラシカルテーマが使用されていると、レイヤスタックアップ レジェンド がクラッシュするケースがある問題が修正されました。
・ ある一般的で無い条件で、クローズによってクラッシュにつながる問題が修正されました。

 回路図
・ テンプレートからの新規回路図作成や既存のファイルから回路図を作成し、回路図をクローズしてもアクセスバイオレーションは発生しません。
・ SCH Library パネルのPlace ボタンから回路図に部品を複数回配置した後、アクセスバイオレーションは、発生しなくなりました。

 FPGA
・ これまで空のアーキテクチャは、論理合成でクラッシュの原因となっていましたが、エラーメッセージがレポートされるようになりました。
・ 特定の大きなファイルで最適化を行う場合、論理合成ツールがクラッシュしなくなりました。
・ プログラムされたNanoBoard が接続されている時に、デバイスビューでLive ステータスを切り替えると、Digital IO の Nexus ドライバで時々発生していたクラッシュを修正しました。
・ 複数のデバイスを一度にビルドするときに、偶然発生する 'Out of resources' のクラッシュが修正されました。
・ Altium Designer は、ターゲットプロセッサが停止できない間、デバッグセッションを開始してもハングアップしなくなりました。
・ Altera デバイスをターゲットにした場合、ロックする可能性を解消しました。

 システムレベル
・ 印刷プレビューは、Windows GDI リソースの消費量を抑え、大きなプレビューの際に発生していた、"Out of system resources" のエラーが発生せず動作するようになりました。

 伝送線路解析とシミュレーション
・ フリッカーノイズ エクスポーネントパラメータ(af)が指定されているレベル2 のMOSFETS が使用されている際に発生するクラッシュが修正されました。

以上詳細については、Altium Designer ユーザ情報サイト の Summer 09 リリースノート ページから Summer09ReleaseNotes_translatedByAnvil.pdf をダウンロードしてご覧ください。

なお、上記ページへのアクセスにはユーザ登録が必要です。登録は無料で、登録画面により簡単に行うことができますので、是非ともこの機会にこの弊社情報ページに登録を済ませ、運用に役立つ豊富な情報をご利用ください。

Altium, Protel, P-CAD は Altium Limited の登録商標です。OrCAD, OrCAD Capture, Allegro は Cadence Design Systems, Inc. の登録商標です。PADS は Mentor Graphics Corporation の登録商標です。CADSTAR は株式会社 図研の登録商標です。

Summer 09 のライセンスタイプ

今月初旬にリリースが予定されていた Altium Designer の新バージョン Summer 09 ですが、今のところまだリリースされていません。

この新バージョンのリリースが待ちきれなくなったというわけではありませんが、今回は Summer 09 で予定されているライセンス形態の変更についてご紹介します。

Summer 09 では、従来の 「スタンドアロン」と「フローティング」に加え、新たに「オンデマンド」という新しいライセンスタイプが追加されます。

  s09lic.jpg    

 このオンデマンドライセンスは、インターネット上に設置されているライセンスサーバから、ライセンスをダイナミックに取得します。このため Altium Designer を社外に持ち出す場合、インターネットにさえ接続できれば、どこででも使用することができます。

基本的にはこのオンデマンドライセンスの場合、Altium Designer を稼働状態に保つために、常時インターネットに接続されているこtが必要です。しかしこの Summer 09 は、本来のオンデマンドモードの他に、一定の期間を設定し、その期間内であればオフライン状態でも Altium Designer のライセンスを保持することができる、ローミングモードを備えています。

このローミングモードを使用すれば、従来のスタンドアロンライセンスと全く同じようにオフラインで使用することができ、インターネット環境の無いところにでも、Altium Designer を持ち出せます。またこのオンデマンドモードとローミングモードは、いつでも切り替えられますので、状況に応じて柔軟に使い分けることができます。

さらに、オンデマンドライセンスとスタンドアロンライセンスをユーザが任意に切替えることができます。よって、オンデマンドライセンスを選んでも、状況に応じて容易にスタンドアロンライセンスに移行することができ、またその逆も可能です。ただし、複数ライセンスのオンデマンドライセンスから、スタンドアロンライセンスに移行することはできません。

このように、Summer 09 では、オンデマンドライセンスの追加により、非常に効率よくライセンスを使い回すことができるようになりますが、ひとつ注意しなくてはならないことがあります。

それは、e-mail によるライセンスの認証が廃止されることです。新しいライセンスシステムでは、インターネット上に設置されたアルティウム アカウントマネージャによって、ライセンスが管理されます。このためスタンドアロンやプライベートサーバであっても認証の際にはインターネットに接続し、このアカウントマネージャにサインインすることが必要です。

また、もしどうしてもインターネットに接続できない場合には、インターネットに接続されている他の PC を使ってアクティベーションを行い、取得したライセンスファイルを目的の PC にコピーすることによって、インターネットに接続できない PC で Altium Designer を使用することができます。

以上が、Summer 09 で導入される新しいライセンスタイプの概要です。オンデマンドライセンスの利用により、今まで課題となっていた Altium Designer の持ち出しを容易に行うことができます。

なおここでの説明は、リリース前の先行情報に基くものです。従い、リリース時には仕様が変更される場合があります。

CAM エディタでネガポジ変換

Altium Designer の PCB エディタでは多層基板の内層をポジ(MID Layer)で設計することも、ネガ(Internal Plane)で設計することもできます。

このため設計対象に合わせて、内層をポジで設計するかまたはネガで設計するかを選べますので、大変便利なのですが、1枚の基板に面付けを行う場合にはどちらかに統一する必要があります。

新たに設計を行う場合には、面付けの相手方の基板にあわせて、ポジかネガかを決めれば良いわけですが、すでに設計が完了している基板を組みあわせて面付けする場合には、ネガからポジ(またはその逆)への変換が必要です。

このネガポジ変換は、Altium Designer CAM エディタ(CAMtastic)の、コンポジットレーヤを利用して行うことができます。

コンポジットレーヤとは、複数の層を一つに合成したレーヤ(層)のことです。このコンポジットレーヤ上で、2 つの層の反転合成を行った結果として、ネからポジへの変換が行われます。すなわち、 [ ポジのベタエリア] マイナス [ 内層ネガデータ] = [ 内層ポジデータ ] というように変換されます。

以下がこのCAM エディタによる、ネガポジ変換の手順です。お客様からの問合せがあったので実際に試してみました。サンプルデータには、デモファイル 4 Port Serial Interface.PcbDoc に Internal Plane を加えたものを使用しました。

(1) PCB データの編集とガーバ出力

サンプルデータは 4 Port Serial Interface.PcbDoc に Internal Plane を加えたものです。通常の場合は何も手を加えずにガーバ出力しますが、反転合成を行う場合には [ ポジのベタエリア] が必要になりますので、使っていない Mechanical Layer2 にこのベタエリアを配置しました。

nppcb2.gif
そしてここから、このMechanical Layer2'(ポジのベタエリア)とInternal Plane(内層ネガデータ)をガーバ出力。

PCB エディタからガーバ出力され、CAM エディタに読み込まれた「内層ネガデータ」

np1b.gif 

PCB エディタからガーバ出力され、CAM エディタに読み込まれた「ポジのベタエリア」

 np2b.gif

(2) コンポジットレーヤの作成

編集 >> コンポジットレーヤ >> コンポジットの自動作成コマンドを起動して、コンポジットレーヤを作成する。

コンポジットの自動作成コマンド

composite2.gif

このコマンドの起動後、マウスのカーソルが " □ " に変るので、ドラッグによって対象エリアを囲む。そのあとマウスを右クリックすると以下の、コンポジットの自動作成、という名称の設定画面が現れる。

   np_comp.gif

この設定を変更せずにOK ボタンを押すと、コンポジットレーヤが作成される。
このコンポジットレーヤでは、 「 ポジのベタエリア」から「 内層ネガデータ」の引き算が行われ、その結果としてネガからポジへの変換が実現される。 

np3b.gif

CAM エディタは PCB エディタと操作性が異なるので、なにかと手間取ることが多いのですが、このネガポジ変換については、コマンドを 1 つ起動するだけなので非常に簡単でした。

以下に Composite レーヤについての詳しい説明があります。(英文)
http://www.pcad.com/resources/learningguides/tutorials/camtastic.pdf

Altium Designer は難しい?

アルティウムの知恵袋の「Altium Designer は難しい?」の改版です。

アップグレードを検討中の方々から「Altium Designer は以前のプロテルからだいぶ変わっていますか?」とか、「プロテルに慣れていればすぐに使えるようになりますか?」といったお問合せを良くいただきます。

要するに、「全く別物に変身してしまっていて、一から覚え直さなくてはならないのではないか?」ということが心配なわけです。

たしかに Altium Designer は多機能化により複雑にはなっていますが、プロテルを知っていれば使いこなすのは、それほど困難なことではありません。しかし、とっつきの悪い面もありますので、ある程度の心の準備が必要です。

まず、Altium Designer を起動して面食らうのは画面のレイアウトの違いです。 Protel 99 SE と比べると、パネルの種類が 10倍以上に増えていますので、操作に慣れるまでは画面レイアウトの組み替えに手間取ってしまいます。

これは、統合環境を提供するためのプラットフォームが、以前の EDA/Client → Design Explorer から DXP Platform に変ったためです。画面のデザインだけでなく操作性も変っていますので、慣れるまでにはそれなりの時間がかかると思います。

参考のため、以下にこのプラットフォームの変遷をまとめておきます。

Protel Ver 1.x - 2.x         - 統合プラットフォーム無し
                          ↓↓
Protel Ver 3.x - Protel 98     - EDA/Client
                          ↓↓
Protel 99 SE               - Design Explorer
                          ↓↓
Protel DXP - Altium Designer    - DXP Platform


一方、回路図エディターや PCB などの各ツールの編集機能については、今までのプロテルの操作性を踏襲した上での機能拡張が行なわれていますので、プロテルに慣れていれば Altium Designer への移行は、それほど難しくはありません。

しかし従来の機能が別のものに置き換えられていたり、異なったふるまいをする機能がありますので若干の注意が必要です。例えば、一括変更や PCB のネット入力は従来どおりの方法で行うことはできません。 
Protel ユーザの為の傾向と対策

以上のように、Altium Designer  では画面のデザインや操作性がけっこう変わっていますが、これらの違いに慣れて回路図や PCB の入力を始めると、今までのプロテルと同じように使えることがすぐにわかると思います。

Altium Designer では各ツールの統合が進み、以前は独立していた CAMエディタや伝送線路シミュレータも統合され使いやすくなっています。また、配線機能も半自動化によりスイスイ線が引けるように進化しています。

これらのアドバンテージを考えると、これくらいの操作性の違いで導入を躊躇するのは、大変もったいない事のように思います。アンビル コンサルティングは、Altium Designer へ移行される皆様方を全力でサポートしますので、安心して導入をご検討ください。

OrCAD と PADS ファイルの読込み

Altium Designer は アルティウム旧製品や他社製品で作成した回路図ファイルや PCB ファイルの読み込み機能が豊富ですので、既存のデータを容易に再利用することができます。

この読込み機能のうち特に、OrCAD 回路図と PADS PCB ファイルの読込みに関する問い合わせが多く、OrCAD と PADS が幅広く普及していることがわかります。また、いまだに「OrCAD で回路図を描きPADS で PCB を設計する」 というように、OrCAD と PADS がセットで使われる場合が多いようです。

このような場合、Altium Designer ではOrCAD 回路図と PADS PCB ファイルを、相互の関連を保ったまま、一括して読み込む事ができるので大変便利です。

この便利な機能は、Altium Designer のバージョン 6.3 で実現され、6.3 の新機能の目玉として以下ようにアナウンスされています。
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Altium Designer 6.3 では、従来のポイントツールである製品から Altium Designer への移行を、シームレスに実現するための多くの新機能が搭載されている。

それには、PADS のフットプリント(パターン)ライブラリをシームレスに Altium Designer のライブラリへと変換できる新装備の PADS ライブラリ・インポーター、PADS PowerPCB バージョン 2005 (SP0)  までの ASCII ライブラリ・ファイルのインポート機能などがある。
また、以前から装備されていた OrCAD Layout、 OrCAD Capture と OrCAD PCB 用の回路図ライブラリ・ファイルを扱える OrCAD インポーターでは、6.3 から新たにシミュレーション用データを含んだ OrCAD デザイン・コンポーネントにも対応し、シミュレーション可能な回路図や回路図ライブラリが取り扱えるようになった。

Altium Designer 6.3 ではさらに、PADS/OrCAD を統一化したインポーターにより、OrCAD の回路図シンボルと PADS のフットプリント(パターン)を、インポートして統合ライブラリを作成できる機能も追加された。この機能はさらに、ウィザードによる簡単な一度だけの操作で、OrCAD の回路図とPADS PCB のドキュメントを、単一のAltium Designer のプロジェクトへと変換することもできる。
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さらにこの機能については、以下で詳しく説明されています。
Moving to Altium Designer from PADS Layout ® and OrCAD Capture.

また、読込みが可能な OrCAD と PADS のバージョンは以下のとおりです。

読み込み可能なOrCAD Capture のバージョン
OrCAD Capture v9.x までが正式にサポートされています。Capture v10.x 以降のバージョンで描かれた回路図も、条件によっては読むことができますが保証の範囲ではありません。

OrCAD Capture v10.x の場合、ピンから、ピン名、ピン番号を独立して移動できる機能が追加されており、この機能を使うと読込むことができません。しかしCapture v10.x の場合でも、この機能を無効にしてファイルを保存しなおすことにより、読込みが可能になります。その手順は、

(1) OrCAD Capture v10.x のアプリケーションでファイルを開き、
  ファイル>>名前を付けて保存(File>>Save As)を選択する。
(2) ピン名、ピン番号が移動している場合、ピン名とピン番号を削除するチェック
  ボックス(Remove Pin Name and Number Movement)が表示されるので、
  これにチェックを入れファイルを保存する。
(3) .保存したファイルを Altium Designer で開く。

追記: 2009年9月10日
Altium Designer Summer 09 では上記の制限が取り払われ、通常の読み込み手順で OrCAD Capture v10.x ファイルの読み込みが可能になりました。 Summer 09 の新機能と改良点

また、OrCAD DOS 版の読み込みについても、時々問い合わせをいただくことがありますが、Protel 2004 以降この機能が無くなりましたので、OrCAD DOS 版で作成された回路図を読み込む場合には、Protel 99 SE (またはそれ以前の回路図エディタ)を経由しなくてはなりません。

読み込みが可能な PADS PCB のバージョン
PADS PowerPCB V1, V1.1, V1.5, V2, V3.0, V3.5, V4.0, V5.0

さらに Altium Designer では PADS 回路図エディタ Pads Logic の、Version 2005.0、2005.2、および Power Logic Version 5.2 の読込みが可能です。

回路図エディタの分野では PADS はあまりメジャーな存在ではなく、回路図を描くことを目的に PADS 製品を購入されたというケースは稀なのではないかと思います。しかし PADS PCB や PADS Power PCB のためのデザインエントリーツールとして、PADS PCB ツールとのバンドルで販売されていましたので、案外ユーザ数は多いのではないでしょうか?

この PADS Ligic 回路図は PADS PCB ファイルと同時に、相互の関連を保ったまま一括して読み込む事ができます。この機能ついては、以下でも紹介されています。
Moving to Altium Designer from PADS Logic ® and PADS Layout.
新しいPADSインポート機能の自動デモ

OrCAD、OrCAD SDT、OrCAD Capture は Cadence Design Systems, Inc. の登録商標です。PADS、PADS Logic、PADS PowerPCB、PADS PowerLogic は Mentor Graphics Corporation の登録商標です。

ロゴデータの貼り付け - 続編

先月末の「ロゴデータの貼り付け」の記事で、Copy and Paste によって、PCB 上にロゴデータを貼りつける方法を紹介しましたが、今回はこのCopy and Paste 以外の方法のご紹介です。

前回も少し触れましたが、Altium Designer ではロゴを貼りつけるために、Copy and Paste 以外に次の 3 つの方法が提供されています。

(1) DXF/DWG ファイルの読み込み
(2) Gerber (ガーバー)データの読み込み
(3) スクリプトによる BMP ファイルの読込み

ロゴデータのやりとりには、AutoCAD のDXF/DWG、Gerber、BMP などのフォーマットがよく用いられますが、Altium Designer では上記の方法により これらの 3 種類のフォーマットで用意されたロゴデータを読み込むことができます。

では、その手順と要点について簡単に説明します。

(1)  DXF/DWG ファイルの読み込み
ロゴデータをDXF/DWG ファイルで受け取った場合

PCB エディタの [ ファイル ] >> インポートコマンドの起動によって File Import ダイアログボックスが表示されます。このこの中の、ファイルの種類のリストから AutoCAD (*.DXF; *.DWG)フォーマットを選んだのち、DXF/DWG フォーマットで提供されたロゴファイルを読み込みます。

dxf_in.gif

多くの場合はこの方法で、DXF/DWG ファイルを読み込むことができますが、DXF/DWG ファイルの中に Altium Designer でサポートされていないデータが含まれていると読み込めない場合があります。

このような場合には、一旦 CAM エディタに DXF/DWG ファイルを読み込み DXF/DWG フォーマットで保存しなおすと、PCB エディタで読み込めるようになる場合があります。

現状では、PCB エディタより CAM エディタの方が、DXF/DWG フォーマットのバリエーションに対する対応範囲が広いようです。

またもしCAM エディタ でもDXF/DWG ファイルが読めない場合には、他のグラフィックソフトで DXF/DWG ファイルを表示し、前回説明したようにスクリーンショットを取って Copy and Paste で貼りつけると良いでしょう。

(2) Gerber (ガーバー)データの読み込み
ロゴデータを Gerber ファイルで受け取った場合

PCB エディタには、Gerber ファイルの読み込み機能がありますが、Altiun Designer から出力した Gerber データしか読み込めません。この場合には一旦、CAM エディタにGerber ファイル読み込みます。

import_gerber.gif

そしてDXF/DWG フォーマットで保存して、上記 (1) で説明した方法でこの DXF/DWG ファイルを読み込みます。要するに CAM エディタを、Gerber フォーマットから DXF/DWG フォーマットへの変換ツールとして使用するわけです。

また CAM エディタには 「PCBへエクスポート」というコマンドがあり、これを使ってCAM エディタに読み込まれた Gerber データを、PCB に再現することができます。しかしこのコマンドは単層の Gerber データ には使用できませんので、多少の小技(ダミーのGerber データを用意して合成する)が必要になります。

この「PCBへエクスポート(Export to PCB)」コマンドについては、Altium Designerでガーバ編集 にも説明があります。 また データのやり取り、小技いろいろ での説明も参考になると思います。

(3) スクリプトによる BMP ファイルの読込み
ロゴデータを BMP ファイルで受け取った場合

この手順については、アルティウムの Support Center に説明がありますので、それをそのまま転載します。

以下、アルティウムのサポートセンター(Support Center)からの転載
--------------------------------------------------------
PCBエディタでは、ビットマップなどのラスター形式のグラフィックデータをインポートする事はできません。

但し、Altium Designerでは、(モノクロの)ビットマップ形式のロゴをPCBドキュメントにインポートできるよう、細いトラック形式に変換するスクリプトが用意されています。

以下の手順を実行してください:

\Program Files\Altium Designer[6, Summer 08, Winter 09]\Examples\Scripts\Delphiscript Scripts\Pcb\PCB Logo Creator\ フォルダにあるPCB Logo Creatorプロジェクトをオープンします。

ファイルメニュー左横にあるDXPメニューから スクリプトの実行(Run Script)を実行し、ダイアログで、RunConverterScript を選び、OKボタンをクリックします。

PCB Logo Creatorダイアログが表示されますので、Loadボタンをクリックし、ビットマップファイルを指定します。ダイアログに画像が表示されますので、Convertボタンをクリックします。

新規PCBファイルが作成され、ロゴが変換されますので、この部分をコピーし、他のPCBにペーストしてください。
また、これとは別に同じ様なスクリプトが用意されています。こちらのスクリプトでは、トラックではなくカッパーエリアを使用してイメージを作成します。

元の画像にもよりますが、こちらの方が、より少ないプリミティブで正確なイメージを再現できます。このスクリプト PCBPictureCreator.PRJSCR は、\Program Files\Altium Designer[6, Summer 08, Winter 09]\Examples\Scripts\Delphiscript Scripts\Pcb\CreateRegionsFromBitmap フォルダに保存されています。

注:Winter 09 よりモノクロではない画像も変換できるように改良されました。
--------------------------------------------------------
アルティウムのサポートセンターからの転載終了

このスクリプトについては、アルティウムサイトの スクリプトを利用したAltium Designerでの設計手法 で詳細に説明されています。

当方で試した限りでは、Copy and Paste が一番簡単で良さそうなのですが、うまく行かない場合があるかも知れません。また後で手を加える場合にはオリジナルのファイルをそのまま読み込んだ方が良い場合もあると思います。このような場合には、ここで説明した方法が使えます。

まずは 前回紹介した Copy and Paste を試してみて、うまく行かない場合には上記の方法をお試しください。

ロゴデータの貼り付け

基板設計においては、簡単にできそうな作業がうまく行かず、無駄な時間を費やしてしまうことがあります。

このような作業の一つとして、基板上へのロゴデータの貼り付けがあります。

Altium Designer ではこの作業をスムーズに行えるよう、次の 4 種類の方法によるロゴデータを読み込みをサポートしています。

・ 画面イメージの Copy and Past
・  DXF/DWG ファイルの読み込み
・ Gerber データの読み込み
・ スクリプトによる BMP ファイルの読込み

この中でダントツに簡単なのは、画面イメージの Copy and Past による貼り付けです。その手順はただ単にPCB 上に貼り付けたいロゴの画像を画面に表示し、それを 「Ctrl + C」でコピーして「Ctrl + V」で貼り付けるという極めて単純なものです。

そして、貼り付けられたロゴデータは、ハンドルをドラッグするだけで簡単に拡大したり縮小したりすることができます。

そこでその手順を簡単に紹介したいと思います。

(1) グラフィックツールにロゴ画像を表示し、「Ctrl + C」でコピー
anlil_bmp.gif

(2) PCB 画面に「Ctrl + V」で貼り付け、ハンドルのドラッグによりサイズを決定
anlil_pcb.gif

(3) 一旦確定したロゴサイズの変更は、「ユニオンサイズの変更」によって行う
unionsize.gif

他の3つの方法も便利ですが、ロゴデータを画面に表示することさえできれば、この方法を使うのが一番手っ取り早いと思います。

Altium Designer の動作環境

相変らず、Altium Designer の導入やアップグレードを検討中の方々から、問い合わせをいただくことが多いので、ここで一度 Altium Designer の動作環境についておさらいをしておきます。

まず、アルティウム ジャパンサイトでは次のように示されています。
http://www.altium.com/products/altium-designer/jp/system-requirements.cfm

--------------------------------
推奨システム構成
・  Windows XP (Professional またはそれ以上)
・ Intel Core™ 2 Duo/Quad 2.66 GHz、または、同等以上のCPU
・ メモリ 2 GB
・ ハードディスクに 10GB 以上の空きスペース(プログラム + ユーザ領域)
・ 解像度1680×1050、または1600×1200 のデュアルモニタ
・ グラフィックカードは NVIDIA® Geforce® 80003 シリーズ 256 MB、または同等以上
・ パラレルポート(NanoBoard-NB1 との接続)
・ USB2.0ポート(NanoBoard-NB2 との接続)
・ Adobe Acrobat Reader 8 またはそれ以降
・ DVD ドライブ
・ インターネット接続(ソフトウェアの認証とアップグレードその他のサービス)

最小システム構成
・ Windows XP SP2 Professional またはそれ以上)
・ Intel Pentium™, 1.8 GHz、または同等以上の CPU 
・ メモリ 1 GByte
・ ハードディスクに 3.5GB 以上の空きスペース(プログラム + ユーザ領域)
・ 解像度1280×1024。2 台目のモニタ(解像度1024×768以上、より快適な運用のため)
・ グラフィックカードはNVIDIA® Geforce® 6000/7000 シリーズ 128 MB 、
  または同等以上。(8500 GT , 256mbでテストされています)
・ パラレルポート(NanoBoard-NB1 との接続)
・ USB2.0ポート(NanoBoard-NB2 との接続) 
・ Adobe Acrobat Reader 8 またはそれ以降  
・ DVD ドライブ

※1 Windows Vistaでの動作もテストされています。
※2 機能的にはWindows2000 での動作がテストされていますが、最適な動作環境としては保証できません。
※3 3D ビジュアライゼーションなどの優れたグラフィックエンジンをフル活用するには、グラフィックカードが DirectX 9.0c、Shader model 3 をサポートしている必要があります。オンボードベースのグラフィックカードは、システムの最小構成や推奨構成としては、お勧めできません。
--------------------------------

おおよそこんなところだと思いますが、モニタについては少し要求が過大なのではないかと思います。例えば最少システム構成として、2 台つのモニタが必要であるごとく示されています。しかしこれは注釈で示したようにより快適に使用するためのもので、決して無くては使えないというものではありません。

その他、質問の多い事項や注意点などを以下に紹介します。

(1) Windows Vista への対応
Altium Designer は Windows Vista にフォーカスした開発された製品ではありませんがVista 上での動作確認は行なわれています。ただし、Windows Vista および、Windows 2003 Server をライセンスサーバとして使用する場合には、Altium Designer ライセンスサービスのアイコンが表示されないという問題があります。この詳細および解決方法は「ライセンスサーバのセットアップ」 をご確認ください。

(2) DirectX
Altium Designer では描画を高速化するために DirectX API を利用しており、高性能なグラフィックカードと DirectX の機能を駆使することにより、飛躍的な高速化が実現されています。このためDirectX のドライバが古いと問題をおこすことがあり、DirectX のドライバーのリビジョンは最新のもの(9.0c)が必要になります。もし 9.0b などの古いリビジョンの場合には不具合が発生します。

ユーザから報告された以下の不具合はこの DirectX ドライバーが原因でした。
・ 特定のダイアログボックスが開かず "Error:creating options page"というメッセージが表示される。
・ PCB のライブラリファイルを開けない。

上記の他にもいくつかの症状が報告されています。もし表示に関する不具合が発生した場合にはまず DirectX のりビジョンを確認してください。

Direct Xのバージョンの確認は、Windowsのスタート メニューから"ファイル名を指定して実行"を選択し、dxdiag と入力しOKを押します。また、DirectX に関する情報の入手およびダウンロードは、以下のページで行なうことができます。 http://www.microsoft.com/japan/windows/directx/default.mspx

(3) グラフィックカード
グラフィックスについては特定メーカの製品名が記載されていますが、他社製品でも同等以上の機能を備えていればお使いいただくことができます。Altium Designer の 3D 機能を動作させる場合には、DirectX 9.0c Shader model 3.0 をサポートするグラフィックカードが必要です。

もしこの仕様に満たない場合でもほとんどの機能は動作しますが 3D 表示を行なうことはできません。またこの場合、プリファレンス ダイアログの「PCB Editor-Display ページ」にある、「Direct Xを使用」の項目のチェックを外すことが必要です。

またアルティウムではいくつかのグフィックボードを取りあげ、Altium Designer 環境下でのパフォーマンスベンチマークを行っています。以下に報告されていますので、グラフィックカードを選ぶ上での指標としてご利用ください。
https://wiki.altium.com/display/ADOH/Performance+comparison+of+graphics+cards

(4) 64 ビットへ OS への対応
アルティウム ジャパンに問い合わせたところ 64bit 版 OS については、「Nanoボードに接続する場合などのパラレルポートの接続がサポートされていない」という回答がありました。少なくとも Altium Designer は 64 ビット OS で使うことを前提に開発されたものではありませんが、問題なく動作するようです。

64 ビット OS 上での動作については当方にはこれ以上の情報がありませんので、実際に試された方に「ちゃんと動いたか教えてほしい」というのがほんとうのところです。

以上を総括すると、グラフィック環境が少々大げさではありすが、その他のスペックはメインストリームのデスクトップ PC レベルで大丈夫ということになると思います。

Altium Dsigner を初期化する

 ソフトウェアツールはときおり、挙動不審なふるまいを起こすことがあります。

例えば Altium Designer の使用中、昨日まで使えていたショートカットが効かなくなったり、登録したはずのライブラリがリストから消え、部品が呼び出せなくなったり、また稀に何かの拍子にクラッシュするといったこともあります。

これらに対処するためにはまず、症状を分析して原因を突き止めなくてはなりませんが Altium Designer のように複雑なシステムでは、これは極めて困難で時間のかかる作業になります。

そこで、このような不具合に対する手っ取り早い対処方法として、設定ファイルを消去してAltium Designer をインストールされた直後の状態に戻すことをお奨めします。少なくともこのことにより、ショートカットとメニューは初期状態に戻ります。また他の不具合も解決する場合があります。

Altium Designer の設定ファイルは以下のフォルダーに格納されていますので、これらをフォルダーごと消去してください。
(1) Document and Settings/All Users/Application Data/Altium Designer winter09 フォルダ
(2) Document and Settings/All Users/Application Data/Altium Designer Winter 09_Security フォルダ
(3) Document and Settings/[User Name]/Application Data/Altium Designer winter09 フォルダ
(4) Document and Settings/[User Name]/Application Data/Altium Designer Winter09_Security フォルダ

※ 通常 Application Data フォルダは非表示に設定されています。もし上記のフォルダが表示されない場合には、エクスプローラのフォルダオプションの設定を、「すべてのファイルとフォルダを表示する」に変更してください。

del_default.gif

(アルティウム ジャパンの説明によると、削除すべきフォルダーが 4 つ存在するはずだが、なぜか弊社の環境では上記のようにフォルダーが 3 つしかない)

Altium Designer では、設定ファイルが無ければ起動/終了時に自動的に作りますので、ただ単に消すだけで大丈夫です。

またあわせて、レジストリを消去されることをお奨めします。これには、レジストリエディタを使用します。レジストリエディタは、「ファイル名を指定して実行」の画面に regedit と入力することにより起動します。画面の左側にツリーが表示されますので、この Sofitware の分類の中にある、AltiumDesigerWinter09 を消去してください。

del_reg.gif


再インストールの際にも、この設定ファイルとレジストリは書き換えられずそのまま残ります。もし、トラブル対策のためにクリーンインストールするという場合には、必ず以上のように設定ファイルとレジストリを消去してください。

他機種フォーマットでの書き出し

   アルティウム製品は、旧来より他社製品や旧バージョンとの互換在が重視されています。そしてこれは現在の Altium Designer においても変る事なく、多種多様なフォーマットのサポートが行なわれています。

Altium Designer の持つ、他機種で作成されたファイルの読込み機能について前回紹介しましたので、ここでは他機種フォーマットでの書き出し機能をご紹介します。

Altium Designer ではプロジェクト単位での書き出しと、個別ドキュメントの書き出しの両方をサポートしています。

プロジェクト単位での書き出しは [ ファイル] >> プロジェクトに名前を付けて保存、により行なうことができます。 Altium Designer では、階層化された複数の回路図を他機種のプロジェクトファイルのフォーマットで保存することができます。

プロジェクトファイルへの書き出し
- OrCAD Capture (dsn)
- P-CAD Schematic

[ ファイル] >> プロジェクトに名前を付けて保存
save_prj.gif


個別ファイルの書出しは、[ ファイル] >> 名前を付けて保存、により行ないます。これにより、回路図や PCB データを多様なフォーマットで保存することができます。 

回路図の書出し
- Orcad DOS Schematic
- Protel Schematic V4
- Protel Schematic テンプレートファイル
- AutoCAD (DXF/DWG)

save_sch.gif

回路図ライブラリの書出し
- Orcad Capture (olb)
- Protel Schematic V4 (Protel 99 / 99SE)
- P-CAD V16

save_schlib.gif

PCB の書出し
- V3 binary (Protel V3 / Protel 98)
- V4 binary (Protel 99 / 99SE)
- V5 binary (Altium Designer 6 の初期のフォーマット)
- Protel ネットリスト
- AutoCAD (DXF/DWG)
- HyperLynx (hyp)
- P-CAD ASCII
- Protel PCB 2.8 ASCII (Advanced PCB 2.8)
- CADENCE Specctra (DSN)
- SDRC-IDF  (Brd)
- STEP(step / stp)

save_pcb.gif

PCB ライブラリの書出し
- V3 binary (Protel V3 / Protel 98)
- V4 binary (Protel 99 / 99SE)
- V5 binary (Altium Designer 6 の初期のフォーマット)
- P-CAD V16(lia)

save_pcblib.gif


このように多種多用なフォーマットでの書き出しが可能です。特に PCB については種類が豊富であり、旧プロテルの Advenced PCB や、オートルータおよび 伝送線路シミュレータなどとのインターフェスに利用できます。

前回ご紹介した読み込み機能にあわせこれらの機能を活用すると、他のツールや外部の事業者との連携の幅を飛躍的に広げることができるはずです。

他機種で作成されたデータの読込

アルティウム製品は、Protel の時代から他社製品や旧バージョンとの互換在が重視されており、他機種で作成されたファイルの読込みや他機種への書き出し機能が充実しています。その特長は現在の Altium Designer にも引き継がれ、さらに機能や読み書き可能なフォーマットの種類が拡張されています。

そこで今回は、現在の Altium Designer の持つ他機種ファイルの読み込み機能をご紹介します。

まず、[ ファイル] >> 開く、で表示されるファイル形式のリスト、およびインポートウィザードの画面をご覧ください。

open_ext.gif

このリストには CAD フォーマットだけでなく関連するテキストフォーマットも含まれていますが、このリストを見るだけで Altium Designer がいかに多種のフォーマットをサポートしているかがわかります。

またインポートウィザードでは、回路図とPCBとの連携を保ったまま、プロジェクト単位でファイルを読み込むことができます。このため読み込み手順が簡素化され、さらに読み込んだ後の編集作業を最小限に抑えることができます。

回路図とPCB の範囲で、読込み可能なフォーマットを整理すると以下のようになります。ほとんどのフォーマットのデータは [ ファイル] >>開く、で読み込むことができ、一部のフォーマットについては [ ファイル] >> インポート、で読込みます。

回路図データの読込み
- Protel Schematic の全バージョン
- P-CAD Schematic ASCII(V15 & V16)
- Orcad Capture (V7, V9 & V10)  注: 2009年 10月13日、V10を追加
- PADS Logic
- DxDesigner
- R2000 までの AutoCAD DXF/DWG

[ ファイル] >> インポート、での読込み
import_sch.gif


PCB データの読込み
- Netlist(Protel および Tango)
- Protel PCB の全バージョン
- P-CAD PCB ASCII(V15 & V16)
- P-CAD PDIF
- PADS PCB ASCII
- Orcad Layout(V7)
- CADENCE Allegro
- CADSTAR
- Specctra RTE
- SDRC-IDF Brd
- R14 までの AutoCAD DXF/DWG(電気層への読み込み)
- Gerber - batch および Single

[ ファイル] >> インポート、での読込み
import_pcb.gif

これだけ多くの機種のフォーマットをサポートした CAD ツールは他に見当たりません。もしこれらの機種で設計されたデータがございましたら、是非ともこの機能をご利用ください。

データのやり取り、小技いろいろ

Altium Designer は開発/設計分野を極めて広範囲カバーするツールですが、時には他のツールとの連携が必要になる場合があります。特に、設計の一部を外部に委託したり、また委託された場合には、他のツールとのデータのやり取りは避けられないのが現状です。

そこで今回は、このデータのやり取りの際に起こりがちなトラブルと、それを解決するための小技をいくつか紹介します。

(1) PCB へのネットリストの読み込みがうまく行かない
周知のとおり、Altium Designer の PCB ツールにはネットリストを読み込むための専用のコマンド(例えば Load Netlist など)が用意されていませんので、ネットリストの読込みには、コンペア機能を使用します。 ネットリストが読み込めない

このため他の PCB ツールとは異なり、ネットリストを読み込む際には、部品リストと接続情報とが一体になっていなくてはなりません。

例えば、部品リストと接続情報とをそれぞれ別のファイルに格納し、まず部品リストを読み込んだとします。これにより画面上に PCB 部品が呼び出されます。しかしこの後、部品リストの無い接続情報を読み込むと、画面上に呼び出されている部品は全て消え、接続情報の読み込みも行なわれません。

このように、部品リストが含まれていない単独の接続情報を読み込むことはできませんので必ず、部品リストと接続情報の両方を含む完全なネットリストを用意しなくてはなりません。

また、ネットリストの読み込みは Protel フォーマット と Protel 2 フォーマットのどちらでも可能ですが、混在することは許されていません。従いどちらかへの統一が必要になりますが、この場合にはシンプルな Protel フォーマットお使いになることをお奨めします。その理由はPCB の Export Netlist From PCB コマンドで出力されるネットリストでは、 Protel フォーマットが用いられているからです。

また、もし外部から Protel 2 フォーマットのネットリストが支給された場合には、NET-TOOL++ またはNET-TOOL ad を使うことによって、シンプルな Protel フォーマットに変換することができます。

(2) PCB 上にガーバーデータを貼り付けたい
Altium Designer の PCB ツールにはガーバー入力機能がありますが、文法上の制約により、事実上 Altium Designer から出力したガーバーファイルしか読み込むことができません。

このため PDB にガーバーを貼り付たい場合、一旦 Altium Designer の CAM エディターにガーバーを読み込んだ後、PCB に転送するという手順が必要になります。そしてこれを容易に行なうため、 CAM エディターに「Export to PCB」というコマンドが用意されています。

しかし、単一層のみのガーバデータの場合には、この「Export to PCB」コマンドが使用できませんので、CAM エディターから DXF フォーマットで出力して、PCB エディタの DXF Import 機能を用いてこれを読み込むという手順が必要になります。

もし、ガーバーデータで作成されたロゴデータを PCB 上に貼り付けたい場合には、以上のように 一旦 CAM エディターに読み込んで DXF に変換してから PCB に読み込んでください。

(3) DXF ファイルが読み込めない
Altium Designer の回路図エディタ、PCB エディタ、CAM エディタはそれぞれ DXF Import 機能を備えています。しかしそれぞれの能力は全く同じではなく、DXF フォーマットのバリエーションに対する対応能力に若干の差異があります。例えば、回路図エディタや PCB エディタでは読めない DXF ファイルが、CAM エディタでは読み込めるということがよくあります。

このような事例から、 CAM エディタでは回路図エディタやPCB よりも DXF を上手に読み込めることがわかっています。このため、回路図エディタやPCB で読み込めない DXF ファイルも、一旦CAM エディタに読み込んで保存しなおすことにより、読み込める場合があります。

設計を分担する場合には、スムーズなデータのやり取りが求められます。うまく行かない場合にはこれらの方法を試してみてください。

ライブラリ編集機能の不足を補う

今回は、PCB のライブラリ編集機能の不足を補うための小技をご紹介します。

Altum Designer の PCB エディタおよびライブラリエディタでは、双方に対して一貫性のあるメニュー体系と、ほぼ同じ編集コマンドが提供されています。

しかし完全に同じではなくライブラリエディタでは、PCB エディタの持ついくつかのコマンドが省略されています。

例えば、配置メニューを比べてみると、以下のように、ポリゴンや寸法線/座標値を配置するコマンドがライブラリエディタには見当たりません。

pcb_pmanu.gif


部品作成時にも、ポリゴンや寸法線を入れたい場合がよくありますので、このコマンドがないとたいへん困ります。

そこで役立つのが、コピー・アンド・ペーストです。

Altum Designer では、PCB エディタとライブラリエディタの間で、コピー・アンド・ペーストを行なう事ができます。これを使用すれば、PCB エディタで作成した ポリゴンや寸法線をライブラリ編集画面に貼り付けることができます。

例えば、以下は PCB 上で作成されたポリゴンと寸法線を、ライブラリ編集画面に貼り付けた例です。

           PCB 編集画面              ライブラリ編集画面
copy_poly1.jpg

Altum Designerではこのように、種類の異なるエディタ間でも、コピー・アンド・ペーストが可能です。またペーストの際、クリップボードにコピーされたデータは、ペーストされる側でサポートされているオブジェクトに自動変換されます。

例えば寸法線とポリゴンをライブラリエディタにコピーすると、寸法線は全てフリープリミティブに変換され、ポリゴンはカッパーエリア(またはトラック)に変換されます。

このような小技を使うことにより、簡単にライブラリエディタの機能不足を補うことができますので、ぜひ一度お試し下さい。

Winter 09 デザインルールの拡張

アルティウムのプレスリリースでは、簡単にしか触れられていませんが Winter 09 では CAM ルールのチェック機能が拡張され、ドリルクリアランスやシルクの重なりを検出するためのデザインルールチェックが可能になっています。

これらの CAMルールのチェック機能は、今までユーザの皆様から強く要望されていた機能ですので見逃すことはできません。そこでさっそくデザインルールの設定画面を開いて確認してみました。

画像は説明のために加工してあります。
w09rule.jpg


Altium Designer ではデザインルールの設定画面までもが 3 D 化されているので、 画像を見ていただくと一目瞭然ですが、上から順に見ていくと、ドリル穴のクリアランス、ソルダーマスクの最小幅、シルク文字と他のシルクオブジェクトとのクリアランス、シルクオブジェクトと露出パッドとのクリアランス、アンテナパターンの制限、が新しいデザインルールとして追加されています。

今回の Winter 09 では、層ごとの VIA 径の設定やドリル穴のオフセット、そしてこの CAM ルールの拡張などにより、今までユーザの皆様かたいただいていた宿題がだいぶ片付いてきたように思います。

Altium Designer Winter 09

Altium Designer Winter 09 については、リリース前にデモビデオを紹介させてただきましたが、その直後にリリースされ、アルティウム ジャパンからの出荷は、すでにこの新しいバージョンに切り替わっています。

トライアル キット(試用版プログラム)についても、すでに Winter 09 に切り替わっています。ご請求いただければ無料でお送りできますので Aitium Designer 導入検討中の方は 資料請求フォーム または info@anvil.co.jp  にてお申し付け下さい。  トライアルキットの概要 は http://altium-info.jp/ibox/2008/08/altium-designer-2.html

また、アルティウム ジャパンから「Altium Designer の最新版Winter 09 を発表」というタイトルで プレスリリース が行なわれています。このアルティウム ジャパンの プレスリリース では Winter 09 が、おおよそ以下のように紹介されています。

40 の新機能の追加、230 の改良が行なわれた Altium Designer Winter 09 販売を2008 年12 月12 日に開始。

(1) 新機能と改良点

・ 3D 表示の高速化
表示の条件によって異なるが、おおよそ 5-11倍に高速化。

・ プリント基板モデリングの強化
3Dテクスチャマッピングのサポートにより、よりリアルな3D表示を実現。

・ パッド と ビア 属性の拡張
ビアのランドを層ごとに異なったサイズに設定可能。パッドの穴位置を中央以外の位置にオフセット可能。

・ デザインルールチェック機能の拡張
CAM ルールのチェック機能が拡張され、ドリルクリアランスやシルクの重なりを検出するためのデザインルールチェックが可能。

・ 半自動配線機能の強化
差動ペアや束線配線時でも、障害物を自動的に迂回させる「ウォークアラウンド」や、既存のパターンに沿った配線や押しのけが可能。さらに、差動ペア配線中のピンスワップが可能。

・ 製造用ファイルおよびドキュメントの管理
デザインファイルのバージョン管理機能を強化。出力ファイルの定義と生成を集中管理。ドキュメントの出力フォーマットを多様化。ドキュメントの生成と配布を管理するためのコントロールパネルとして機能する、リリースマネージャの導入。

・ FPGA をテストするためのダッシュボード
FPGA 用の仮想測定器を Altium Designer から切り離して使用するための、スタンドアローンのダッシュボードを新たに導入。このダッシュボードは、独立したアプリケーションとして提供され、Altium Designer が稼働していない環境下においてもFPGA 内の仮想測定器を利用して、デバイスのデバッグや出荷検査を行なうことができる。

・ ソフトウェアプラットフォームビルダのコンセプトによるプラグ&プレイの強化
新しく導入されたプラットフォームビルダとNanoBoard との連携により、システムの稼働に必要なソフトウェア環境の構築が自動化される。これにより、すでに作成済みのソフトウェアブロックをドラッグ&ドロップするだけで環境が整うため、設計者はプリケーションの開発に集中することができる。

(2) Winter 09 の価格

基本セット ライセンス:  717,000 円 (税別)
拡張セット ライセンス: 1,955,000 円 (税別)
いずれもスタンドアロン版の価格で、1年間の保守契約が含まれている。

この Altium Designer Winter 09 に関するお問合せと、資料/トライアルキットの請求は、資料請求フォーム または info@anvil.co.jp にてお申し付け下さい。

シグナルハーネスで繋ぐ - 続編

アルティウムのドキュメントに、「シグナルハーネスにネットラベルを付けることができる」と明記されていますので実際に試してみました。

この機能に関して、アルティウムの「複雑化するネットとバスのシグナルハーネスによる管理 」の中で、「Higher Level Names Takes Priority オプションを有効にすることにより、個々のワイヤやバスに付けられているネット名を、ハーネスに付けられたネット名に置き換えることができる」と説明されています。

既存の回路を再利用する場合、ネット名が統一されていないことが多いので、どこかでつじつまを合わせることが必要になります。もしこのつじつまを、信号の出入り口であるシグナルハーネスの部分であわせることができれば大変便利です。

まず、次のような回路を用意しました。この回路はシグナルハーネスを経由して 2 本のコネクタの間を並列に結ぶものです。 双方のコネクタの端子に割り付けられているネット名は合っていません。

110.gif

次に、シグナルハーネスのネットラベルを優先させるために、Higher Level Names Takes Priority(上位階層を名を優先)を有効にチェックを入れました。

net_option_up.gif

そして、この回路図からネットリスト(Telesis フォーマット)を出力しました。 

har_net2a.GIF  

結果を確認したところ、接続には誤りがないものの、残念ながらネット名の置き換えは行なわれていませんでした。

そこで、もう一つ別の回路で試してみました。 

harness210.gif

出力されたネットリストは以下のとおりです。 

har_net2b.GIF

この場合、バスの部分については期待したとおりにネット名の置き換えが行なわれていますが、個々のネットについてはそのままの状態でした。他にもいろいろと試してみましたが残念ながら、期待通りの結果を得ることはできませんでした。

この結果についてはアルティウム ジャパンにも報告し、改良を依頼してあります。この機能については引き続き、今後の新バージョンどのように改善されるか追跡して行きたいと思います。

シグナルハーネスで繋ぐ

Altium Designer では、シグナルハーネスという新しい接続の手段が提供されています。これはちょうどワイヤーハーネスのように複数のワイヤーを一束にしたもので、1本のハーネスを配置するだけで一度に多数のネットを接続することができます。

harness_com.gif

シグナルハーネスで配線を行なう場合、まずハーネスコネクタとハーネスエントリーを配置します。そしてハーネスコネクタからシグナルハーネスで信号を引出し、これにポートを取り付けます。

まず回路図をご覧下さい。ただ単に 2 本のコネクタの間を接続するだけの回路です。 

harness_1a.gif

これを見ていただくとシグナルハーネスがどのようなものなのか一目瞭然です。中央付近に淡い青色の見慣れないシンボルが配置されていますが、これがハーネスコネクタです。ここに示されているように、シグナルハーネスでは、単一ネットとバスの両方を取り扱うことができます。

シグナルハーネスを使うと、バスとバスをコントロールするための複数の制御信号を、一本の線で表現することができますので、回路図を大幅に簡素化することができます。また、ネット名が一致しないバスや単一ネットの間を接続することもできます。

シグナルハーネスにはネットラベルを付けることができます。ネットラベルを付けた場合、プロジェクトオプションの Higher Level Names Takes Priority (上位階層名を優先)を有効にすることによって、バスや個々の配線に与えられているネット名を書き換えることができます。

この回路図では、ネット名が一致しないバスと個別ネットを持つ 2 つの回路の間を、シグナルハーネスによって接続しています。またシグナルハーネスにネットラベルは与えていません。そして、この回路図からは、以下のようなネットが出力され、回路が意図どおりに接続されていることがわかります。

har_net1.GIF

シグナルハーネスはネット名に依存しない接続機能ですので、ネット名が統一されていない既存の回路を使い回すような場合には便利だと思います。またシグナルハーネスでネット名を再定義するという機能についても、役立ちそうですので後日試してみる予定です。

アルティウム社によるシグナルハーネス機能の解説
複雑化するネットとバスのシグナルハーネスによる管理

一覧表形式による編集機能

Altium Designer の回路図エディタにはグラフィカルな手法や、ダイアログボックスを用いて個々にオブジェクトを編集するだけでなく、オブジェクトの属性を一覧表示して編集する機能が用意されています。

今回は、これらの一覧表形式の編集機能のうち、代表的なものを 3 つ紹介します。

リストパネル(SCH List)
これは最も使用する機会の多い一覧編機能で、すでに 「グローバルチェンジが無い 」 で紹介済みです。回路図上に配置されたオブジェクトの属性が一覧表形式に表示され、それぞれの属性を表計算画面と同じような方法で編集することができます。個々に属性を編集するだけでなく、一括変更も可能です。

通常、一括変更は Find Similar Objects と Inspector を利用して行ないますが、リストパネルを使うと、より自由度の高い編集ができます。外部の表計算画面との間で、Copy and Paste も可能です。
このリストパネルは、画面右下の SCH ボタン > SCH List により表示されます。

  list_menu.jpg

sch_list.jpg

 パラメータ マネージャ
回路図上に配置されたオブジェクトのパラメータが一覧表示され、表計算画面と同じような方法で編集を加えることができます。最初に紹介したリストパネルには、部品のパラメータは表示されませんので、パラメータを一覧表形式で編集したい場合には、この機能を使用します。
このパラメータ マネージャは、[ ツール ]  > パラメータ マネージャ で起動します。

param_mana.jpg

フットプリント マネージャ
回路図上の部品シンボルに割り付けられているフットプリント(PCB 部品)情報が一覧表示され、個別に編集したりまたは、複数を選択して一括編集することができます。フットプリントの形状を確認しながら、編集作業を行なうことができます。

部品を置くたびにフットプリントを割り付けるというのは結構煩わしいものです。回路の規模が大きい場合には、回路図を描き終わった後、この機能を使ってフットプリントを割り付けるとよいでしょう。 この機能は デモビデオ でも紹介されています。
このフットプリント マネージャは、[ ツール ]  > フットプリント マネージャ で起動します。 

footprint_manager.jpg

回路図の役割は、視覚よりもむしろデータによって下流の設計工程に情報を伝えることです。このため、Altium Designer の回路図エディタには豊富な属性が用意されています。そしてこの属性を精密かつ効率的に編集するために、これらの一覧表形式による編集機能が用意されています。

SPACE キーで部品が回転しない

Altium Designer の回路図エディタで良くいただくお問合せの一つに「SPACE キーを押しても、部品が回転しなくなった」というものがあります。

たいていの場合これは不具合ではなく、キーボードが日本語入力モード(FEP が動作している状態)になっているか、または部品の移動が Drag モードに設定されていることが原因です。

SPACE キーを押しても部品が回転しない場合にはまず、日本語入力モードになっていないか確認してください。そして次に部品移動のオプションが「常にドラッグ」に設定されていないかどうか確認してください。

上記の訂正により、SPACE キーで部品が回転するようになると思いますが、念のためこのトラブルの原因となっている Move と Drag の 2 つの部品移動モードについておさらいをしておきたいと思います。

部品移動には Move と Drag の 2 つのモードがあります。Move モードでは部品をつかんで動かすと、配線はそのままの位置に固定されたままで、部品だけが移動します。一方、Drag モードでは、部品に接続されている配線が繋がった状態のまま部品といっしょに移動します。

Schematic Preferences のデフォルトは、Move モードになっています。しかし、Move モードに設定されていても、Ctrl キーを押しながら部品を動かすと一時的に Drag モードに切り替わり、配線がついてきます。


move_drag.gif

Schematic Preferences ダイアログボックスの「常にドラッグ」の項目にチェックを入れると、デフォルトが Drag モードに切り替わり、Ctrl キーを押さなくても配線がついてきます。そしてこの設定では、Ctrl キーを押しながら部品を動かすと、逆に Move モードに切り替わります。

 allways_drag.gif

しかし、「常にドラッグ」の項目にチェックが入っている状態では、Space バーの機能は部品の回転ではなく、配線形状の変更に割り当てられていますので、Space キーを押しても部品は回転しません。

Space キーで部品を回転させたい場合には、この「常にドラッグ」の項目のチェックを外してください。

ネット名が競合した場合の処理

約 3 年前、CircuitStudio のユーザから、「同一ネットに複数のネット名が定義されている場合、正しいネットリストが出力されない」という指摘を受け、調査を行なったことがあります。そしてその結果をプロテル探検隊で報告いたしましたが、その後これがどのようになったかについて、全く追跡できていませんでした。

そこで今回、Summer 08 でこの問題が解消しているかどうかを調べてみることにしました。

まず、問題点とその調査結果が示されている旧プロテル探検隊の記事をご覧下さい。

注: これは Protel の製品名が Protel 2004 / CircuitStudio 2004 から、
   Altium Designer Protel Option / Altium Designer CircuitStudio Option
   に変更された直後の 2005 年 9 月 26 日 の記事です。
   Protel 2004、CircuitStudio 2004 と同世代の製品であり、
   現在ではこの世代の製品をひっくるめて Altium Desgner 2004 と呼んでいます。
   また Altium Desgner 2004 は、Protel DXP の改良型ですので、
   ここで行なわれている説明は、Protel DXP 以降の製品に当てはまります。

   pfw_dxp.gif

                                                                              Protel DXP と Protel 2004
プロテル探検隊からの引用開始 (加筆/修正あり)
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Protel 99 SE と Altium Designer (CircuitStudio / Protel License )では、回路図が同じでも異なったネットリストが出力される場合があります。

Altium Designer (CircuitStudio / Protel License )で回路図を描く場合にはワイヤを用いて接続するだけでなく、種々の識別子を用いてネット名を付加することにより回路を接続します。また、階層化された回路図では同一ネットに対して、階層上位と下位のそれぞれの回路図上にネット名を付加することができます。

このように同一ネットに対して、回路図上のいたるところでネット名を付加することができますので、同じネットに対して異なったネット名を与えないように注意することが必要です。しかし回路図エディタが常に接続性を監視しているわけでなありませんので、もしこのような不整合があってもすぐにはわかりません。このため、ルールチェックによりこのような部分を見つけ出し修正することが必要です。

しかし、標準化や実績のある過去の回路の再利用を行なうため、ネット名の修正がままならない場合が多々あります。このような場合には、同一ネット上に複数の種類のネット名が定義されている状態を放置し、あとはソフトウェアにその処理を任せることになります。

この場合に問題になるのが、ソフトウェアがどのようなルールでこれを処理するかということです。そこで実際に Protel 99 SE(SP6)と Altium Designer SP4 Protel Licence からネットリストを出力してみたとこと、それぞれの結果違いがあることがわかりました。これは Protel 99 SE でネットが正しく出力された回路図でも、Altium Designer (CircuitStudio / Protel License)では正しく出力されないことを意味しており、古い回路図を再利用する場合には注意が必要です。

では以下の回路図をご覧ください。

SCH.jpg

 SCH1.jpg

SCH2.jpg

この回路図では同一ネット上に "Clock" "Clock_ext" "Signal" の3 種のネット名が重複して定義されています。またSheet2 には Sheet1 で使用されている "Clock" が別のネットに使用されています。本来はこのようなネットの競合は避けるべきなのですが、どうしてもこのように残ってしまう場合があります。

この回路図を、Protel 99 SE と Altium Designer SP4 Protel Licence の双方に読み込みネットリストを出力すると、双方の結果は異なります。もちろん Net Identifire Scoope は Sheet Symbol Port Connections に設定してあります。

Protel 99 SE
99SE.jpg

Altium Designer SP4 Protel Licence
2004.jpg

 この結果をみると、Protel 99 SE から出力されたネットリストでは、階層上位で定義されたネット名 "Signal" が優先されています。一方 Protel(Altium Designer) では、下位回路図およびシートエントリに使用された"Clock" が優先され、Sheet2 にローカルに使用されている "Clock" との間でショートが発生しています。そしてこの 結果から、Protel 99 SE と Altium Designer では接続性の認識ルールが異なることがわかります。また双方を比較すると、Protel 99 SE の方が設計者の意図に近いものであるといえます。

この双方の仕様の違いは、新たに回路図を作成する場合にはさほど問題にはなりませんが、Protel 99 SE で検証を終えた回路を、Altium Designer SP4 Protel Licenc で再利用する場合には問題になります。また、回路図の新旧にかかわらず、回路図を転用/共用する場合にはネット名の統一が難しい場面も出てきますので、アルティウム社に改良を申し入れております。

以上のように Protel 99 SE とAltium Designer (CircuitStudio、Protel License)にはネット認識に差異がありますので、Protel 99 SE で作成された回路図を再利用される場合には、ネット名の競合を除去することが必要です。
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プロテル探検隊からの引用終了

では次に、最新の Altium Designer ではどうなのか、検証してみます。

まず、プロジェクトオプションでネットリストオプションがどのように設定されているか確認したところ、以下のように 「ネット名にシートエントリー名を使う」 という箇所にチェックが入っていました。おそらくこれがデフォルトであると思われます。 

net_test_option1.gif

この設定でネットリストを出力したところ以下のようになりました。

net_test1.gif

この結果を見ると以前の Altium Designer Protel/CircuitStudio Option のように、Clock ネットがショートしておらず、改良が加えられていることがわかります。しかし、Protel 99 SE のように階層上位で付加されている Signal というネット名は反映されていません。

次に、ネットリストオプションの 「上位階層名を優先」 にチェックを追加しました。

 net_test_option2.gif

この設定でネットリストを出力したところ以下のようになりました。この結果を見ると、Protel 99 SE のように階層上位で付加されている Signal というネット名が反映されており Protel 99 SE と同一レベルに改善されていることがわかります。 

net_test2.gif

長らく、この問題がどのように解決されているか気になっておりましたが、ようやく重い腰を上げ調べました。また Altium Designer 6 でも試してみたところ Summer 08 と同じネットリストが出力され、Altium Designer 6 の段階ですでに対策されていたことがわかりました。

以上、Altium Designer でも Protel 99 SE と同様のルールで処理されることがわかりましたが、ネット名の競合がイレギュラーなコンディションであることに違いありませんので、このような箇所が見つかれば、可能な限り修正されることをお奨めします。

Protel ユーザの為の傾向と対策

Altium Designer は新規にご購入いただくだけでなく、旧プロテルからのアップグレードによってご購入いただく場合が多くあります。

このような場合でも Altium Designer は、旧プロテルと双方向でのファイルのやり取りができますので、古いファイルの再利用に困ることはありません。しかし操作性が大きく変わっている部分もあり、今までできた事ができなくなっていると勘違いしてしまうことがよくあります。

これは、単に機能が置き換えられていることによるものであり、新しい機能を理解することにより、今まで以上に容易に意図した作業を行なうことができます。

これらの機能の多くは、すでにこのアルティウムの情報箱の中で解説されています。旧プロテルからの移行の際には、是非とも以下のページをご覧下さい。 なお、これらの解説は全て Altium Designer の機能/用法 のカテゴリに格納されています。

回路図と PCB 共通の編集機能
グローバルチェンジが無い
一括変更は、Find Similar Objects(類似オブジェクトの検索) と Inspector との組み合わせによって行ないます。

回路図の編集機能
賢くなったワイヤー
継ぎ足された複数のワイヤーは自動的にそれぞれの接続点が消滅し、一本のワイヤーに変換されます。
ジャンクションの恐怖  ・ 続ジャンクションの恐怖
ジャンクションの自動発生を禁止することができなくなりました。
ポートの向きが変わらない
Port の向きは Port の Style よりも I/O Type によって優先的に制御されます。
Pin Direction の表示
部品シンボルのピンの付け根の部分に信号の流れを示す三角形が表示されます。
古い回路図とUnique ID
Protel 98 以前の回路図を再利用する場合には Unique ID の付加が必要です。、

PCB の編集機能
ネットリストが読み込めない
ネットリストの読み込みには、Show Defferences(相違点の表示)機能を使用します。
Select/Focus/Highlight
Focus と Select の 2 つのモードは、Select に統一されそのふるまいも変わりました。
Room が邪魔なときには...
Update PCB でPCB にデータを移すとき、Room という名の四角い箱が現れます。

Altium Designer へのアップグレードで消滅する機能はありません。見あたらない機能はより利用価値の高い新機能に置き換えられていますので、注意深く探せばより便利な機能が見つかります。

ライブラリの共有と管理

 CAD を効率的に運用するためには、ライブラリの共有と管理が重要であることはいうまでもありません。しかし実際には現場から、ライブラリの共有がなかなかうまくいかない、という声がよく聞かれます。

これを成功させるためにはまず、この仕事に対してまとまった時間を割くことができる、ライブラリ管理担当者を置くことが必要です。この管理担当者は選任でなくても良いと思いますが、設計者が片手間仕事で取組んでもなかなかうまく行かないと思います。

そして次に、ライブラリ管理担当者は、CAD が持つライブラリ管理に役立つ機能を理解して、これをうまく利用することが必要です。そこで今回は、Altium Desugner が備えている、ライブラリ管理に役立つ機能をいくつかご紹介することにします。

・ ファイルロック
共有ライブラリは、Windows のファイルシステムでアクセス可能な場所であればどこにでも置けますが、複数の人に編集が許されている場合には、ひとりの人が編集中の場合には他の人の編集を禁止することが必要です。これは、以下のようにファイルロック機能を有効にすることによって可能になります。この設定により 2人目以降のユーザは、ファイルを開くことはできますがそのファイルを保存することができなくなります。

locking1.gif

 

・ ストレージマネージャ
Altium Designer ではファイルを上書き保存する際にその都度バックアップが作成されます。そしてそのバックアップファイルを管理するためにストレージマネージャという機能が用意されています。

ストレージマネージャでは、上書き保存の度に作成された多くのバックアップの履歴が一覧表示されます。そしてこの一覧に示めされたファイル名ををクリックすることにより、任意に必要なバックアップファイルを開くことができます。

この、ストレージマネージャを使えば、ライブラリに誤った修正を加えてしまった場合でも、古いライブラリファイルにアクセスして、修正前の正しいデータを取り出すことができます。また、コンペアコマンドでこのバックアップファイル同士を比較して違いを抽出し、その結果を表示することができます。

strage_manager.gif

このストレージマネージャでは、Altium Designer によって作成された全てのファイルが管理されます。設計中に多くのバックアップファイルが作成されることに対して煩わしい思いをすることもありますが、緊急時にはこれらのファイルをこのストレージマネージャから呼び出し、データの復旧に利用することができます。

そしてさらに、このストレージマネージャと、外部のバージョン管理システムとリンクさせ、より高度なバージョン管理を行なうことができます。

・ 外部データベースとのリンク
Altium Designer には、データベースライブラリという機能があり、ライブラリをデータベースシステムで管理することができます。
http://altium-info.jp/ibox/2007/08/post-42.html
http://www.altium.co.jp/Products/AltiumDesigner/Managinglibraries/
 
このデータベースライブラリの機能を一口に言うと、Accses MDB や、 EXCEL  XLS フォーマットでライブラリデータを保存して使用できるという機能です。このことは、Altium Designer 以外のツールを使ってライブラリの管理ができることを意味します。

このデータベースライブラリの機能については、別の機会にあらためて紹介させていただく予定です。

・ その他
回路図ライブラリを使い回すというタイトルの以下のページでも、ライブラリ管理に役立つ機能をいくつか紹介していますので、こちらも合わせてご覧下さい。
http://altium-info.jp/ibox/2007/09/post-46.html

Altium Designerの機能/用法

リニューアルされた「アルティウムの情報箱」の「Altium Designerの機能/用法」では、導入検討と運用の際に役立つ、Altium Designer 機能や用法を解説します。

なお、旧「アルティウムの知恵袋」の「Altium Designerの機能/用法」に保存されている過去の記事は、全てこの「アルティウムの情報箱」に移管しました。

Device Sheet / デバイスシート

既存の回路を新しいプロジェクトで使い回す場合に便利な、Altium Designer の Device Sheet(デバイスシート)の機能をご紹介します。

CAD の最大級の特徴の一つとして、データの共有/再利用が容易であるということが上げられます。例えば回路図を書く際には、部品の絵柄をその都度描くのではなく、部品ライブラリから部品を取り出してシート上に配置します。

このことにより、回路図作成に要する時間が短縮されるだけでなく、誤りの少ない回路図を作成することができます。このしくみを回路図シートに応用したのが Device Sheet 機能であり、回路を一つの部品のように取り扱います。

この機能では、既存の実績のある回路を新しい設計に再利用したい場合、既存の回路図を Device Sheet として保存しておき、部品のようにこれを取り出して使用します。例えば、利用頻度が高い電源回路を Device Sheet として保存しておくと、部品を配置するのとおなじように電源回路全体を配置することができます。

回路図を Device Sheet として保存するのは極めて簡単です。Device Sheet の格納場所として設定された特定のフォルダーに、回路図を保存するだけです。

以下のページで、任意のフォルダーを Device Sheet の格納場所として登録します。

devicesheet.gif

回路図上への配置は、[ 配置 ] >> デバイスシートによって行います。

place_device_sheet.gif

以下はデバイスシートが配置された回路図の見本です。

digital_amp_dv.gif

デバイスシートはシートシンボルと良く似ていますが、シンボルの角が円弧になっており中央には大きなリサイクルマークが表示されます。またシート上に配置されたデバイスシートの回路情報は修正することができません。

実績のある過去の回路図データを再利用する場合には、不用意にデータが修正されないよう注意することが必要ですが、デバイスシートを使用するとこのような心配は不要です。

この Altium Designer の Device Sheet は、実績のある既存の回路をオリジナルのまま再利用したい、という場合に最適です。是非とも一度お試し下さい。

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BGA 引き出し配線

すでに BGA は高密度実装用のパッケージとして定着しています。この BGA パッケージまわりの配線の際には、格子状に配置された多くの端子パッドからパッケージの外側に配線を引き出すという、厄介な作業を行なわなくてはなりません。

この作業では、ビアを挿入し適切な層に配線を振り分けることが必要になり、たいへん手間がかかりますが、Altium Designer ではこれを自動的に行なうことができます。

すでにこの機能をお使いの方も多いと思いますが、有用な機能ですのでここで一度おさらいをしておきたいと思います。

まず、結果をご覧下さい。8層基板(配線層 6)上の 1156ピンのBGA から、Altium DesignerのBGA Fanout と呼ばれる自動引き出し機能によって配線が引出された結果です。


BGA_ESCP.jpg

物理的に引き出しが不可能な箇所は未処理の状態のまま残ります。

fanout_err.gif

おそらく、1000以上もあるBGA パッドからの引き出しをすべて手作業で行なうと、数日はかかると思いますが、Altium Designerでは、BGA Fanout コマンド(コンポーネント付随ネットをファンアウト)を起動するだけで数秒で完了します。

fanout_command.gif

また、BGA Fanout で配線を引出す前にピンスワップを行なうことにより、配線の交差を最少化することができます。

swap_command.gif

  ピンスワッピング前                 ピンスワッピング後
swap.gif
※ CQ 出版社 DesignWave 誌より画像を引用

これらの機能は BGA まわりの配線にはなくてはならない機能のように思いますが、いかがでしょうか?

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Altium Designerの基板外形

旧プロテル探検隊からの転載/加筆

何故か旧Protel PCB ツールには基板外形の作成機能がなく、伝統的にキープアウトレーヤにトラックを配置することにより基板外形を作成していました。しかし Protel DXP 以来は Board Shape コマンドが用意され、このコマンドを使用して基板外形を作成できるようになりました。

BoardShape.jpg

ところがこのコマンドで作成された基板外形は、表示のコントロールが主な役目であり、本来の基板外形の役目を全て果たすわけではありません。

例えば、Board Shape では配線可能なエリアが規定されません。このことは、ラッツネストをつかんでマニュアル配線を行ってみると良くわかります。例えばBoard Shape コマンドで作成した基板外形の外にも自由に配線が行えエラーも表示されません。そしてさらに、Board Shape はガーバ出力することができません。

基板の配線可能なエリアは従来と同じようにキープアウトレーヤで規定します。このため、Board Shape で基板外形を設定するだけでなく、キープアウトレーヤにも配線可能な範囲を示す外形線の入力が必要になります。また、基板外形をガーバ出力したい場合には、メカニカルレーヤにも基板外形を衆力する必要があります。ただし、Excellon NC フォーマットで Board Shape から直接、外形加工データを出力することはできます。

基板外形は、[ デザイン ] >> 基板外形 >> 設定、で作成します。しかしこれで終わったと思わず、キープアウトレーヤにも配線可能な範囲を示す外形を作成してください。また、Board Shape とキープアウトレーヤの外形を同じサイズにする場合には、Board Shape から自動的にキープアウト自動的に作成することができます。これを行なう場合には、[ デザイン ] >> 基板外形 >> 基板外形からプリミティブ作成、のコマンド用います。

基板外形を数値入力で作成したい場合があります。しかし、数値入力による外形作成機能は ウィザードにしか用意されていません。しかし、幸いなことに Altium Designer にはマウスのカーソルを数値指定した座標に移動させるという機能があります。マウスを右手で操作する代わりにこの機能を使ってカーソルを動かします。そして、マウスの左ボタンの代わりに 「 Enter ] キーを使用します。そうするとマウスには一切手を触れることなく、数値の入力によって基板外形を作成することができます。

例えば、四角形の基板外形を作成する場合には以下の手順で行います。

(1) 画面の左下付近に原点を設定
[ 編集 ] >> 原点 >> 設定、により原点を画面左下付近に設定します。

(2) [ デザイン ] >> 基板外形 >> 設定 コマンドを起動
ここまでは、通常のマウス操作で行います。しかしこの後は一切マウスを使用しません。

(3) 座標値入力画面(Jump to Location)を表示
ショートカットキー、「J 」 >> 「 L」 押す。これにより Jump to Location 画面が表示される。

(4) 座標値入力画面への始点(基板の左下)座標の入力とカーソルの移動
Jump to Location 画面の X 及び Y 座標の項目の両方に「0」(ゼロ)を入力する。この入力の際、項目の移動(X から Y へ)には「tab 」キーを使用。そして、「Enter」 キーを押すとダイアログボックスが閉じて、マウスのカーソルは (1) で設定した原点の位置に移動する。

(5) 始点の確定
ここでもう一度 「Enter」 キーを押すことにより始点(X=0 Y=0)を確定する。

(6) 座標値入力画面を表示して次の基板コーナの座標値を入力/確定
このあと再度、ショートカットキー、「J 」 >> 「 L」 を押す。同様に Jump to Location 画面が表示されるので、基板外形の次のコーナーの座標値(例えば X=0 Y=100)を入力して「Enter」キーを 2 回押す。

(7) 座標値入力画面を表示して残りの基板コーナの座標値を入力/確定
上記(6) の操作を、残りの 2 つの基板コーナに対して行なう。そして最後に原点に( X=0 Y=0)対して同様の操作を行なうことにより基板外形の作成が完了する。

要するに、「J」と「L」を押し、X-Y の座標値を入力し、「Enter」キーを 2回押すという操作の繰り返しになります。最初は戸惑いますが慣れれば簡単ですので、数値入力で外形を作成したい場合にはこの方法を試してください。

また基板コーナを円弧にしたい場合には、マニュアル配線の場合と同じように 「Shift」 + 「Space」キーによりコーナの形状を円弧にすることがでできます。さらにピリオド「. 」とカンマ「, 」キーにより円弧の半径を増減することができます。

Altium Designer では、他にテンプレートやウィザードによって基板外形を簡単に作成する方法も提供されています。基板外形の作成方法については、以下のドキュメントにも詳しく説明されていますのでご覧ください。
http://www.altium.com/files/learningguides/JP/TU0110_BoardShapeAndSheetBasics_jp.pdf

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Altium Designer の初期化

昨日まで使えていたショートカットが効かなくなったり、登録したはずのライブラリがリストから消えて、部品が呼び出せなくなったりした場合、Altium Designer の設定ファイルが書き換わってしまっている可能性があります。

また、カスタマイズした環境をいったん元に戻したいという場合があります。

このような場合には、設定ファイルを消去することにより、最初にインストールした直後の状態に復帰させることができます。

Altium Designer の設定ファイルは、Document and Settings/ログインユーザー名/Application Data/Altium Designer 6 フォルダ内に作られていますので、初期状態に戻したい場合には、これらをフォルダーごと消去してください。

config_ad6.jpg

Altium Designer では、これらの設定ファイルが無ければ起動/終了時に自動生成されますので、ただ単に消すだけで初期状態に戻ります。

この設定ファイルは、再インストールの際にも上書きされずに残ります。もし、原因不明のトラブルの解決のためにクリーンインストールするという場合には、まず、この設定ファイルを消去されることをお奨めします。

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ジャンパーのサポート

Altium Designer 6.9 で実現されたジャンパー機能を紹介します。

層数の少ない基板、特に片面基板では配線パターンが交差する部分にジャンパーを挿入して配線を通します。このような場合 Altium Designer 6.8 以前では、ジャンパーで結線が済んでいることを認識できず、ルールチェックの際には未結線として報告されるという問題がありました。

これに対して今回の 6.9 では、パッドにジャンパー ID の属性が追加されたことにより、ジャンパーによる接続が認識できるようになりました。

この機能では、ジャンパーのパッドにジャンパー ID として任意の数字を与えることにより、その ID 番号が一致する箇所がジャンパーによる接続箇所と認識されます。そしてこの認識が行なわれると、従来直線で表示されていたラッツネストが弓方に変化し、デザインルールチェックの際にも結線済みとみなされます。

jp69d.jpg

たったこれだけのことですが、ジャンパーを多用する片面基板では、設計がずいぶん楽になります。

この機能を使ったジャンパーの挿入手順は以下のようになります。

(1) 部品ライブラリからジャンパーを呼び出し、目的の場所に配置する。
(2) 両方(2つ)のパッドにネットを与える。
(3) 両方のパッドに同じジャンパー ID を与える。

ここのところ Altium Designer の PCB では多層/高速基板のための機能が重点的に強化されてきました。しかしこれはその対極にあるもので、この機能の実現により多層/高速化とは全く逆の方向にも守備範囲が広がりました。

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Altium Designer 6.9

先週 Altium Designer 6.9 の配布が始まりましたので、インストールして内容を調べてみました。

インストール後、まずこのアップデートの概要が紹介されているアルティウムの "What's new in Altium Designer 6.9!" webページを見てると、6.8 の時のように「300以上の新機能と機能強化」というように数の多さは訴求されていません。ここを見る限りでは今回のアップデートは、「前作の 6.8 の完成度を高める」ことに主眼がおかれているようです。

またもうすこし詳しい "What's new in Altium Designer 6.9" pdf ドキュメントを開くと、次のように 16 の機能が紹介されています。やはり前作 6.8 でデビューした 3D 表示機能に関連するものが多く、 6.8 の改良版という性格を感じさせます。(日本語訳は正確で無い可能性があります)

・ New - STEP Models into 3D Bodies
 STEP モデルの 3D 形状への読み込み
・ New - 3D STEP Export
 3D STEP の書き出し
・ New - 3D Origin Marker
 3D オリジンマーカー
・ New - Transparent Layer Mode options
 透過レーヤー表示モードのオプション
・ New - 3D Shadow and Object Color by Layer
 3D シャドウ と 層ごとのオブジェクトカラーの設定
・ New - 3D Image onto clipboard
 3D イメージのクリップボードへのコピー
・ New - Jumper connections
 ジャンパー接続
・ New - Units Toggle
 単位系のトグル
・ Improved - Special Strings
 スペシャルストリングの拡張
・ New - Design Refactoring
 デザインリファレンシング
・ Improved - Publish to PDF
 PDF出力
・ New - Web updates
 Web アップデート
・ New - Power Monitoring for the Desktop Nanoboard
 Desktop Nanoboard のためのデバイス消費電力モニター
・ New - FPGA Peripheral Cores
 FPGA ペリフェラルコア
・ Improved - Xilinx EDK Support
 Xilinx EDK のサポート
・ New - Context-sensitive C language help
 文脈依存型 C 言語ヘルプ

しかし今回のアップデートでは、ジャンパー線のサポートというような、基本機能の拡張も行なわれています。日本国内にはこの新機能による恩恵を受けるユーザも多いのではないでしょうか?

このジャンパー線のサポートは、片面基板の設計にはどうしても必要な機能ですので、家電の分野で長く切望されていました。これはまさに日本市場向けの機能ですので、後ほどあらためて紹介したいと思います。

また、地味ながら次の 2つの改良も見逃せません。

(1) ダイアログボックス上でのメトリック単位系(mm)の桁数の取り扱い
以前は、小数点以下 3 桁しかサポートされていませんでしたので、ダイアログボックス上でグリッド値をミリメートルで設定したり、インチからミリメートルに変更.したりすると、丸め誤差によりグリッドに載らなくなることがありました。この対策のため、桁数が小数点以下 5 桁までサポートされ、3桁から 5桁の間で切り換えられるようになりました。(変更する場合にはPCB ドキュメントを全て閉じる必要があります)

keta.jpg

(2) ダイアログボックス上のグリッド表示の単位系を瞬時に切り換え
ショートカット "Ctrl + Q" により、グリッドの設定値が、ミリメートル(mm)とインチ(mil)の間で切り換わります。しかしここで変わる換わるのは、数値だけですのでこの変更を反映するためには、単位系の切り換えも合わせて行なうことが必要です。

tani.jpg

その他、6.8 で報告されていた、 NC ドリル出力時のミリメートル設定の不具合も解消されています。

また、Web アップデートの画面を開く前に、ユーザアカウントへのログインを要求されるように変更されています。ほかにも今まで文字化けしたいたライセンス先(エンドユーザの社名)の表示が正しく行なわれるようになっているなど、今まで積み残されてきたいくつかの問題が今回のアップデートで修正されています。

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CAMtastic の活用

(旧プロテル探検隊からの加筆/転載、画像もそのまま使用)

Altium Designer には単体商品としても販売されていた CAMtasticガーバエディタ が含まれています。

元来、ガーバエディタは面付けやテストクーポンの追加など、基板製造の効率化や品質向上ためのデータ編集に使用されるツールです。一方、このようなPCB製造側の用途だけでなく、基板設計者にとっても PCB 設計の仕上げや最終チェックに使用できる、便利なツールでもあります。

そこで今回は、CAMtastic によって行うことができる PCBデータの仕上げと最終チェックの一例をご紹介します。

(1) シルクカット
Altium Designer による基板設計時には、部品番号(シルク文字)を部品のパッドや穴(スルーホール)に重ならないように配置します。パッドにシルクが重なると半田が乗らず、また穴にシルクが重なるとインクで穴が塞がるからです。しかし密度の高い基板ではこのような重なりを避けられない場合があります。また見落としにより重なった部分が残ってしまう場合があります。

このような場合には、パッドや穴と重なっているシルク文字の一部を切り取り、重なっている部分を除去します。これをシルクカットと呼んでいます。このシルクカットは Altium Designer のPCBエディタではできませんが、CAMtasitic を使えば可能です。

silk.jpg

Altium Designer のPCBエディタから出力したガーバデータとNCデータを CAMtastic に読み込んだ後、ネットリストを生成します。そして [ Tools ] - Trim Silkscreen コマンドを起動することによりシルクカットが自動的に行われます。

silkcut.gif

(2) ドリルのダブルヒットのチェック
Altium Designer による基板設計時に、スルーホールパッドどうし、またスルーホールパッドとビアが重なった状態で配置される場合があります。このような部分を目視で見つけることは困難で、またデザインルールチェックでも検出ができません。

このような部分には、同一座標にドリルデータが2つありますので、ドリルのダブルヒットと呼んでいます。そしてこの部分には基板製作時に穴あけが2回行われ、場合によってはドリルが折れてしまう場合がありますので、完全に除去しておく必要があります。

CAMtastic には、このようなダブルヒットをを自動的に検出する機能があります。またドリル径よりも狭い間隔で配置されているドリルデータを検出することもできますので、穴あけに関する問題を容易に回避することができます。

CAMtastic のデザインルールチェックは、[ Analysis ] - PCB Design Check /Fix コマンドによって行います。コマンドの起動によって表示されるダイアログボックスの設定項目の14番目と15番目にドリルチェックがあります。他にも多くのデザインルールチェックができますので、一度全ての項目にチェックを入れてルールチェックをかけてみるとよいでしょう。ここにある項目のほとんどの部分はAltium Designer PCBエディタでチェック済みのはずです。しかしここでは製造直前のガーバとNCデータをチェックしていますので、最終工程のチェックとしてより信頼性の高いデータの確認が可能です。
camdrc.jpg

このように、CAMtastic にはAltium Designer の PCB エディタの機能を補うさまざまなデータの加工やルールチェックが可能です。この CAMtastic の機能を併用することによって、より品質の高い製造データを作成することができます。

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CAMtastic の操作性

(旧プロテル探検隊からの加筆/転載)

Altium Designer のリバースエンジニアリング機能により、ガーバーデータを PCB データに変換して修正を加えることができますが、もうひとつの方法として、CAMtastic の豊富な編集機能を使ってガーバーデータのままデータを修正することもできます。

その際に問題になるのが CAMtastic の操作性です。たいていの人はすぐに「CAMtastic はちょっと変」と感じて、使うのをあきらめてしまうのではないでしょうか?

Altium Designer の回路図エディタや PCB エディタは、アルティウムの開発ポリシーとして Windows 標準に準拠した操作性をそなえています。しかし CAMtastic ガーバエディタは、企業買収によって外部から取得したツールであることから、Windows 標準に準拠した他のアルティウムのツールとはかなり使い勝手が異なります。

そこで部品(CAMtastic ではパッド)の移動を例にとり CAMtastic の操作のポイントを説明したいと思います。

まず Protel PCB ツールの場合には、コマンドを何も起動しなくてもマウスのカーソルを部品上に移動し左ボタンで部品をつかめば自由に部品が動きます。いわゆる Windowsでいうところのドラッグ&ドロップにより、簡単に部品を移動できます。

しかし CAMtastic ではこのようなわけにはいかず、これと同じ操作をしても全くなにも起こりません。CAMtastic ではドラッグ&ドロップはサポートされていませんので、パッドを移動させるには次のような手順が必要になります。

(1) [ Edit ] - Move コマンドを起動し、対象を選択する
メニュ体系自体はWindows 標準が守られていますのでこの操作に戸惑うことはないでしょう。しかしこれでパッドをクリックしてもパッドがハイライトするだけで、パッドを動かすことはできません。実は CAMtastic では [ Edit ] - Move のコマンドによって最初に有効になる機能は、部品の移動ではなく移動対象のセレクトなのです。コマンドを起動した直後カーソルが四角形 [ □ ] に変化します。CAMtastic ではまずこの状態で、マウス左ボタンのクリックにより動かしたいパッドをセレクトします。

(2) マウスの右ボタンをクリックする
マウスの右ボタンをクリックすることによりセレクトの機能が終了します。しかしCAMtastic では、単に機能が終了するだけでなく次の機能が有効になります。これでようやくパッドが動くと思いきや、ところがどっこい、さらにまだ前段階の操作が必要です。

(3) マウス左ボタンのクリックにより始点を決める
ここまでの操作で、セレクトされた部分が四角形で囲まれ、マウスのカーソルは十字 [ +] に変化しているはずです。この状態で移動の始点を指定します。[終点] - [始点] の距離をセレクトされたオブジェクトが相対移動しますので、始点をどこに指定してもかまいません。しかし単独のパッドを動かす場合には、パッドのセンターを始点にするのが一番分りやすいはずです。マウスの左ボタンのクリックにより始点を決めます。ここまできてやっとパッドを動かすことができます。

(4) マウスの移動によりパッドを目的地まで移動して確定する
マウスを動かせばパッドが移動しますので、目的地まで移動させたあとマウス左ボタンのクリックで終点を決めます。

これで移動が完了します。さらにマウスの右ボタンをクリックすると (1) の状態に戻りコマンドを再起動しなくても、別のオブジェクトを移動することができます。

以上のように、CAMtastic では他のアルテイウムのツールとは大きく異なる操作が求められます。そこでこの CAMtastic の違いに戸惑うことがないように、要点を4つあげておきます。

・ ドラッグ&ドロップはサポートされていない
・ [ Edit ] - XXXX コマンドを起動すると、まずセレクト機能が有効になりその後、処理に必要な一連のコマンドが自動的に呼び出される
・ マウスの右ボタンを押すと機能が終了するだけでなく次の機能が始まる
・ 部品移動の場合にはセレクトされたオブジェクトが、指定した始点と終点の間隔を相対移動する

この操作体系は、ACT 社の ECAM がDOS 時代から用いてきたものに良く似ています。ECAM は PCベースのGerber エディタの草分けであり、長期にわたって販売されている製品ですので、CAMtastic でその操作体系が踏襲されたとしても不思議ではありません。また、これが使いやすいという評価もあります。アルティウムユーザとしては違和感を拭えませんが、とにかくこの違いを理解して慣れるしかありません。

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Altium Designerでガーバ編集

(旧プロテル探検隊からの加筆/転載。画像もそのまま再利用)

他の PCB-CAD で設計の終わったデータを Altium Designer に読み込んで修正したい場合があります。

Altium Designer は、OrCAD Layout、PADS、P-CAD の PCB トランスレータを備えており、これらの PCB データであればそのまま読み込んで編集することができます。しかし Altium Designer でサポートされていない種類のPCB データを読み込みたい場合には、トランスレータを使って Altium Designer のデータに変換することが必要になりますが、必要なトランスレータを簡単に手に入れることはできません。

そこでその代替として、ガーバー データを Altium Designer に読み込んで編集するととう手段があります。 そしてこれを行なう場合には、一旦 Altium Designer に内蔵されているガーバエディタ(CAMtastic)にガーバーデータを読み込み、それを Altium Designer のPCB データに変換するという手法を用います。アルティウムではこれをリバースエンジニアリングと呼んでいます。

Altium Designer の PCB エデイタにもガーバー入力機能がありますが、これは他社製品から出力したガーバーデータを読み込む能力を備えていません。このため Altium Designer の PCB エデイタでガーバー編集を行なう場合には、必ず一旦ガーバーエディタを経由してガーバーデータを取り込まなくてはなりません。

また、ガーバ編集というと言葉からは、ガーバー編集用の生産性の低いコマンドを使用した手間のかかる作業を想像しがちですが、この場合には使いなれた Altium Designer の PCB 編集コマンドが使えますので、小規模な変更であればさほど不便は感じないはずです。

以下にそのおおよその手順を紹介します。

(1) CAMtasticガーバーエディタに に Gerber と NC データを読み込む
CAMtastic の [ Files ] - Import コマンドを使用する。Quick Loard という一括読み込みの機能があり、これを利用すると基板を構成するファイルをまとめて読み込むことができる。

(2) ネットリストを抽出
レーヤ属性の設定、レーヤオーダーの設定、ネットリストの抽出という一連の作業を行う。

(3) CAMtastic のデータを Altium Designer の PCB データに変換
[ Files ] - Export - Export to PCB コマンドで Protel に データを送る

(4) Altium Designer に読み込まれた PCB データからビアを抽出して変換
変換された PCB データはランド部分は全てパッドになっており、ビアとの区別がない。このため、Find Similar Objects の機能を使ってビア部分を検出し、この部分をビアに一括変換する。

(5) Altium Designer の PCB 編集機能を使って修正
変換元データがガーバですので、そのままでは部品単位での移動はできない。このため部品の移動を行う場合には、[ Tools ] - Convert - Create Union from Selected Components コマンドを使ってパッドをグループ化する。さらにこのメニュー下部にある、Add Selected Primitives to Component でシルクをグループ化する。これら機能を使用すると、オリジナルの CAD データと同じように部品単位での移動が可能になる。
union.gif

さらに Altium Designer ではその豊富な機能を駆使して一旦読み込んだガーバーデータを、オリジナルのPCB データに近付けることができます。もしAltium Designer または、旧プロテルで描かれた回路図があれば、回路図と整合する Altium Designer の 完全なPCB データに復元することができます。この手順については DesignWave 誌の記事で詳細に解説してあります。 ただし冒頭2ページしか公開されていませんので、詳細をお知りになりたい場合には、アンビルコンサルティングまでお問合せ下さい。
http://www.cqpub.co.jp/dwm/Contents/0089/dwm008900390.pdf

しかし完全なPCB データへの復元にはかなり手間がかかります。簡単な修正なら(ガーバーエディタを経由して)単に ガーバデータを Altium Designer に読みこんだだけの状態で編集したほうが楽だと思います。

Altium Designer では比較的簡単にガーバーデータを読み込み、使い慣れた PCB 編集機能を使って修正することができます。「ガーバー はなにかと面倒」という先入観を捨てて一度この方法をお試しください。

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Altium Designer のベタ塗り

Altium Designer ベタ塗り機能のデザインルール設定
(2006年5月17日の記事に加筆/転載)

Altium Designer の PCB エディタは、四角形しか作れない Fill、自動抜き機能を伴わないSolid Region、自動ベタ抜きの Polygon Pour の3 種類のベタ塗り機能を備えています。

Solid Region は思い通りの形状の面パターンが作りやすいので配線パターンの補強などに便利であり、Polygon Pour を使うと広い面積の均一なシールドパターンを瞬時に作成することができます。

これらのベタは一般的なマウスのドラッグとクリック操作で簡単に作れます。しかしクリアランスの設定がわかりにくくて、私はこれにずいぶんてこずりました。そこでこの経験を踏まえ、このクリアランスルールの設定のコツを伝授したいと思います。

(1) Polygon Pour(自動ベタ塗り)では自動生成されたクエリーを修正することが必要。

デザインルールのクエリーの設定には、Query Builder を使うと便利です。例えばこの Polygon Pourのクリアランスを設定する場合には、 Condition Type から Obhject Kind is を選び Condition Value から Poly を選びます。この結果 IsPolygon の値が返され OK ボタンによりクリアランスルールのFull Query エリアにクエリーが書き込まれます。

しかし IsPolygon ではエラーが発生し、正しく動作させるためにはこれを InPoly に変更することが必要です。すなわちIs In に変更(Poly と Polygon は同じ扱い)しなくてはならないということがわからず、アルティウム ジャパンに問い合わせるまで正しく設定できませんでした。

この Is と In の違いと用法は、「クエリ言語の 内部紹介ガイドhttp://www.altium.com/Files/learningguides/JP/ProtelDXP/insidersguide_querylanguage.pdf に詳しく説明されています。

要するに Polygon は複合オブジェクト(グループオブジェクト)であるので、その構成要素(プリミティブオブジェクト)を指し示す「In」 の記述が必要であるということのようです。

polyrole.jpg

(2) Condition Value で PolyRegionを選ぶと誤ったクエリーが返ってきます。
   (Summer08 ではこの不具合は解消されています)

Query Builder を使用すしてSolid Region (自動抜きの無いベタ塗り)のデザインルールを設定する場合、通常は Condition Type から Obhject Kind is を選び Condition Value から PolyRegion を選びます。しかしここの操作を行うとなぜか IsComponentBody の値が返ってきます。

polybuild.JPG

ためしに Condition Value から ComponentBody を選んだところ IsRegion が返ってきましたので、ComponentBody と PolyRegion が入れ違っていることがわかりました。このため、Query Builder を使って 正しいQuery を得るためには、PolyRegion ではなく ComponentBody を選ばなくてはなりません。

bodybuild.JPG

regionrole.JPG

そしてもう一つ、
(3) IsRegion で設定したデザインルールはPolygon Pour(自動ベタ塗り)にも影響します。

polypour.jpg

たとえば Polygon Pour の Fill Mode を Solid(Copper Regions)に設定した場合、IsRegion で設定したクリアランス値が Polygon Pourにも適応されますので注意が必要です。

Fill のクエリーの生成とデザインルールについては特筆すべき注意点はなさそうです。

おそらくここで取り上げた設定上の不可思議は、ソフトウェアの修正によって解消されると思いますが、それまではこの説明を参考にしてください。

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Altium Designer の部品表

前回、レポート機能を紹介しましたが、その中の部品表について少し説明を加えます。

"Bill of Materials" コマンドを起動するとすぐに部品表が現れます。この画面には、ボタンやチェックボックス、プルダウンウィンドウなどがあり、これらによりおおよその機能が把握できます。そしてこれらの機能を使って部品表をカスタマイズすることができます。

bom3.jpg

しかしこの部品表には、画面を見ただけではすぐに気が付かない重要な機能があります。

その一つがグループ機能です。特定のフィールドーデータを参照して同じデータを持つものを一つのグループにまとめて員数を集計する機能です。デフォルトでは、Comment と Footprint によってグループ化されるように設定されています。この設定は、ドラッグ アンド ドラッグで "分類する列"のエリアにフィールドを加えたり、除外したりすることによって行います。例えば、メーカ名ごとに部品の員数を集計したい場合には Manufaucture フィールドを"分類する列"の部分にドラッグ アンド ドラッグで移動します。

もう一つは、ソート機能です。表示された部品表の各列の最上部のタイトル部分をクリックすると、昇順/降順での並べ替えができます。これについては他の Windows アプリケーションと同じです。しかしこの Altium Designer の部品表には、"Shift" + クリック に特別なソート機能が割り当てられています。

"Shift" + クリック でも、単なるクリックと同様に昇順/降順での並べ替えが実行されます。しかしこの"Shift" + クリック の場合には以前に実行された並べ替え結果を保持したまま、並べ替えが行なわれます。

例えばまず、RibLif のタイトルをクリックして部品の種類ごとに並べ替えます。これで、抵抗やコンデンサなどの部品ごとに分類表示されます。そしてそのあと、Comment のタイトルを "Shift" キーを押しながら クリック すると、直前に行なった RibLif での抵抗やコンデンサなどの部品ごとの分類結果を保持したまま Cmment(抵抗やコンデンサの定数 )での並べ替えが行なわれます。

この"Shift" + クリックによる並べ替えは見落としがちな機能ですが、実用上必要な機能ですので覚えておいてください。

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Altium Designer のレポート

言うまでも無くCAD ツールの最大の利点は、データによる設計情報の伝達が可能なことですが、図面の目視による情報の伝達においても CAD には多くの利点があります。特に Altium Designer は多くの優れたレポート機能を備えており、これらから生成される多彩なドキュメントを設計内容の確認や、次の工程への情報の伝達に利用することができます。

そこで今回は、数ある Altium Designer のレポート機能の中から主要な 3 つの機能を紹介します。

(1) スマート PDF
回路図やPCBなどのデザインデータを PDF フォーマットへ変換します。
プリンタドライバとして組み込まれた PDFWriter/Acrobat DistillerPDF などを利用する場合よりも格段に操作性がよく、任意の複数のドキュメントを一気にPDF フォーマットで保存することができます。また、PDFのしおり機能を利用して目的のオブジェクトにジャンプすることができます。

smartpdf1s.jpg

smartpdf2s.jpg

Altium Designer の製品ライセンスが無くても、フリービューワを利用すれば図面を開くことができますが、このスマート PDF機能を利用すればこれよりもさらに簡便な方法で回路図を利用することができます。

(2) ライブラリレポート
ライブラリファイルに含まれている部品の図面を自動的に作成します。回路図シンボルやフットプリントの絵柄と寸法が示されます。事前にライブラリの内容を確認したいという場合に便利です。また設計完了後にプロジェクトライブラリを作成してそのライブラリからライブラリレポートを作成することにより、設計に使用した部品に誤りが無いかどうかのチェックを容易に行なうことができます。

librep1s.jpg

librep2s.jpg

なおこのレポートは WS Word および html フォーマットで保存することができます。

(3) 部品表 (Bill of Materials)
フォーマットを柔軟にカスタマイズすることができます。表示項目を部品の属性およびスペシャルストリングから自由に選択するこtができます。また、リンクしている回路図シンボルとPCBフットプリントの両方の属性を表示項目に加えることができます。さらに、グループ化の機能がありますので部品手配の際に必要になる員数の集計を自動的に行なううことができます。

boms.jpg

bom2s.jpg

すでにこれらの機能をお使いの方も多いと思いますが、まだお使いでない導入直後のユーザやトライアル中の皆様は是非とも一度お試し下さい。

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Altium Designer 6.8 続編 2

もう一つ PCB の実用的な新機能をご紹介します。
今まで手間取っていた抜き文字を簡単に入れられるようになりました。

invtext1.jpg

手順は通常のストリングの配置と同じです。ストリング設定のダイアログボックスに、Inverted (ネガ文字)のチェックボタンがあり、これにチェックを入れるだけで反転文字が現れます。ただし抜き文字に使えるフォントは TrueType に限定されています。

invtext3.jpg

文字枠は自動的に発生し、この文字枠の大きさは文字に対するオフセット値または、四角形の縦横の寸法入力により指定することができます。

invtext2.jpg

従来は、別のレーヤに文字を配置して CAMプロセスで反転合成していましたが、このような処理が不要になります。ただ一つ残念なのは、文字枠にネットを付けられないことです。このためグランドベタに抜き文字を入れる場合にはひと工夫が必要です。

私の希望的観測ですが、おそらくこの文字枠へのネットの付加については、アルティウムの R&D でも開発テーマの一つにあがっているのではないかと思います。

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Altium Designer 6.8 の続編

Altium Designer 6.8 の配布が始まり、アルティム ジャパンのサイトでも正式にリリースの案内が行なわれています。

すでにお伝えしたように、この新版では 3D 表示機能が大幅に拡張されており、これが最大の改良点であることは言うまでもありません。しかしこれだけではなく、今まで要望の多かったプリミティブな PCB 機能にも拡張が行なわれています。

これらは 3D 機能ほど華やかではありませんが、実用的な機能が多く含まれていますので、その中からいくつか代表的なものをご紹介します。

(1) グラフィックデータの貼り付け
グラフィックデータを PCB 上に直接貼り付けられるようになりました。コマンドが見当たらなかったので、ペイントの画面から Copy & Past したところ、うまく貼り付けることができました。

(2) バーコードの自動生成と貼り付け
バーコードを PCB 上に簡単に挿入できるようになりました。コマンド操作は、従来のフリーテキストの挿入と同じですが、ダイアログボックス上のバーコード設定ボタンが追加されています。これにチェックを入れると、テキストが自動的にバーコードに変換されテキストと同じように PCB 上に配置することができます。
アルティウムのデモビデオ
http://www.altium.com/VideoPlayer/FLVplayer.html?lib=ad68_flv&flid=1

(3) 任意に選択したオブジェクトを Polygon Pour に変換
従来 Polygon Pour の外形は Plece Polygon Pour コマンドでのみ作成が可能でしたが、Altium Designer 6.8 では任意に選択したオブジェクトを Polygon Pour に変換できるようになりました。これにより、2D Line や Arc を使って作成した複雑な絵柄を Polygon Pour の外形として使用することができます。また、DXF 経由で読み込んだ絵柄を Polygon Pour の外形として使用できますので、複雑な形状のベタエリアを作る場合には大変便利です。
アルティウムのデモビデオ
http://www.altium.com/VideoPlayer/FLVplayer.html?lib=ad68_flv&flid=4

(4) 基板の切り抜き
基板の切り抜きが定義できるようになりました。切り抜き部分の定義は Solid Region の配置によって行います。この Solid Region の属性に Board Cutout の属性が追加され、これにチェックを入れると基板の切り抜きになります。 当然この切り抜きを CAM データとして出力することができます。
アルティウムのデモビデオ
http://www.altium.com/VideoPlayer/FLVplayer.html?lib=ad68_flv&flid=2

68new.jpg

今まで、外国製の PCB CAD はインテリジェントな機能は充実しているが絵柄の入力が不便、という一般的な評価がありました。しかし今回のアップデートではこの点もずいぶん改良されたように思います。

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Altium Designer の自動配線

自動配線に関する問合せがありましたので、旧プロテル探検隊の内容に修正を加えて転載します。

旧プロテルの自動配線(オートルータ)の高性能化は、企業買収によって取得したNeuroRoute をAdvanced Route3としてProtel ブランドで販売することから始まりました。その後、改良が進められましたが、統合環境への組み込みや、PCBとの連携の強化を主としたものであり、配線能力については一進一退の状態でした。また理由は分りませんが、Advanced Route3 から Route 98 へのバージョンアップの際には、結線率が低下しました。そしてこの後退を十分にリカバーしきれない状態がしばらく続きました。

現在のAltium Designerのオートルータには、Situs という名称が与えられ、着実に進化しきてています。そこで、配線能力の改良の様子を調べてみることにしました。

配線に使用したコンピュータは、Athlon XP 1800、メモリ約750MB、Windows-XPのノートブックPCです。精密なデータは取っておりませんので、この結果は大まかな傾向を示すものとしてお受け取りください。

まず、部品面パターン配線結果をご覧ください。細部は無視して配線全体の傾向に注目してください。電源はあらかじめ手配線しました。

手配線 - ずいぶん時間がかかりました
route_m.gif
トラック数=2325 ビア数=62

Protel 99 SE - デフォルト設定で1分45秒で配線完了
route_99se.gif
トラック数=3127 ビア数=164 ショート2箇所 未結線1箇所

Protel 2004 - デフォルト設定で2分55秒で配線完了
route_2004.gif
トラック数=2515 ビア数=125 設定ミスによる未結線1箇所
新しいAltium Designer(Protel 2004)の結果をみると、配線イメージからより的確な経路に配線されていることが伺え、セグメント数やビア数を比べても効率的な配線が行われていることがわかります。これはなかなか Good です。この結果から、Altium Designer(Protel 2004) では、Protel 99 SE に対して、的確な配線パスを見つける能力が劇的に向上しているといえます。

そこで次に、配線の細部を見てみることにします。
route_2004err.gif

残念ながら、以前のものと同様に不自然な部分が多く見受けられます。これらの部分については許容範囲を超える部分もあり、手直しが必要になるでしょう。このあたりの配線品質は、それほど大きく改良されていないようです。

結論として、Altium Designer(Protel 2004) のルータは非常に的確な経路に配線するように改良されています。以前に、他社のハイエンド・ルータをベンチマークによって調査した経験がありますが、この点についてはハイエンドの製品以上のものであると思います。一方、細部の配線形状については、手直しが必要な箇所が多々発生しますので、この点についてはさらなる進化を待たなければなりません。

いずれにせよオートルータは万能ではありませんので、その配線のクセをつかんでそれを補うような使い方をすることが大切です。時間があるときに、出来上がっている基板の配線をはがして自動配線してみるとよいでしょう。

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ここから下は、Altium Designer 6.7 による追試結果です。

上記とは異なったPC環境で試しましたので厳密な比較はできませんが、配線形状が Protel 2004 での結果とだいぶ異なっていますので、かなり手が加えられているように思います。
ad67route.GIF
トラック数=2815 ビア数=142

トラックとビアの数は Protel 99 SE と Protel 2004 のちょうど中間です。ぱっと見の配線形状もそんな感じですが、配線形状を良く調べてみると、Protel 2004 に見受けられた不可解なループ形状の配線や不自然な角度の引き出しがほとんどなくなっており、数値に表れない部分での品質の改良が行なわれているといえます。

この Situs オートルータは、良好な配線品質が得られるだけでなく、ブラインド/ベリードビアもサポートしています。詳しくは以下の PDF ドキュメント(英文)をご覧下さい。
AR0128 Situs Autorouting Essentials

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古い回路図とUnique ID

回路図とPCBとのリンクがうまくいかないという問合せがありましたので、旧プロテル探検隊の記事を少し手直しして転載します。古いProtel 2004 の画像をそのまま使っていますのでメニューは英語のままです。

そのむかし、回路図を描いてPCBを設計するというボードレベルの設計を、回路図エディタとPCBエディタの2種類のツールだけで行っていました。しかし現在では、混在回路シミュレータや、伝送線路シミュレータなどのツールが使われるようになり、ひとつのCADツールのこれらの機能が統合されるようになりました。

アルティムはこのような統合ツールの代表的なメーカーであり、Altium Designer では、現在ボードレベルの設計に必要とされるあらゆるツールが統合されています。そしてこの統合ツールの進化の過程で Protel 99 以降、各ツールで作成されたデータ間のリンクを強固にするため、コンポーネントに Unique ID の属性が設けられました。

このID は、回路図作成時に自動的に付加されますので、新規に回路図を作成する場合には設計者がこの存在を意識する必要はありません。しかし、Protel 98 またはそれ以前の回路図エディタで作成された回路図読み込んで使用する場合には、この属性が含まれていませんので注意が必要です。

例えば、伝送線路シミュレーションを行う場合には、[ Project ] - Component Links... コマンドを起動して、回路図とPCBとの間の部品データをリンクさせます。この際に Unique ID が利用されますが、このIDが無い古い Protel 回路図ではリンクを確立させることができません。

そこでこの場合、回路図エディタから[ Tools ] - Convert - Reset Conponent Unique IDs コマンドを起動して、 Unique ID を付加することが必要になります。

uid.jpg

このUnique IDは伝送線路シミュレーション以外にも多く利用されますので、古い回路図を読み込んだ場合には、必ずこのコマンドを起動するようにしましょう。

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3D-CAD との連携

昨今の 3D-CAD の普及に伴い、3D 機能についての問合せが増えてきました。Altium Designer 6 では 3D 機能についても積極的な開発が行なわれていますので、その概要をご紹介します。

Altium Designer には 3D 表示機能が備えられおり、設計中や設計を終えたPCB レイアウトを立体表示させることができます。また、Altium Designer は IGES および STEP フォーマットの入出力機能を備えていますので、単独で利用するだけではなく、外部の 3D CAD との連携が可能です。

まず、3D 表示を行なうには 3D ライブラリが必要になります。Altium Designer のライブラリには多くの 3D データが含まれていますが、この中に必要な部品の 3D データが無い場合には、外部の 3D-CAD で作成して Altium Designer の 3D ライブラリ読み込むことができます。また、デバイスメーカから提供されている 3D データも同様に利用することができます。

Altium Designer の 3D ライブラリ
必要な 3D ライブラリが全て揃うというわけではない
3dlib.jpg

さらに、Altium Designer で設計を終えた PCB の 3D データを書き出し、外部の 3D-CAD で利用することができます。この機能により、3D-CAD での干渉のチェックや実装図の作成を容易に行なうことができます。

PCB の 3D View を IGES および STEP フォーマットで書き出すことができる。
3D.jpg
以下のビデオで、SolidWorks 上の3Dモデルを Altium Designer に読み込み、さらに Altium Designer で設計したデータ の 3D 表示をSolidWorks に読み込んで表示させるという手順が紹介されています。
http://altium.com.edgesuite.net/videoplayer/player2.html?lib=ad66_nf&flid=3

また、アルティウムの以下のページで3D-CAD との連携機能を紹介しています。
http://www.altium.com/Community/Newsletters/February07/ECADMCAD/

伝え聞くところによると、次の Altiun Designer 6.8 では 3D 機能がさらに強化されるようです。Altium Designer の編集機能だけでなく、この 3D 表示や外部ツールとの連携機能にもご期待下さい。

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グローバルチェンジが無い

一括変更の方法についての問合せが多いので、旧プロテル探検隊から転載いたします。

旧 プロテル製品のユーザが良く使う機能のひとつに、グローバルチェンジがあります。この機能は、一括変更の手段として Protel 製品に初期の段階から備えられていましたが、Altium Designer ではこの機能がなくなり他の機能に置き換えられています。

グローバルチェンジは Protel DXP からなくなりました。Protel DXPを受け取ったとき、この機能がなくなっている事にはすぐに気が付いたものの、これに変わる新しい機能を見つけるのに結構手間取ったことを記憶しています。おそらくAltium Designer のユーザのみなさんも、この機能を見つけるのに難儀されることと思います。

Altium Designer では、一括変更は Find Similar Objects と Inspector の2つを組み合わせて行うように変更されています。手順は以下のとおりです。

(1) 編集対象の上にマウスのカーソルを移動し、右ボタンを押すとポップアップメニューが現れる。
find1.jpg

(2) ニューから Find Similar Obuject を選ぶと、ダイアログボックスが現れる。ここで、一括条件の対象を絞り込む。この例ではResistor に絞り込んでいる。Select Matching にチェックがなければ、チェックを入れる。このあとApplyボタンを押し、そしてOKボタンを押す。
find2.jpg

(3) 動的にInspector ダイアログボックスが表示される。この画面の値を修正することにより、絞り込まれた編集対象の属性値を一括変更することができる。
insp.jpg

(4) さらに、List Window を使って一覧形式により 一括または、個別に属性値を変更することができる。List Window は、初期状態が表示モード(View)になっているため、編集モード(Edit)に変更することが必要。
list.jpg
これらの機能を使うと、従来以上に的確に対象を絞り込むことができ、より広範囲な属性の一括変更が可能になります。

InspectorとList Window は、データベースに直接アタッチしていますので、確認メッセージなしにデータが書き換えられます。もし間違った変更を行った場合にはUndoで復帰できます。

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ネットリストが読み込めない

Altium Designer と互換性の無い回路図から PCB を設計する場合、回路図が読めないのでネットリストの読み込みが必要になります。

そこで、まずアレッと思うのは Altium Designer にネットリストの読み込みコマンドが見当たらないことです。それもそのはず、Protel DXP 以降はコマンドが消滅しており、別の新しい読み込み方法が提供されています。

そこで、この仕組みを説明すると、
Altium Designer は、2つのデータの 間の違いを比較することができる、強力なcomparator engine(コンパレータ・エンジン)を備えています。ネットの読み込みはこの機能を利用して入力ソース(ネットリスト)とターゲット(空の PCB レイアウト)の違いを探します。そしてもし両者に違いが見つかれば一方のデータを更新することにより、両者の違いを消滅させます。

例えば、作業を開始する時点で、ネットリストにはネットデータと部品データが含まれています。しかしPCB ファイルは何も無い空の状態ですので、PCB 上にネットと部品を発生させることにより両者のデータを一致させます。このような整合化の動作により、結果的に部品とネットが読み込まれるわけです。

この仕組みによる、ネットリストの読み込み手順は次のとおりです。

まず、新しい PCB プロジェクと空のPCB および ネットリストを用意します。これを Altium Designer に読み込んだ後以下の操作を行ないます。

(1) プロジェクト >> 相違点の表示 コマンドを起動する。

showdeff1a.jpg

(2) 表示された、比較ドキュメント選択画面の詳細モードにチェックを入れる。これにより ウィンドウが2つ表示されるので、左で PCB ファイルを選択し右でネットリストファイルを選択する。そしてOK ボタンを押し両者の違いを比較する。

showdeff2a.jpg

(3) 比較が終わると、Differences Between Netlist File and PCB Doc に両者の違いが表示される。この画面上でマウスの右ボタンを押すとポップアップメニューが現れるので、ここから Update All in PCB Document [New.Pcb.Doc] を選ぶ。

showdeff3a.jpg

(4) この後画面が以下のように切り替わり処理がはじまる。処理が終わった後 、 ECO 設計変更指示を作成 のボタンを押す。

showdeff4a.jpg

(5) さらに画面が以下のように切り替わるので、 変更の実行 ボタンを押す。

showdeff5a.jpg

これでようやく読み込みが始まり、基板上に部品とネットが現れます。

以上のように Altium Designer では、ネットリストの読み込みはインポートではなく、相違を整合化するためのデータ更新作業であるといえます。ふつうの人はすぐにはこれに気付きません。ここで門前払いを食らって挫折した人も多いのではないでしょうか?

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Room が邪魔なときには...

とりあえず、導入直後は基本的な機能だけを使って仕事を始め、徐々に高度な機能へと応用範囲を広げていくというのが、スムーズな立上げを実現するため一般的な方法です。

Altium Designer の場合も例外ではなく、このような方法で運用を開始されている方々が多ようです。

この段階でいただくお問い合わせは、環境設定やデザインルールの設定に関するものが多いのですが、良くいただくお問合せの一つに、Room を消すのが煩わしいので出ないようにしたいというものがあります。

Room は、Update PCB で最初に PCB にデータを移すときに回路図シート 1枚に対して 1 つ発生し、その回路図上の部品が四角い箱でグループ化されます。そしてこの四角い箱は、部品配置が終わって Room を消去した後も、Update PCB を行なうたびに現れます。

とりあえずこの Room を使わないという場合には、Comparator の設定変更により出てこないようにすることができます。

Comparator の設定画面は、プロジェクト >> プロジェクト オプション を起動し、表示された Options for PCB Project ... のダイアログボックスから Comparator タブを選択することにより現れます。この画面に 2箇所の Room に関する設定項目がありますがこのうちの、Extra Room Definitions の設定を「違いを無視」に変更することにより、Update PCB での Room の発生を止めることができます。

room.jpg

Altium Designer はデザインデータ間の整合を取るために、Comparator 機能を使って双方の間の違いを検出します。どのオブジェクトをこの Comparator の検出対象に含めるかということをこの画面で設定でき、上記のように「違いを無視」に変更することにより、 Room が違いの検出の対象から外されます。

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ライセンスのあれとこれ

引きつづき、ライセンス管理のシステムに関する疑問にお答えいたします。

ライセンスロックの方法について - ハードウェアキーはありますか?

Altium Designer には従来用いられていたようなハードウェアキー(通称ドングル)はなく、この代わりにライセンスキーファイルが用いられています。

Altium Designer を購入すると、顧客番号とアクティベーションコードが提供されます。Altium Designer(またはそのライセンスサーバ)がインストールされている環境から、Altium 社の認証システムにアクセスし認証を受けます。認証後、ライセンスキーファイルが送られてきますので、そのキーファイルを規定の場所にコピーします。

このキーファイルは従来のハードウェアキーと同じように機能し、インストールされている Altium Designer を使用可能な状態にします。ただし従来のハードウェアキーのように、他の PC に差し替えて使用するということはできませんので、PC の入れ換えが必要になった場合には認証作業を再実行しなければなりません。

また、このライセンスキーファイルは、Altium Designer ライセンスの機能を決定します。

例えば Altium Designer には、製品版、トライアル版、タイムライセンス版、ネットワーク版、フルセット、Foundation、Board Implementation など様々な種類があります。しかしどのライセンスを購入しても、提供される CD-ROM は変わりませんので、インストールされるプログラムは全て同じです。

これらの機能のバリエーション、例えば製品版とトライアル版の違いはライセンスキーファイルによって作られます。このため製品版を購入した場合でも、トライアルプログラムがハードディスク上に残っている場合には製品版プログラムの再インストールは不要です。

この場合、製品ライセンスの購入によって提供された新しいアクティベーションコードで再度認証を行い、送られてきた新しいライセンスキーファイルに差し替えるだけで、トライアル版が製品版に早変わりします。

ライセンスサーバプログラムの動作環境とその動作について

ライセンスサーバは、ライセンスサーバ用のプログラムをサーバとして用意されたPCにインストールします。このライセンスサーバー用プログラムは、Windows2000以降の NT 系 OS 環境で動作します。

これらの使用可能なOS のうち、Windows 2003 Serever および、Windows Vista についてはインストール後の設定変更が必要です。またOS はサーバ用 である必要はなく、Windows XP Home Edition のようなクライアント用のOS でも充分です。Windows のサービスとして動作する小さなプログラムですので、リソースをほとんど消費しません。このためOS が安定に動作していれば非力な環境でも問題はありません。

サーバーというとつい大げさに考えてしまいがちですが、大それたものは必要なく、ごく普通の PC で充分だということです。

ライセンスサーバーは、単一のネットワーク上にあるクライアントに対しては、ブロードキャストによって自動的に接続を確立します。サブネットにより分断されている場合または、WAN 経由の場合には コンピュータ名または IP アドレスによって、クライアントを指定することが必要です。

サーバの設定はいたって簡単です。ほとんどトラブルには遭遇しませんが、以前に一度インターネットセキュリティの影響で接続がうまくいかないことがありました。このときは、Altium Designer の DXP.EXE をインターネットセキュリティから除外するように設定することにより回避できました。

DXP ライセンス・サービス・セットアップ・ ガイド
http://www.altium.com/files/learningguides/JP/GU0103_DXPLicenseServiceSetupGuide_jp.pdf

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スタンドアロンとネットワーク

Altium Designer にはスタンドアロンライセンスとネットワークライセンスが用意されています。すでにご存知の方も多いと思いますが、あい変らずどこが違うの?というお問い合わせが多いのでおさらいしておきます。

スタンドアロンライセンスはノードロックライセンスとも呼ばれるライセンス形態で、一台のPC上でのみ Altium Designer の使用が可能です。一方のネットワークライセンスはフローティングライセンスとも呼ばれるライセンス形態で、LAN で接続された任意の PC 上で、ご購入いただいたライセンス数の範囲内でAltium Designerを同時に使用することができます。

スタンドアロンライセンスでは Altium Designer がインストールされた自分の PC に直接ライセンスが与えられます。スタンドアロンライセンスは特定の1台 PC だけでしか使えないように固定されますので、ノードロックライセンスとも呼ばれます。

License.jpg

使用者が一人の場合には、このスタンドアロンライセンスが最適です。しかし複数の使用者が交代で使用するような場合には、使用者がAltium Designer のインストールされているコンピュータのところまで移動しなくてはならないので少々不便です。

また時々、スタンドアロンライセンスで、ライブラリの共有はできますか?という問合せをいただくことがありますが、これはライセンスの共有ではなくファイルの共有ですので、ライセンス形態に関係なく可能です。

一方のネットワークライセンスは、ライセンスサーバー用のプログラムがインストールされた、ライセンスサーバーに対してライセンスが与えられます。そしてこのライセンスはネットワーク経由して、 Altium Designer がインストールされたクライアントに動的に配信されます。クライアントは Altium Designer が働いている時にしかライセンスを使用しませんので、限られたライセンスを有効に使い回すことができます。このネットワークライセンスはライセンスが特定の PC に固定されず、ネットワークを経由して自由に動き回りますので、フローティングライセンスとも呼ばれます。

クライアントとして使用できる PC の数には制限はなく、またどのクライアントでも Altium Designer を使用することができます。しかし同時にに使用できるクライアントの数は、ライセンスサーバに与えられているライセンス数に制限されます。

License_n.jpg

このネットワークライセンスでは、同時に何人使用するか?ということにより必要なライセンス数が決まります。

例えば10人のエンジニアが、自分のディスクトップ環境で Altium Designer を使いたい場合、スタンドアロンライセンスでは使用頻度には関係なく 10ライセンス購入することが必要になります。しかしネットワークライセンスの場合にはユーザが10人いても、使用頻度が低く同時に5人以上使うことが無ければ、5ライセンス購入すればよいということになります。

ネットワークライセンスは複数の使用者でAltium Designer を共有する場合に、大変便利なライセンス形態です。しかし一方ネットワークライセンスには Altium Designer を社外に持ち出しにくい、という難点もあります。

また、通常ネットワークライセンスは独立したサーバーにインストールしますが、Altium Designer がインストールされたクライアント環境に同居させることもできます。この用法を使うとより柔軟な運用環境を構築することができます。

License_n_c.jpg

例えば、モデル A にはクライアント環境にライセンスウサーバを同居させた例が示されています。この場合スタンドアロンライセンスの場合と同じように動作しますが、それ以上の何ものでもありません。

モデル B は、上記モデル A を他のクライアントのライセンスサーバとして用いる場合の例です。例えばノート PC にクライアントとサーバーを同居させておき、外出時にはこれを持ち出して使用します。そしてオフィスに帰れば、ディスクトップ PC にインストールされている Altium Designer のライセンスサーバーとして使用する、という使い方が可能です。

モデル C は、上記モデル B と独立したライセンスサーバーとを組み合わせた例です。例えば、同時に 5人が使用する場合には 5ライセンスのネットワークライセンスを購入することが必要ですが、5ライセンスを一括ではなく、1ライセンスと4ライセンスの 2つに分けて購入します。そして、1ライセンスの方を、サーバ-/クライアント共用のノート PC にインストールし、4ライセンスの方を専用サーバにインストールします。

この方法では常時 5人の使用が可能で、なおかつノートPCにインストールされたAltium Designer を社外に持ち出すことも容易にできます。

以上、2 種類のライセンス違いと運用例をご紹介しました。

スタンドアロンライセンスとネットワークライセンスは混在させることもできます。Altium Designer のフルセットと Foundation を混在させ、一方をネットワークライセンス、他方をスタンドアロンライセンスという組み合わせも可能です。

このようにフレキシブルな運用が可能ですので、複数のライセンスを導入される場合には、その運用環境の構築にも知恵を絞っていただきたいと思います。

なお、スタンドアロン/ネットワークライセンスのいずれにもドングルと呼ばれるハードウェアキーはなく、固有の PC 環境に合わせて発行された、ライセンスキーファイルの参照によってライセンスがアクティブになります。

このため Altium Designer ではプログラムのインストールが終わった後、アクティベーションと呼ばれる作業により、ライセンスキーファイルの取得とインストールが必要になります。

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回路図ライブラリを使い回す

CADを使った設計では「常に必要な部品がそろっていて、いつでもすぐに利用できる」という状態になっていないと能率が上がりません。

要するに部品ライブラリの充実と管理が必要なのですが、これがななか大変で、理想的な環境を構築しそのコンデションを保つには相当の労力が必要になります。

そこで今回は既存のライブラリ資産をうまく使い回して、効率よく仕事を行なうための機能を紹介します。

(1) 既存の回路図から部品を抜き取る
「 Design >> Make Project Library / デザイン >> プロジェクトライブラリの作成 」

makepl.jpg

例えば、以前に作成した古いプロテルの回路図や社外で作成した回路図を修正して再利用する場合には、回路図上に部品があっても、ライブラリには部品が見当たらない、ということがよくあります。

このような場合、プロジェクトライブラリの作成(Make Project Library)コマンドを使うと、回路図上に配置されている全ての部品を一気に抜き取り、一つのライブラリファイルに保存するこができます。この機能を使うとほんの数秒で部品ライブラリができてしまいますので、手間のかかる部品作成は不要になります。

この機能は、ライブラリの構築の際にも便利です。例えば、OrCAD やP-CAD、PADS で描かれた回路図を読み込み、プロジェクトライブラリの作成(Make Project Library)コマンドを起動すると、OrCAD やP-CAD、PADS の回路図シンボルを Altium のフォーマットに変換して、ライブラリに加えることができます。

(2) 部品のコピー
「 ライブラリパネル上の部品リストを コピーアンドペースト 」

compo_list.jpg

必要な部品が見つからない場合、似通った部品を修正して利用します。この場合、まず元になる部品をコピーして持ってくることが必要になりますが、この作業をライブラリパネル上でのコピーアンドペーストで行なうことができます。

部品リストは複数選択が可能です。必要な部品を選択したあと右ボタンクリックでコマンドリストがポップアップします。同一ライブラリファイル内だけでなく他のライブラリファイルとの関で コピーアンドペーストできますので、ライブラリ内の部品構成を編集する際にも使用できます。案外、この機能の存在に気づいていない人も多いのではないでしょうか?

(3) 回路図上でのピンの移動
「Cmponent Propaties / コンポーネントプロパティ のピンロックを解除」

Lockpin.jpg

部品のピンを移動することにより、回路図上の配線の交差を少なくできる場合があります。このような場合、回路図上に部品を配置した後でも、ピンロックを解除することにより、ピンを自由に動かすことができますので、ライブラリの修正を行なう必要はありません。

(4) 回路図上でのピン属性の編集
「 Cmponent Propaties / コンポーネントプロパティ からピン編集を実行 」

Pinedit.jpg

シングルチップのCPU や FPGA デバイスでは、IO 端子の機能がプログラムできるようになっています。これらの部品を使用する場合、ピン編集機能を使用することにより、回路図上に部品を配置した後でピン属性を編集できますので、ライブラリの修正を行なう必要がなくなります。

限られたライブラリリソースを有効に使用するという意味において、他にも役立つ機能があります。

(5) ライブラリレポート
「 Report >> Library Report / レポート >> ライブラリレポート 」

ライブラリを図面化することにより、目的の部品をすばやく見つけることができます。必要な部品が見つからず、同じ部品を何度も作ってしまうというような無駄を避けることができます。この機能については以下に説明があります。
http://altium.sakura.ne.jp/cadlog/2006/05/post_7.html

(6) 外部ドキュメントを F1 キーによりアクセス
「HelpURL パラメータを設定」

helpurl_kw.jpg

helpurl.jpg

部品パラメータにHelpURLキーワードを記入し、URL アドレスを書き込むことにより、F1 キーで URL にアクセスすることが」できます。この機能を使うとF1 キーで部品のデータシートを瞬時に表示させることができます。

(7) 既存ライブラリの各部品のパラメータを一覧画面で編集
「パラメータマネージャの活用」

PrameterMan.jpg

パラメータマネージャーを使うと、複数の部品のパラメータを一覧形式で編集することができます。標準ライブラリを、自社の仕様に合わせて修正する場合などに便利です。

他にもいろいろ便利な機能があります。充実したライブラリの構築とその一元管理に加え、既存のライブラリを小技で使い回すことも必要だと思います。

OrCAD は Cadence Design Systems, Inc. の登録商標です。PADS は Mentor Graphics Corporation の登録商標です。

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他社のツールを併用する

Altium Designer 6 には驚くほど多く種類のツールが統合されていますが、あらゆる要求にこれだけで対応できるかというと、決してそうではありません。

例えば、EMC 解析や熱解析、電源ノイズ解析(パワーインテグリティ)などの解析ツールは Altium Designer 6 には含まれていませんので、他社のツールを利用することが必要になります。

また、定番のポイントツールとして実績のあるハイエンドツールを使用したい場合や、持ち合わせのツールを再利用したい場合があります。

このような場合には、これらの外部のツールとのインターフェースが必要になります。そこで、いくつかのケースを取り上げその方法を紹介したいと思います。

(1) CADENCE SPECCTRA オートルータを使用したい。
自動配線ツールとして、実績のある SPECCTRA オートルータを使用したい場合、Altium Designer 6 では SPECCTRA で使用されている dsn ファイルでの保存と rte ファイルの読み込みが可能ですので、何ら特別な手段を講じる必要ありません。
すでに SPECCTRA をお持ちの方には大変便利だと思います。

(2) HyperLynx シミュレーションツールを使用したい。
Altium Designer 6 ではできないEMC 解析を行いたい場合や、すでにお持ちの HyperLynxをお持ちの場合には、Altium Designer 6 の持つ HyperLynx の hyp フォーマットで保存することにより、すぐに利用することができます。


dsn.JPG

また、上記 SPECCTRA の dsn フォーマットは、CADENCE 社以外でも多くのベンダーがインターフェイス用のフォーマットとして使用していますので、これを介して Altium Designer 6 の外部ツールとして使用できるものがいくつもあります。

・EMI抑制支援ツール DEMITASNX
Altium から出力された dsn でインタフェイスが可能なことが確認されています。
http://www.demitasnx.com/

・ パワーインテグリティ  Sigrity
概要 機能 システム仕様 ドキュメント
dsn フォーマット経由で Altium 製品とインタフェイス可能なことが明記されています。

このほかにも、dsn フォーマットでやり取りが可能なツールがいろいろありそうなので、探せばいいのが見つかるかも知れません。

これらを利用することも、Altium Designer 6 を効果的に活用するための、ひとつの方法なのではないでしょうか?

CADENCE、 SPECCTRA は Cadence Design Systems, Inc. の登録商標です。

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外部データベースとの連携

MRP ERP といった基幹システムが構築された環境下では Altium Designer 6 とその基幹システムとの連携が要求されます。そこでこれを、「機能の連携」と「データの連携」の2つに分けて考えてみます。

まず、2つのシステムを連携させる場合には、相互に機能をアクセスすることが必要になります。例えば相手のシステムを制御するためのコマンドを発行したり、また相互の通信に必要な複雑な手続きを自動化するといったことが不可欠です。Altium Designer 6 ではこの「機能の連携」を、洗練されたカスタマイズ機能によって実現することができます。
カスタマイズのお奨め http://altium.sakura.ne.jp/cadlog/2007/08/post_40.html

またドキュメントやライブラリの管理を一元化するためには、ファイルの受け渡しやデータベーステーブルの参照によるデータの交換が必要になります。このような「データの連携」を可能にするために Altium Designer 6 では使用頻度の高い、標準的なドキュメント・フォーマットでの読み書きを、広範囲にサポートしています。

加えて、Altium Designer 6 には、外部データベースとの高度な連携機能が備えられており、データベースリンク機能とデータベースライブラリの機能により、MRP/ERPの管理下にある外部データベースのテーブルからデータをダイナミックに取得することができます。

おおよそ、このような機能により連携が可能になりますが、この中の外部データベースとの連携機能についてもう少し詳しく紹介します。

例えば、工場を持つ事業所では MRP などの管理システムが稼働しており、この部品データベースには、品名/品番だけでなく、メーカ名、セカンドソースの品名、価格、発注単位、梱包単位、在庫数などの豊富なデータが含まれています。そしてこれらのデータは日々刻々と更新されていきます。

Altium Designer 6 では、これらの部品データを CAD 部品の属性として取り込み、回路の設計およびその結果として出力される、パーツリストなどのドキュメントに反映することができます。そして、Altium Designer 6 は2つの方法でこのデータベースとの連携をサポートしており、その一つがデータベースリンクでもう一つが、データベースライブラリです。

この、データベースリンクは、外部データベースのテーブルにダイナミックにリンクし、リンクフィールドの値が一致したレコードの属性を CAD 部品の属性として取り込む機能です。いわゆるリレーショナルデータベースで言うところの、キーの設定によるテーブルの連結です。そして、もう一つのデータベースライブラリ機能は、CAD 部品ライブラリ自体を外部データベース上に構築します。

両方とも同じ目的で用意された機能ですが、データベースライブラリの場合には、データベースライブラリから直接部品を呼び出して配置することができます。さらにデータベースライブラリの場合には、外部データベースによる包括的な CAD 部品の管理が可能になりますので、CAD 部品管理の主体を設計者からデータベース管理者に移管する場合には好都合なのではないかと思います。

これらのデータベース連携機能については、以下のドキュメントが用意されていますのでご覧ください。

AP0133 データベースライブラリ機能の解説 - 英文
AP0134 データベースリンク機能の解説 - 英文
AP0143 データベースライブラリへの移行機能の解説 - 英文
TU0119 データベースリンク機能のチュートリアル - 和文(Protel 2004)

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カスタマイズのお奨め

Altium Designer 6 は極めて多機能な製品ですので、全ての機能を紹介することはできません。このためお客様の運用環境での課題を探りながら、紹介の範囲を絞り込むことが必要になります。

そしてこの場合、どうしても目先の編集機能の紹介に終始しがちになり、無くてもすぐには困らないというような機能については、つい後回しになってしまいます。

しかしながら、 Altium Designer 6 の優位性は目先の機能よりも、その洗練されたアーキテクチャにあり、この優れたアーキテクチャがもたらす無限の可能性についての訴求をおろそかにすることはできません。

そこで今回は先進のDXP プラットホームの特徴と、この環境から得られる大きな成果の一つとして、Altium Designer 6 の洗練されたカスタマイズ機能を紹介したいと思います。

Altium Designer 6 は、DXP プラットホームを核とした Client/Server 構造で構成されており、クライアント として動作する DXP プラットフォームに、アプリケーションロジックを実行する多くのサーバがプラグインされています。そして、DXP プラットフォームとアプリケーションサーバは、それぞれの持つAPIを経由して相互に連携し、要求されたタスクを実行します。

このシステムには以下のような特徴があり、Altium Designer 6 のカスタマイズ機能はこの特徴を如実に反映したものであるといえます。
(1) ツールの統合が容易
(2) ツール開発の分業が容易
(3) 公開されたAPIにより各ツールの機能に深くアクセスすることが容易

そこでまず、次の図をご覧ください。
これは、カスタマイズ機能の要であるスクリプト実行環境の概念を示したものです。

DxpPlatform_api.gif

DXP プラットホームとこれにプラグインされたアプリケーションサーバは、公開された API を備えており、複数の言語に対応するインタプリタとこの API を経由してスクリプトを実行することがでいます。サポートされている言語は、DelphiScript、Enable Basic、VB、JScript と広範囲で、用途および習熟度に合わせて使い分けることができます。

もちろん、コンパイルされたプログラムから API にアクセスすることもできますので、より本格的なカスタムアプリケーションを開発して組み込むことができます。

このスクリプト機能の応用事例が、以下のページで紹介されています。
http://www.altium.co.jp/Community/Newsletters/May07/Increaseyourproductivity/
http://www.altium.com/files/pdfs/Increaseyourproductivity_JP.pdf(同- PDF 版)

この例は、ビットマップ形式さ作成された会社ロゴファイルを、PCBに取り込むという作業を自動化するものです。これにはピクセルからトラックへの変換という複雑な処理が伴いますが、スクリプトを使うことにより、このようなことも容易に実現できます。

どうでしょうか?なかなか気がきいていると思いませんか?

さらにアルティウムでは以下のドキュメント、および事例や雛形の提供により、カスタマイズに対するサポートが行なわれています。

TU0105 Customizing the Altium Designer Resources
メニュー、ツールバー、ショートカットキーのカスタマイズ機能の概要とカスタマイズの手順を具体的に説明

GU0120 A Tour of the Scripting System
スクリプトシステムの全体像と用法の概説

TU0121 Getting Started with Scripting
シンプルなDelphiScript を例題にして、スクリプトの作成および実行の手順の具体的な説明

TU0125 Building Script Projects
DelphiScriptとVBScriptによるスクリプトの実例により、ネットリストの生成やボード外形のコピー、およびクエリーの実行プロセスウが具体的な説明

AR0134 What is the Altium Designer RTL
スクリプトおよびカスタムアプリケーション(サーバ)からアクセスウ可能な、Altium Designer のランタイムライブラリの概要と用途の説明

GU0117 Using the Altium Designer RTL
Altium Designer のランタイムライブラリの用法をサンプルスクリプトを用いて具体的に説明

TR0119 Component Reference
Altium Designer の DelphiScript、VBScript、JavaScriptでサポートされている、コンポーネントとそのメソッド/プロパティの説明

TR0120 DelphiScript Reference
Altium Designer でサポートされている DelphiScript のリファレンスマニュアル

TR0121 Enable Basic Reference
Altium Designer でサポートされている Enable Basic のリファレンスマニュアル

TR0122 JScript Reference
Altium Designer でサポートされている JScript のリファレンスマニュアル

TR0123 Script Examples Gallery Reference
Altium Designer に添付されているスクリプトサンプル(雛形)の内容を説明したリファレンスマニュアル

TR0124 Server Process Reference
Altium Designer のサーバープロセスを包括的に説明した、リファレンスマニュアル

TR0125 VB Script Reference
Altium Designer でサポートされている VB Scriptのリファレンスマニュアル

TR0135 Altium Designer System Reference
Altium Designer の 各 RTL (Run Time Library) の API を包括的に説明

TR0136 Integrated Library API Reference
統合ライブラリ・インタフェイスを提供する RTL のAPI を概説

TR0137 FPGA API Reference
FPGA 開発機能を提供する RTL のAPI を概説

TR0138 PCB API Reference
PCB 設計機能を提供する RTL のAPI を概説

TR0139 Schematic API Reference
回路図作成機能を提供する RTL のAPI を概説

TR0140 Workspace Manager API Reference
ワークスペース(画面まわり/作業領域)インタフェースを提供する RTL のAPI を概説

TR0141 DelphiScript Keyword Reference
DelphiScript のキーワードを解説したリファレンスマニュアル

このようにAltium Designer 6 では、極めて柔軟で多彩なカスタマイズ機能に加え、充実したサポートが提供されています。

これを遊ばせておく手はありません! ぜひとも、この卓越したカスタマイズ環境もご利用ください!

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PADS 回路図の読込み

Altium Designer 6.7 で実現された見逃せない新機能一つに、PADS Logic の回路図およびライブラリファイルの読込み機能があげられます。

回路図エディタの分野では PADS はあまりメジャーな存在ではなく、回路図を描くことを目的に PADS 製品を購入されたというケースは稀なのではないかと思います。しかし PADS PCB や PADS Power PCB のためのデザインエントリーツールとして、PCB ツールとのバンドルで販売されていましたので、案外ユーザ数は多いのではないでしょうか?

私自身も以前 PADS のセールスをしていたとき、多くの方々に PADS Logic をご購入いただきました。OrCAD SDT4 が全盛のころの話ですが、当時の他社製品と比較して PADS Logic はとても使いやすいツールでしたので、PCB 設計のフロントエンドとしてはけっこう好評でした。

このような経緯もあり PADS 回路図との互換性についてはずっと気になっていました。

今回の Altium Designer 6.7では改良された PADS インポートウィザードにより、PADS 回路図 ファイルを PCB ファイルとの連携を維持したまま読込み、プロジェクトとして保存することができるようになりました。また、回路図およびPCB のライブラリファイルを同時に読込むことができます。

この新しい機能により、PADS の PCB だけでなく PADS の回路図資産についても Altium Designer に引き継ぐことができます。

新しいPADSインポート機能の自動デモ
http://altium.com.edgesuite.net/videoplayer/?lib=ad67_nf&flid=4

OrCAD Capture との互換性

アルティウム(旧プロテル)は約 15年前、OrCAD SDT(DOSの回路図エディタ)のWindows 版という位置付けで Advanced Schematic の販売を開始して以来、OrCAD 回路図エディタとの互換性を重視し続けてきました。

現在のAltium Designmer ては、OrCAD DOS 回路図の読み込み機能こそ廃止されたものの、Windoes 版のOrCAD Capture に対しては双方向の互換性を実現しています。

OrCAD Capture 回路図の読み込みは、Protel 99 SE で始めて実現されました。そして次の Protel DXP 以降は OrCAD Caputure フォーマットでの保存(書き出し)が可能になり OrCAD Capture との双方向の互換が実現しました。その後も新バージョンのリリースのたびに改良が加えられ、うまく使えば非常に精度の高い変換ができるようになっています。

しかしながらうまくいかない場合もありますので、その例として OrCAD データの読み書きに関する 2 件のフィードバックをご紹介します。

(1) OrCAD 回路図の読み込み(OrCAD Import)に関して
< 問合せ >  OrCAD Caputureの回路図を読み込んだところ絵柄は正確に再現されたが、デジグネータの文字 が非常に小さく表示される。
< 対応 >  確認したところフォント属性が正しく変換されていないようでしたので、Altium Designer の Find Simular Object で選択して、Inspector で一括変更。ネットを確認してもらったころ正しく出力されているようでした。必要な場合には、OrCAD から Protel ネットリストを出力し Show Differences 機能によって読込んだ後のOrCAD 回路図との比較することにより、完璧に整合性を確認することができます。

(2) OrCAD 回路図への書き出し(OrCAD Export)に関して
< 問合せ >  Altium Designer から出力した OrCAD 回路図を、OrCAD Capture R10で読み込んだところ、複数の回路図のうちの最初の1枚しか読み込めない。
< 対応 >  確認したところ確かに指摘とおりの症状がでました。アルティウム ジャパンで調べてもらったところ、OrCAD Capture R9.2 と R15.7 なら正しく読めるということでした。ちなみに、Altium Designer から出力される OrCAD 回路図のりビジョンは R7.2 のようです。ユーザには、R10 以外の OrCAD で読み込んでいただくようにお願いしました。

このようにいくつかの不具合も報告されていますが、おおむねこのOrCAD Import/Export に関する評価は高いようです。常用しているユーザも多いようですので、機会があれば一度お試しください。

OrCAD、OrCAD SDT、OrCAD Capture は Cadence Design Systems, Inc. の登録商標です。

Altium Designer のライセンス管理

Altium Designer では、デザインエントリー機能を統合したツールのセットにFoundation という名前が付けられており、基板設計の機能を統合したツールのセットには Board Implementation という名前が付けられています。

そして商品として販売される場合、Board Implementation は単体で販売されず、必ずFoundation を付けて販売されます。ちょっとわかりにくいまもしれませんが「基板設計を行うためには Board Implementation が必要であり、この Board Implementation を買えば必ず Foundation が付いてくる」ということです。

そこで生じるのはこの、Board Implementation の一部である PCB エディタと、Foundation の一部である回路図エディタとを、別々のユーザが個別に使用することできるのか?という疑問です。

日本では、回路設計と PCB 設計がそれぞれ別の技術者によって分業されていることが多ので、回路図エディタと PCB エディタを個別に使用出来たほうが好都合な場合が多々あります。しかし残念ながら Altium Designer ではこのような使い方はできません。

Protel 99 SE 以前は、各機能を個別に使用することができましたので、古いバージョンから移行される場合にはこの点に注意することが必要です。

また Protel 99 SE は、フローティングライセンス仕様の製品しかなく、スタンドアロンで使用される場合にもこのフローティングライセンス仕様の製品が供給されていました。このため、Protel 99 SE からAltium Designer へのの移行の際に、以前と同等のライセンス形態を保つためには、ネットワークライセンスを選ぶ必要があります。

アルティクム製品は、世代交代のたびに大幅に機能のアップデートが実現されてきましたが、ライセンス管理の方法もそのたびに変わってきていますので注意が必要です。

Altium を出先に持ち出す

最近は Altium Designer のネットワーク版のご要望が増えてきましたが、この場合に問題になるのが Altium Designer を社外に持ぢ出して使いたい場合です。ネットワーク板はサーバーに繋がないと使えませんので、社外への持ち出しが必要になる場合には事前に手を打っておかなくてはなりません。

そこで、5ライセンスの導入を行う場合を想定してその方法を探ってみます。

(1) 5ライセンスのネットワーク板の場合
この場合には、WAN を利用して出先から社内にあるサーバに接続すること以外に手段はありません。仮に力ずくでサーバを持ち出したとすると、客先で Altium Designer を使うことができますが、社内のAltium が使えなくなります。

(2) 4ライセンスのネットワーク版 + 1 ライセンスのスタンドアロン版に分割した場合
この場合には、ノート PC にスタンドアロン版をインストールしておけば、容易に持ち出すことができます。ただしこの場合にはPC が1台の持ち出し専用機に固定されますので、いつも社内で使っている PC を出先に持ち出すような利便性を得る事は出来ません。またフローティングするライセンスが 4ライセンスになり、ライセンスの利用率(稼働率)は多少低下します。

(3) 4ライセンスのネットワーク版 + 1 ライセンスのネットワーク版に分割した場合
Altium Designer がインストールされているクライアントをライセンスサーバーとして共用することができます。このため、持ち出し用のノートPC にAltium DZesigner とライセンスサーバーの両方をインストールして、1ライセンスのネットワーク版をこの ノート PC で利用することができます。この場合には、持ち出し用 PC は固定されますが社内に持ち帰って LAN に接続すれば、合計 5 ライセンスをフローティングライセンスとして使用することができます。

(4) 4ライセンスのネットワーク版 + 1 ライセンスのネットワーク版に分割した場合 - その 2
最近 PC が小さくなりましたので、サーバーを持ち出すということが非現実的な話ではなくなってきたように思います。例えば以下のPC は超小型であり重量も 500g 以下のようですので、常用のノート PC と一緒に持ち出すこともできるのではないでしょうか?
http://www.oqo.com/(メーカー)
http://journal.mycom.co.jp/news/2004/10/15/005.html(MYCOM)

このような小型 PC にライセンスサーバをインストールし、サーバごとライセンスを持ち出すとします。この場合クライアントは、持ち出し専用機ではなくいつもAltium Designerを使っている自分の PC を持ち出すことができます。またライセンスサーバーを社内に持ち帰った後は 5ライセンスの全てをフローティングライセンスとして使用することができます。

この場合の最大の問題は小型 PC の価格が高いことでしょう。また、小型とは言え出張時に荷物が増えることは好ましくありません。

以上のように、Altium Designer を社外に持ち出すためのいくつかの方法があります。しかしいずれの方法にもメリットとデメリットがありますので、事前の検討が必要です。またあわせて、ライセンス使用許諾条件の再確認を行うことも必要です。

既存データの再利用

Altium Designer では PADS などの他機種の CAD データを読み込むことができますがその範囲は限られており、国内で多用されている国産 CAD システムの CAD データの読み込みはできません。

しかし、CAD データが読み込めなくても、DXF やガーバー(Gerber)を介してデータを読込んで再利用することができます。

ただし、DXF やガーバーは電気的な属性を持たないグラフィカルデータですので、これらを再利用する場合には手作業を加える必要や、多くの制限があることを知っておかなくてはなりません。特に DXF データは機械系CAD用のフォーマットですので PCB オブジェクトと完全な相関を得ることができません。例えば配線パターンがポリライン(PCBのベタに相当)で表現されていたりします。このためデータをそのまま使用することは困難ですので、DXF データについては再設計のためのテンプレートとしての利用に留めるのが無難です。

一方ガーバーについては、絵柄としてはPCB オブジェクトと完全な相関がとれていますので、読み込んだデータをそのままPCB オブジェクトに置き換えて再利用することが容易です。

そこでガーバーを介して行う、データの再利用の例をいくつか紹介します。

(1) CAMtastic 経由でガーバーとNCファイルを読み込み、基板の全データを再利用

これはCAMtastic の持つ、ガーバーから Altium Designer の PCB データへ変換機能を利用するものです。以下に手順が紹介されていますのでご覧ください。
http://eda.ac/yota/archives/2005/07/_camtastic.html

これが成功するか否かは、CAMtastic が他機種で作成されたガーバーとNCデータを正しく読めるかどうかにかかっています。しかし現実にはガーバーとNCデータには多くのバリエーションがありますので正しく読めない場合もあります。この場合には多少の手直しが必要になります。

先日ユーザ様からいただいたガーバーでは D03 コマンドが正しく処理されず、CAMtastic ではうまく読むことができませんでした。もしガーバーが正しく再現されない場合には一度この部分も確認してください。

CAMtastic で正しく処理できないガーバーデータ
---------------------------------------------
G17*
G90*
D02*
D99*
G01X-02720000Y01040000*
D03*
G01X-01570000Y00000000*
D03*
D02*
M00*
M02*
M30*
---------------------------------------------

上記のように、"D03" (フラッシュコマンド)が座標値と分離して記述されている場合に"DO1"(ドロウコマンド)が無くてもシャッターが開いた状態で線が引かれます。これを以下のように書き換えると、正常に再現されます。

CAMtastic で正しく処理できるガーバーデータ
---------------------------------------------
G17*
G90*
D02*
D99*
G01X-02720000Y01040000D03*
G01X-01570000Y00000000D03*
D02*
M00*
M02*
M30*
---------------------------------------------
*この問題についてはアルティウムに対策を依頼済み

(2) 直接 Altium Designer の PCB にガーバーを読み込み基板データの一部を再利用

CAMtastic で PCB データに変換する場合は、PCB を構成する全データを読み込んで処理することが必要になりますので、一部のデータだけを再利用したい場合は少し不便です。例えば、他機種で設計した配線パターンだけを再利用し、部品はAltium Designer でマニュアル配置するという場合です。

このような場合には、直接 Altium Designer の PCB エディタにガーバーを読み込みます。
しかし、PCB エディタでは他機種の PCB データを直接読み込むことができず、以下のようなヘッダーの追加が必要になります。

Altium Designer PCB エデイタで読めないデータ
---------------------------------------------
D10*
X57173Y87824D02*
X57096Y88031D01*
X56963Y88206*
X56786Y88336*
M02*
---------------------------------------------

ヘッダー2行を追加することにより読み込みが可能になります。このヘッダは、Altium Designer PCB エディタから出力したガーバデータのヘッダーを切り取って貼り付けましたが、データの単位系と桁数によって記述内容を修正する必要があります。

Altium Designer PCB エデイタで読めるデータ
---------------------------------------------
%FSLAX43Y43*%
%MOIN*%
D10*
X57173Y87824D02*
X57096Y88031D01*
X56963Y88206*
X56786Y88336*
M02*
---------------------------------------------

またこの場合には自動的にアパーチャが参照されるため、アパーチャファイルを事前に用意しておくこと、およびガーバーとアパーチャファイルの双方ともにPCB エディタのルールに沿った拡張子をつけておくことが必要です。

(3) ライブラリエディタでガーバーデータを再利用

複雑な形状のフットプリントを作成する場合、他のCADで作成された既存のフットプリントをガーバー出力して再利用することにより作成時間を短縮することができます。

しかし、Altium Designer PCB ライブラリエデイタではガーバーのインポートができません。このため、一旦PCB エディタにガーバーデータを読み込んだ後、Copy & Paste でライブラリエデイタに貼り付けます。

ガーバーファイルを用いると短時間で PCB の絵柄を完全に再現することができますが、 PCB 属性を与える作業には多くの時間を要します。このためガーバーデータを利用する場合には、完全なPCBデータへの変換にはこだわらず、目的にあわせてある程度のところで妥協することが必要であると思います。

他機種との互換性

Altium Designer 6.4/6.5 では、異機種データの読込み/書出し機能が改良されたことをご紹介しましたが、旧来より Altium(Protel)製品では異機種との互換性が重視されており、現在では非常に多種の CAD データの読み書きが可能になっています。

まず、File >> Open で表示されるファイルのリストをご覧ください。

open.JPG

このリストには CAD フォーマットだけでなく関連するテキストフォーマットも含まれていますが、このリストを見るだけで Altium Designer がいかにに多種のデータをサポートしているかということがわかります。

回路図とPCB の範囲で、読込み可能なフォーマットを整理すると以下のようになります。ほとんどのフォーマットのデータは File >> Open で読み込むことができ、一部のフォーマットについては File >>Import で読込みます。

・回路図データの読込み
- Protel schematic の全バージョン
- P-CAD Schematic ASCII(V15 & V16)
- Orcad Capture(V7 & V9)
- R2000 までの AutoCAD DXF/DWG

File >>Import での読込み
sch_import.JPG

・PCB データの読込み
- Netlist(Protel および Tango)
- Protel PCB の全バージョン
- P-CAD PCB ASCII(V15 & V16)
- PADS PCB ASCII(ASCII 3.5 まで)
- Orcad Layout(V7)
- Specctra RTE
- R14 までの AutoCAD DXF/DWG(電気層への読み込み)
- Gerber - batch および single

File >>Import での読込み
pcb_import.JPG

また書出し可能なフォーマットを整理すると以下のようになります。これらの書き出しは全て、File >> Save As で行うことができます。

・回路図データの書出し
- Orcad DOS schematic
- Protel schematic V4
- Protel ASCII
- Protel schematic テンプレートファイル (ASCII および binary)

sch_save.JPG

・PCB データの書出し
- AutoCAD DXF/DWG
- Specctra DSN
- HyperLynx
- Protel Netlist
- V3 binary
- V4 binary
- V5 ASCII

pcb_save.JPG

また Altium Designer では、階層化された複数の回路図を他機種のプロジェクトファイルのフォーマットで保存することができます。

・プロジェクトファイルへの書き出し
- OrCAD Capture (dsn)
- P-CAD Schematic

project_save.JPG

これだけ多くの異機種、および旧バージョンのフォーマットをサポートした CAD ツールは他に見当たりません。またその変換精度は非常に高く、読み落しやデータ化けはほとんど起こりません。Altium Designer のユーザやトライアルユーザの皆さん。ぜひともこの機能をお試しください!

ショートカットキー

Altium Designer 6 のトライアル版や製品版を使い始めた方々から、マウスのカーソルにぶら下がっているテキストをどうしたら消せるか?という質問を良くお受けします。

insight1.gif

Shift + H で消えますよ!とお答えするわけですが、編集モードに入っていないコマンド待ちのときには、表示コントロールのためのショートカットキーが表示されていますので、これに気付けば一目瞭然、問い合わせするまでもありません。

insight2.gif

CAD による編集作業の能率を上げるためには、ショートカットキーを効果的に利用することが必要です。このため Altium Designer 6 では、配線中に使用する多くのコマンドがショートカットキーに割付けられています。そしてそのショートカットキーに割り付けられた機能は、画面上の表示や PDF ドキュメントで説明されています。

ショートカットキーを有効にお使いいただくためには、画面上に表示されるメッセージに気をつけていただくことも大事なのですが、まずショートカットを解説したGU0104 Shortcut Keys.pdfに目をとおすことをお奨めします。このPDF ドキュメントは Altium Designer 6がインストールされたフォルダー及び、アルティウム(英語)のWEB サイトにあります。

C:\Program Files\Altium Designer 6\Help\GU0104 Shortcut Keys.pdf
(デフォルトでインストールした場合)
http://www.altium.com/files/learningguides/GU0104%20Shortcut%20Keys.pdf

こんなにたくさんのショートカットがあるのか!という驚きとともに、今まで探していたショートカットが見つかるのではないかと思います。

そしてもうひとつ極めつけの機能として、ショートカットパネルがあります。このパネルは、View - Warkspace Panels - Help - Shortcut で表示され、編集作業中に使用できるショートカットの一覧が示されます。

shortcut_panel.gif

この機能についても、マルチメディアデモが用意されていますのでご覧ください。
http://altium.com.edgesuite.net/videoplayer/?lib=ad6_whatsnew_JP&flid=6

ポートの向きが変わらない

アンビルコンサルティングのお客様は、長くプロテルとお付き合いいただいている方々が多いせいか、以前のプロテルと Altium Designer との機能の違いについて、よくお問い合わせをいただきます。

このため、旧「プロテル探検隊」では Protel 99 SE と Protel 2004 との違いを少しずつ紹介させていただいておりましたが、この「アルティウムの知恵袋」でもこれを続けて行きたいと思います。

最近よくいただく質問に、ポートの向きが変わらないというのがあります。これは、旧プロテル(~Protel 99 SE )には無かった自動機能にによってポートの向きがコントロールされているからです。
por_dir.JPG

例えばAltium Designer のデフォルトでは、Port の Style を設定しても、回路図上のポートの向きは全く変わりません。その代わり、I/O Type の設定を変えると勝手ににポートの向きがかわり、この状態で固定されます。

por_tdlg.jpg

この機能は、Protel 99 SE にはありませんでしたので、同じ調子で Altium Desiger を使いはじめるとここで躓いてしまうわけです。

[Tools] - Schematic Preferences の Gneral にこの自動機能の設定があります。このぺージの Options グループの Port Direction のチェックボタンを外すとI/O Type によるポートの向きのコントロールが解除され Style で向きを変更することができるようになります。

por_pre.JPG

すなわちこれで Protel 99 SE と同じ使い勝手になります。また、Port Direction ではなく Unconnected Left To Righit のチェックを外すと、ポートが接続されていない時のみ Style の設定が反映されるようになります。

折を見てこのような機能の違いを説明して行きたいと思いますが、すでに躓いておられる方は旧プロテル探検隊このカテゴリをのぞいて見てください。

ライブラリレポート

Altium Designer は多彩なドキュメンテーション機能を備えており、カスタマイズされた部品表や図面の PDF 出力など実用性の高いドキュメント簡単に生成することができます。

そこで今回はこの Altium Designer のレポート機能のひとつである、ライブラリレポート機能を試してみました。

ライブラリレポート出力は、回路図シンボルと PCB フットプリントのどちらも可能で、いずれも Altium Designer のライブラリエディタの Reports メニューから起動します。

librep.jpg

出力フォーマットは、Word と html の 2 種類がサポートされていますので、とりあえず html で弊社手持ちのライブラリを図面化してみました。この出力結果は以下をご覧ください。

Tech Lib - SCH (旧テクスパート版)
BASIC15.LIB JRC_BI15.LIB MFACT_15.LIB MOT_PW15.LIB NS_PAL15.LIB PHOTO_15.LIB TC74HC15.LIB

Tech Lib - PCB enhanced
BATT.LIB BRIDGE.LIB BUZZER.LIB CAP.LIB CN1.LIB CN2.LIB CN3.LIB CN4.LIB COIL&TH.LIB DCAP.LIB DINCON.LIB DIODE.LIB DIP.LIB DIPSW.LIB DISPLAY1.LIB DISPLAY2.LIB FCAP.LIB FCON.LIB IFCON.LIB JWP.LIB LED1.LIB MKRPKG1.LIB MKRPKG2.LIB OSC.LIB POT.LIB REG.LIB RELAY.LIB RESI.LIB SW.LIB SWREG.LIB TANCAP.LIB TR.LIB

Tech Lib - PCB basic
DISCREET.LIB HEADER.LIB MISC.LIB PGA.LIB SIP_DIP.LIB SMT.LIB

ポートの飛び先表示

回路図シート間を接続するポートの飛び先が表示されないので、回路図を追いにくいという指摘をいただくことがよくあります。

このポートの飛び先表示は、Protel 99 SE で最初に実現された機能であり、当然 Protel 2004 にも Altium Designer にもあります。ところがどういう訳かこの機能の存在に気付いておられない方が多いようです。

ポートの飛び先は [Report] - Port Cross Reference - Add To Project で起動することにより表示されます。このコマンドにより、ポート付近に接続先の回路図シート名と接続点の座標値が表示されます。

port_ref.jpg

このように飛び先が表示されます。最初はなぜか Add Tp Project コマンドがグレイアウトしていましたが、Simple BOM を起動した後、コマンドが有効になりました。もしコマンドがグレイアウトしていたらこの操作を試してください。

Altium のネットリスト出力

基板設計を Altium Designer 以外のツールで行う場合には、使用する PCB-CAD に合わせたフォーマットでネットリスト出力を行うことが必要になります。しかし、 Altium Designer の回路図エディタが標準的に備えている出力フォーマットの種類は限られており、そのままでは業界で使用されている多種の CAD とのデータの受け渡しは困難です。

ad6netfoem.JPG

このため、アルティウムからネットリストフォーマットを拡張するためのアドオンモジュールが提供されており、これをインストールすることにより大幅に種類を増やすことができます。
ダウンロード先 - Output Generators for Altium Designer 6

- 標準装備のネットリストフォーマット

・EDIF for PDB
・MultiWire
・Pcad for PCB
・Protel
・Verilog File
・VHDL File
・XSpice

- アドオンで拡張されるネットリストフォーマット

・Cadnetix
・Calay
・EEsof (Libra and Touchstone)
・Intergraph
・Mentor Boardstation 6
・OrCAD (DOS)
・Pads ASCII
・P-CAD (MasterDesigner)
・P-CAD NLT
・Protel 2
・Racal Redac
・RINF
・SciCards
・Tango
・Telesis
・Wirelist

しかしリストには国産CADの名前は見当たらず、アドオンによっても国産 CAD のフォーマットはサポートされていません。

一方、国内では図研に代表される国産 CAD が多く使われており、これらとのネットリストの受け渡しのためには外部ツールを使った変換が必要になります。

このような用途に使用できるツールはいくつかありますが、機能と実績面からライズコーポレーションNET-TOOL 及び NET-TOOL++ がお勧めできます。NET-TOOL 及び NET-TOOL++ 双方とも 53 種類のネットリストをサポートしており、実質的に市場に存在する全てのCADツールとの熱とリストの受け渡しが可能になります。

トライアル版が提供されていますので変換能力を試してみることもできます。

Altium Designer 6 の互換性

旧来よりアルティウム製品には、既存の設計資産を継承するための充実したファイル互換機能が備えられています。

Altium Designer 6 においても、プロテル旧製品や OrCAD、PADS、P-CAD などのデザインファイルを変換操作なしに読み込むことができます。また、これらの機能は操作性も含めて直前のバージョンである Protel 2004 とかわりなく、Protel 2004 から移行する場合やProtel 2004と併用する場合でも不便は生じません。

そして、さらに試してみたところ Altium Designer 6 は仕様に示されていない次のような互換性を備えていることが確認できました。

(1) デザインファイルの互換性
Altium Designer 6 のデザインファイルのフォーマットは、Protel 2004 から変更されておらず変換なしに相互に読み書きが自由にできます。たとえば、Protel 2004 で作成した PCB プロジェクトや 回路図 / PCB デザインファイルはそのまま Altium Designer 6 で読み込みが可能でありその逆も可能です。ただし、Protel 2004 でサポートされていないオブジェクトを Altium Designer 6 で使った場合には互換性を保つことはできません。たとえば、Altium Designer 6 で漢字(TrueType)を入力した場合には、Protel 2004 で読み込むとこの漢字は文字化けします。

(2) ライセンスの互換性
Altium Designer 6 のライセンスは Protel 2004 でも使用することができます。Altium Designer 6 のネットワークライセンスをインストールしたサーバに Protel 2004 をインストールしたクライアントを接続したところ、問題なくライセンスを取得しプログラムを使用することができました。ただしノードロック版では試していませんのでこちらについては不明です。

この 2 つの互換性によって、実質的には Protel 2004 と Altium Designer 6 を同一バージョンとして取り扱うことが可能になります。そしてこれにより新バージョンへの移行が非常に容易になり、複数の Protel 2004 を段階的にAltium Designer 6 に移行するという場合には特に好都合です。

このように Altium Designer 6 では Protel 2004 からの移行をスムーズに行えるような配慮が行われていますので、大口ユーザの方も安心して Altium Designer 6 へのアップグレードをご検討ください。

Embedded Board Array

Altium Designer の面付け機能 - Embedded Board Array による CAM への接近

実はこの機能、Protel 2004 のころから実現されていたのですが、最近お客様に指摘されてようやくこの存在に気付きました。これは大変有用なCAM機能なのですが、これまでのものは面付け後のレイアウトから部品座標値の出力をすることができず、いくらか片手落ちの面もありました。

しかし Altium Designer 6 では単面のレイアウトと同じように、部品の座標値データが出力できるようになり、面付けによる組基板の作成に必要な機能がすべてそろいました。

embarrayset.jpg
画像はAltium Designer overview ページのものを利用させていただいております。

ここまでの説明でピンと来ない人のためにこの用途の説明を続けます。

1. 単純な面付け
基板を製造する時に、小さな基板を 1 枚づつ加工すると能率が悪いので何枚かを寄せ集め、ワークサイズと呼ばれる大きな基板にして一度に加工します。この寄せ集めは面付けと呼ばれる作業で、これをーバーエディタを用いることなくAltium Designer の PCB 機能だけで用いて行うことができます。この用途では面付け後の部品座標データの出力は不必要なため、Protel 2004 の Embedded Board Array 機能でも十分であるといえます。

2. 組み基板のための面付け
ひとつのシステムを構成する、種類の異なる複数の基板を一枚の大きな基板に張り合わせ、一度に実装することにより実装工数を削減することができます。この手法は、大量生産を行う民生機器の分野で多用されます。この組基板では、面付け後の部品座標データを出力することができます。この機能によりAltium Designer 6 では、PCB 機能だけで組基板を作る事ができるようになりました。

この Embedded Board Array 機能は、単面のPCBレイアウトファイルへのリンクによって面付けを行うため、単面のPCBレイアウトを変更すると面付けされたレイアウトも自動的に更新されます。

この機能は、新機能としてさほど大きく取り上げられていないようですが、想像以上に大きな意味があるように思います。Altium Designer は、設計プロセス上流の設計者に高評価されているツールであることは事実ですが、基板加工/実装効率化のためのEmbedded Board Array 機能により、設計プロセス下流の設計技術者にも使い勝手の良いツールに生まれかわりました。

embarray.jpg

日本製のCAD にこだわる設計者の多くは、面付け機能をはじめとする CAM 機能の非力な海外製のCAD を敬遠しがちです。しかし Altium Designer 6 では Embedded Board Array 機能によってCAM 機能の非力さは取り払われつつあります。

海外の CAD は CAM がいまひとつという先入観を捨てて、一度この機能を試してみてください。

続ジャンクションの恐怖

過去の記事の続編です。

コメント投稿にて質問をいただきましたので、ジャンクションの恐怖の続編として回答いたします。

最近の Altium Designer の回路図エディタでは、配線のオプティマイズ機能によって、十字接続の部分のドットが消えて交差になってしまいます。下図をご覧ください左が意図した接続であり、右側が Altium Designer で最適化された結果です。

cross99abs.jpg

この現象は、新規作成時だけではなく古い回路図を読み込んだ場合でも起こります。このような意図しない最適化を避ける方法として最も確実な方法は、以下設定画面の Optimize Wire and Buses のチェックボタンをはずすして最適化の機能を解除することです。

sch_pref_g.JPG

また、このオプティマイズ機能を解除せずに十字接続を実現する方法もあります。上図の設定画面の Convert Cross-Junction にチェックを入れると、十字接続部分は交差ではなく2つのT字接続に変換されます。

cross99ads.jpg

そしてこの形状が許せない場合には、以下の設定により従来通りの形状を得ることができます。

conv_j.jpg

このダイアログボックスの Miter Size の初期値は5に設定されていますが、このサイズを小さく設定することにより、2箇所のT字接続の間の距離を縮めることができます。

試しに 0.1 に設定したところ完全に重なって見えました。この数値の単位はおそらく10milですので、0.1に設定すると、実寸は1mil(25.4ミクロン)になるはずです。ただし 0 (ゼロ)の入力はできませんでした。

また私が試した結果によると、この設定により既存のジャンクションが変換されるのではなく、新たに作成するジャンクションにこの設定が適応されました。要するに初期設定値として機能するようです。

ジャンクションの恐怖

Protel 99 SE と Protel 2004 の回路図エディタではジャンクションの取り扱いが異なります。

PCB ではネットリストの読み込みコマンドが無いことに戸惑います。そして一方のSchematic では自動ジャンクション発生を禁止できませんので、旧製品で描かれた回路図を読み込む場合や、超マニュアル指向で回路図を描く場合には支障が発生する場合があります。

Protel 99 SE と Protel 2004 にはつぎのように異なります。
(1) Protel 99 SE ではジャンクションを自動発生を禁止することができたが、Protel 2004ではできない。

(2) Protel 2004 は、自動的にWire の端点と端点とを連結して一本のWire に変換する。ただし、このモードがデフォルトに設定されているが解除することもできる。一方Protel 99 SE にはこのWireのマージ機能は無い。

新たに回路図を作成する場合には、Protel 2004 の作法を理解していれば何ら問題は生じません。しかしProtel 99 SE で作成された回路図を読み込む場合には、描き方によって回路図が描き変わってしまいますので、その振る舞いを理解して適切に対処することが必要です。

(1) Protel 99 SE のジャンクション自動発生モードで回路図を描き、仕上げ段階で自動発生を解除して不要なジャンクションをマニュアルで消去した場合。
このケースでは、既存回路図をそのまま使用することはできず、Protel 2004の作法に合わせて描きかえなくてはならない。

(2) Protel 99 SE のジャンクション自動発生モードで作成したWireの十字交差接続。
文章では説明しにくいので、図を参照してください。ワイヤの色分けは、それぞれが独立したワイヤセグメントであることを示しています。(通常は同じ色で描きます) デフォルトの設定の状態では、Protel 2004に読み込んだあと、回路図に触れた瞬間にジャンクションが消滅ししてしまいます。

cross99abs.jpg

Protel 99 SE で作成した回路図(左)を読み込むと、
ジャンクションが消滅する(右)

この問題を避ける方法は2つあります。いずれもデフォルト設定の変更です。

(1) [ Tools ] - Schematic Preferences... で表示される Schematic - General のOption グループの Optimize Wires & Buses のチェックをはずします。
この設定により、ジャンクションは消滅せず、元の回路がそのまま再現されます。しかしこの場合には、新しく設けられた、Wire のマージ機能が働きませんのでProtel 2004の有効性を生かすことができません。

(2) Wire のマージ機能を生かしたい場合には、上記(1) の解除は行わず、その4つ下にある、Convert Cross-Junctions の項目にチェックを入れます。このようにすると、ジャンクションが消滅しない範囲で Wire のマージが行われます。  

cross99acs.jpg

Protel 99 SE の回路図(左)を読み込むと、
一部のセグメントが連結されるがジャンクションは消えない(右)

ただし、この設定で十字交差接続を新たに作成すると、自動的に2つの三叉路に変換されます。(あまりカッコ良くないですね...)

cross99ads.jpg

左のように描くとかってに右のように変換される

このように2つの回避方法には一長一短がありますので、使い分けることが必要になるかも知れません。またアルティウム製品は、自動化に向かって進化していますので、将来の互換性を確保するためには、マニュアルジャンクションの使用はさけるほうがよいのかも知れません。

Pin Direction の表示

Protel や CircuitStudio などAltium Designer の回路図エディタでは、部品シンボルのピンの付け根の部分に信号の流れを示す三角形が表示されます。

ピンの機能が厳密に定義されていない場合や、機能をユーザ指定可能なピンではこのピンディレクションを表示させたくない場合があります。また、密度の高い回路図では回路が煩雑になり見にくくなる場合があります。

このような場合、[ Tools ] - Schematic Preferences - Schematic-General ページのPin Direction チェックボタンをはずすことにより、非表示にすることができます。一方このピンディレクションの表示は誤りのない回路図の作成や、誤りを見つけて修正する場合に役立ちますので、安易に非表示にすることは避けるべきです。 pindir.gif

 もし、ピンタイプが正しく設定されていない場合、ピンディレクションを非表示にするのではなくピンタイプを正しく再設定することが、回路図を正確に作成するためには重要です。

幸いにも、Altium Designer の回路図エディタには、回路図上で部品シンボルのピン属性を編集する機能が含まれています。ピン属性が一覧表示されますので、これを使用すると効率よくピンディレクションの変更を行うことができます。もし相違があればここで修正して、ピンディレクションを画面上で常時確認できるように表示させておくほうが良いでしょう。

pinedit.jpg

ここでは、ライブラリエディタで定義された全てのピン属性を変更できます。また、Component Properties ダイアログボックスの Lock Pins 設定項目にチェックを入れるを、ピンの位置を移動させることができます。この2つを併用するとライブラリエディタに戻ることなしに、作成中の回路図にあわせて部品シンボルを大きく修正することができます。

一方、ライブラリ管理や標準化の観点からみると、ローカルに部品を修正することは問題があることは事実です。この点も考慮し、ローカルに部品を修正する場合には、異なった部品が同じ名前で多数存在するという状況が発生しないように、一定のルールを設けることが必要になります。

Select / Focus / Highlight

Protel 99 SE では、処理対象のオブジェクトを特定する方法として、フォーカスとセレクトの2種類がありました。この2つは、それぞれ使用できるコマンドが異なっており、例えば Copy and Paste ではセレクト、Delete キーによる消去ではフォーカスというように使い分けることが必要でした。しかし、Protel /Altium Designer では、この 2 種類がひとつにまとめられて、セレクトだけになっています。

煩雑さの解消だけでなくWindows スタンダードとの整合性のうえでも、セレクトに統一されることはごく当然のことであり、これは Altium Designer が正常に進化したことのあかしであるといえます。

しかし一方、PCBエディタではこれにより、多少不便な面も発生しています。以前のProtel 99 SE では、マウスで配線をクリックしたとき、即座にトラックがフォーカスされネット全体がハイライトしました。しかし、Altium Designer ではこのフォーカスがセレクトに置き換えられ、一部のセグメントにハンドルが発生するだけで、ネット全体はハイライトしなくなりました。このため、即座に配線経路全体を確認することができず少々不便です。

Protel 99 SE のフォーカスによるネットのハイライト

99focus.gif

そこでこれを補うため、Altium Designer には新たに、ネットのハイライト機能が設けられています。

ネットをハイライトさせるには、[ ctrl ] キーを押しながらマウスで配線をクリックします。そうすると、この配線(同一ネットの部分)以外の部分がマスクされ、結果的にネット全体のハイライトと同じ効果を得ることができます。

Altium Designer のハイライト機能

2004hl.gif

Altium Designer では、Protel 99 SE の有用な機能が、別の機能に置き換えられている部分が多々あります。このネットのハイライト機能もそのようなもののひとつであり、見逃さないように注意することが必要です。

賢くなったワイヤー

 今までの Protel の回路図エディタでは、配線のためのワイヤ(Wire)は少々見劣りするものでした。それもそのはず Advanced Schematic 1.0 以降、約10年の間ワイヤにはほとんど進化の形跡は見当たりません。しかしここにきてようやく進化し、だいぶ賢くなりました。

新しい Protel や CircuitStudio(Altium Designer)の回路図エディタでは、ワイヤの最適化が行われ、複数のセグメントによって繋ぎ合わされたワイヤが1本のワイヤに変換されます。

例えば、以前の Protel 回路図エディタでは、複数のセグメントで繋ぎ合わされたワイヤは、個々のセグメントがそのままの状態で回路上に残ります。ワイヤ全体を選択するとハンドルがいくつも表示されますので、これを見るとバラバラの状態であることがわかります。また、ワイヤが重なった部分ではそのセグメントの始点と終点の部分に意図しないジャンクションが発生します。

oldwire.jpg

一方、新しい Altium Designer の回路図エディタではワイヤの最適化が行われ、複数のセグメントは一本のワイヤに変換されます。また重なったワイヤも1本に変換されるため、不要なジャンクションは発生しません。

newwire.jpg

このように、ワイヤはずいぶんスマートに変身しましたが、便利な面ばかりではありません。例えばワイヤの一部を修正したい場合には、以前なら複数セグメントのうちのひとつを消去してその部分に新しいワイヤを書き加えるという修正方法が可能でした。しかし新しいツールでは1本のワイヤに変換されていますので一部を消去しようとしても、ワイヤの始点から終点まですべて消えてしまします。

そこで登場したのが、ワイヤの切断機能です。[ Edit ] - Brake Wire コマンドにより、配線の途中で部分的に切断することができます。これを使って修正箇所を切断することにより、部分的な修正が容易に行えます。

brakewire.jpg

この配線の最適化機能を解除して、従来と同じように複数のセグメントに分割されたワイヤを配置することもできます。しかし、この Brake Wire を使えば以前よりも自由の高い修正作業が可能になりますので、わざわざこの古い設定に戻す必要はないでしょう。

日本語環境設定

Altium 2004ファミリーでは、SP2のリリースにより画面を日本語表示することが可能になりました。

このため、Protel 2004やCircuitStudio 2004のトライアル/製品ユーザの皆様から、日本語環境の設定方法に関する質問をよくいただくようになりました。そこでその手順をここでおさらいしておきたいと思います。

画面の日本語表示は次の手順で行います。

日本語環境への切り替えは、[File]メニューの左にある[DXP]メニューの中の[Preferences]コマンドを選び、表示されたPreferences DXP System General設定画面(画像の確認)のLocalizationグループの Use localized resorcesにチェックを入れることによって行います。

設定後 Protel/CircuitStudio のリスタートが必要です。これが完了すると画面が日本語(画像の確認)に切りかわります。

また、設定画面にはSystem Fontの設定項目があり、これを設定することにより画面表示に使用するフォントを選ぶことができます。しかしこの設定により表示が文字化けする場という問題が報告されていますので注意が必要です。これついて、アルティウムジャパンのサポートから次のようにコメントされています。

アルティウムジャパンのコメント

日本語メニューを選択した場合は、System Fontはデフォルトのままでないと、部分的に文字化けを起こすことがあります。たとえ「MSゴシック、日本語」を選んだ場合でもスプレッドシート形式の箇所は文字化けします。従ってSystem Fontのチェックボックスは常にデフォルトのオフのままにしてください。

アルティウムジャパンのコメント終わり

このような手順で画面の日本語表示が可能ですが、Protel/CircuitStudio の回路図上で日本語を使用する場合には、さらに次の設定が必要です。

(1) フォント属性を持ったテキストオブジェクト
テキストをダブルクリックすることにより個々に設定することができますが、使用するフォントのデフォルトを日本語ファントに設定することにより、個々の設定が不要になります。

この手順は、まず[Tools] -[Schematic Preferences]を選びます。そして表示されるPreferences - Schematic Dfault Premitives設定画面(画像の確認)で、テキストオブジェクトの種類と使用するフォントを設定します。画面は、回路図シンボルのDesignatorの設定例です。

(2) フォント属性を持たないテキストオブジェクト
回路図シンボルの端子名やネット名はなどのフォント属性を持っていないテキストオブジェクトのフォント設定は、以下のように行います。まず[Design] - [Document Options] を選びます。そして表示されるDocument Optionsダイアログボックス上のChange Syustem Font ボタンを押して変更を行います。(画像の確認

また、タイトルブロックで使用するフォントは、(2)の設定画面(画像の確認)のParameterページ(タブで切り替え)で日本語に変更することができます。

以上が回路図エディタ上の日本語環境およびフォント設定の方法です。この設定によりProtel 2004のPCBエディタの画面も日本語に切り替わりますが、PCBレイアウト上には日本語を使用することはできません。PCBに日本語の挿入が必要な場合には、新型FontManをご利用ください。

追記 - 2006年4月24日

現在の Altium Designer 6 では、PCB 上に TrueType を使った日本語入力が可能になっています。また、現在のバージョン Altium Designer 6 では、Nexar-Protel、Protel、Nexar-Protel、CircuitStudio、CAMtastic の名称は使用されていません。

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