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Protel P-CAD OrCAD PADS 懐古録 Archive

アルティウムの価格と商品構成

アルティウムでは 3月 7日に、「どんなに古いバージョンからでも Altium Designer 拡張セットに、わずか 180,000 円でアップグレードできる」というキャンペーンを開始し、その後の 4月 20日には、基本セットと拡張セットの新規購入価格をほぼ 5分の1 に値下げしました。

このことは、お客様にとってはもちろんのこと、代理店にとっても天地がひっくりかえるほどの衝撃的な出来事でした。最初は真偽を疑いましたが、まぎれも無く本当の話でした。もちろんこれは、アルティウムにとっても重大な決断の結果であり、もう後戻りすることはできません。

ことの経緯はさておき、結果的にはお求め易い価格でアルティウム製品をお届けできるようになったわけですから、これは歓迎すべきことです。 そして皆様に対して、今まで以上に積極的にアルティウム製品をお奨めすることが、私どもの使命であると考えています。

また4月 20日の値下げでは、年間保守の価格等も変更されています。アップグレードキャンペーンを含め、価格の全体像がつかみにくくなっていますので、ここで一度整理をしてみたいと思います。そして、過去のアルティウム製品の価格と製品構成を振り返り、その変遷を追ってみたいと思います。

アップグレードキャンペーン  - 3月 7日 から 6月 30日まで

・ Protel P-CAD を含めどんなに古いアルティウム製品からでも Altium Designer
  Winter 09 (最新版)拡張セットに 180,000 円でアップグレード可能
・ 旧価格でご購入いただいた最新版のWinter 09 基本セットからでも 180,000円
  で Winter 09 拡張セットにアップグレード可能 
・ スタンドアロンとフローティング版の価格に違いはなく両方とも 180,000円
・ 1年間の保守が付属
・ 弊社からご購入いただいた場合には、オプション商品を無償提供

それまで、約 200 万円(新規購入価格)もしていた商品にわずか 180,000 円でアップグレードできるということですので、たいへん大きな反響がありました。 詳細は キャンペーン案内板 をご覧ください。

4月 20日に実施された価格改定 - 約 5分の1の価格に値下げ

・ 基本セット 717,000 円(スタンドアロン)および 859.800 円(フローティング)
  の両方とも、同価格の 995 ドルに値下げ
・ 拡張セット 1,995,000 円(スタンドアロン)および 2,346,000 円(フローティング)
  の両方とも、同価格の 3995 ドルに値下げ
・ 年間保守料金を、基本セット 375 ドル、拡張セット1,500ドルにそれぞれ値下げ
・ 定価は世界統一価格として US ドルで設定され、アルティウムでは各国通貨
  での定価設定は行わない。各国での販売価格は各代理店が独自に設定する
・ 基本セットの名称を Custom Board Front-End Design に変更
・ 拡張セットの名称を Custom Board Implementation に変更

※ アルティウムでは円貨での定価設定を行いませんので、実質的にはオープンプライスになります。弊社ではそのつど直近の為替レートに基いて円貨に換算し、お見積りさせていただきます。

この価格改定については、アルティウムから以下のようにアナウンスされています。
04/20/2009: What makes you so special?
04/27/2009: Altium provides lifeline for OrCAD® Capture users

アルティウム製品の価格の変遷

今回、とんでもない値下げが行われたことは事実ですが、過去の販売価格を振り返ってみるとこの値下げによる新価格は、アルティウム(旧プロテル)が Windows CAD ツールをリリースした当時の価格とほぼ一致しています。このことは以下のチャートをご覧いただくと一目瞭然です。  

paprice.gif

注: SCH価格の部分には PCB 以外のツールが統合された製品の価格が含まれています。またラインナップの全てをカバーしておらず、精密なものではありません。なお、旧製品の価格はスタンドアロン版の価格が示されています。

アルティウム(旧プロテル)は 「高性能な CAD ツールを誰もが手にすることができるお求め易い価格でお届けする」という方針で CAD ビジネスに参入しました。そして 1990年代前半にリリースされた Protel for WINDOWS(Advanced Schematic/PCB)はまさにこの方針を具体化した製品として、多くのエンジニアに受け入れられました。

しかし、Protel DXP/2004 以降は多機能化に合わせて急激な値上げが行われました。その結果、ついに PCB ツールの価格は 200万円にもなり、明らかに「誰もが手にすることができる価格」 では無くなってしまいました。そしてここに来て、100年に 1度といわれる大不況の影響を受け、ついに「初心に戻ることがアルティウムとそのユーザへの利益につながる」という判断が、なされたのではないかと思います。

商品ラインナップに関する課題 

Protel DXP 以降は商品のラインナップにおいても、顧客要望との間にミスマッチが生じました。以下は Protel 99 SE から Protel DXP への移行期に作成した価格表です。ここには Protel 99 SE と Protel DXP の両方のラインナップが示されており、新旧 2 製品の違いがわかります。

p99dxp.gif

上記価格表の左側が新規販売品目です。この上 2 つが当時の新製品である DXP 世代の製品です。そしてその下が、旧製品の Protel 99 SE 世代の製品です。これを見ると、DXP では回路図エディタや PCB などの個別製品が無くなり、2 種類の統合ツールに集約されたことがわかります。 

そしてこの Protel DXP で始まった統合ツールへの集約は、現在の Custom Board Front-End Design (基本セット)と Custom Board Implementation (拡張セット)まで引き継がれています。

 一方でこの統合ツールへの集約は、ユーザの選択肢を大きく制限するものとなりました。この集約の結果、単体の回路図エディタを買いたくても該当する製品は無く、余分なツールが含まれた統合ツールを選ばなくてはならなくなりました。このことはユーザにとって、たいへん不利益なことであると言えます。

しかし今回の大幅な値下げにより、基本セットは 20年近くも前の回路図エディタの価格よりも安くなりました。そして拡張セットも同様に当時の PCB ツールと同等の価格になり、この問題は一挙に解決しました。

これからは、回路図エディタだけが必要な場合にも Custom Board Front-End Design (基本セット)をお選びいただき、多機能な回路図エディタとしてお使いいただくことができます。また Custom Board Implementation (拡張セット)でも 40 万円近辺の価格ですので、もし予算に余裕がある場合にはこちらをお選びいただき、PCB 機能付きの多機能な回路図エディタとしてお使いください。

もし、アルティウム旧製品について知りたい場合には、Altium Designer と歴代のアルティウム製品 および PC-CAD今昔物語 をご覧ください。

P-CAD と Protel のサポート

アルティウムは急速な成長を続けていますが、その過程で今までの競争相手を買収したりまた、商品ブランドの変更などを行なってきました。その代表的な例として、P-CAD の開発/販売元である ACCEL Technologies の買収と、Protel から Altium Designer へのブランドの変更があげられます。

この買収とブランド変更の結果、P-CAD と Protel は過去のもとなり、現在では Altium Designer に一本化されています。そして P-CAD(P-CAD 2006 を除く)と Protel ブランドの製品は旧製品として、サポートの打ち切りがアナウンスされています。

このことは、世代交代の流れに沿うものではありますが、今でも P-CAD や Protel をお使いのユーザ様の中には、日々の運用に不便を感じたり、将来性に不安を抱いてておられる方も多いと思います。

しかしアルティウムからは今でも、レガシー製品として、旧P-CAD と Protel 製品のドキュメントやアップデートパッチの提供が継続されており、これらの旧製品のサポートが完全に打ち切られている訳ではありません。

Dounloads for previous versions of P-CAD
Protel Ver.3 サポートドキュメント
Protel 98 サポートドキュメント
Protel 99 SE サポートドキュメント
Protel DXP サポートドキュメント
Protel 2004 サポートドキュメント

これらの旧製品の能力は最新の Altium Designer と比べると劣る事は事実です。しかし用途によっては、まだまだ現役で充分お使いいただける能力を備えていますので、今後も有効に活用していただきたいと思います。

また、これらの製品にはレガシーアップグレード価格が設定されており、旧P-CAD と Protel ユーザは、新規購入価格よりもかなり安い価格で Altium Designer をご購入いただくことができます。

特に P-CAD ユーザに対しては 「Altium Designer が P-CAD の後継製品」である事が充分に周知されていないようですので「P-CAD ユーザも Altium Designer をアップグレード価格で購入できる」ことをここで再度お伝えしておきます。2009年 6月30日まで、Altium Designer 拡張セット(フルセット)に 180,000 円でアップグレード できます。

以上、P-CAD や Protel をこれからも有効にご活用いただき、能力に不足が生じた場合には、アップグレード価格での Altium Designer への移行をご検討下さい。

なお、旧 P-CAD や 旧 Protel については以下にも関連情報があります。

アルティウムと歴代のプロテル製品
P-CAD の記憶 Tango の記憶
OrCAD PADS Protel P-CAD 他 PC-CAD今昔物語

アンビルコンサルティングのルーツ

私どもが CAD の販売を始めてから、もうかれこれ 20 年近くになります。今では、アルティウム(旧フプロテル)専門店を営んでおりますが、ここに至るまでには幾多の変遷がありました。

プロテルの販売を開始してから数えても、もう 15年以上経過しています。この間いろいろなことにチャレンジしてきましたが、今ふり返るとプロテルを開始してからよりも、それ以前の数年間の方が多彩で、変化に富んでいたように思います。

まず写真をご覧下さい。

cad_all.gif

これは1990 年代はじめの頃の写真です。そしてここに写っているのが、私どもがプロテルを始める前の主力商品です。これを見て、ピンと来る人はかなりのベテランです。おそらく大方の人にとっては、見たことも無いものばかりだと思います。

ここには、CAD システムを構成するハードウェアとソフトウェアが並んでいます。

前列には5.25 インチのフロッピーディスクが見えます。このころの外部記憶媒体としては、まだ 5.25 インチのフロッピーディスクが主流でした。フロッピーディスクはこの後、DOS から Windows への移行に合わせて、一気に 5.25 インチから 3.5 インチに切り替わったように記憶しています。後にプロテルの輸入を始めたころには、すでにメディアは 3.5 インチに切り替わっており、Advanced Scematic や PCB では、最初または初期の段階から 3.5 インチのメディアが使われたように記憶しています。

また、各製品のフロッピーディスクの前には 4 角いコネクタのようなものが置かれています。これはドングルと呼ばれるプロテクトデバイスであり、これをパラレルポートに差し込まないと、プログラムが起動しませんでした。

ここに写っている商品は、後列左から、

(1) Qualstar の MT 装置。 http://www.qualstar.com/ これは、Gerber データを MT でやり取りするときに必要でした。1250 BPI と 6500 BPI の 2種類がありました。

(2) テクスパート製 T486 パーソナルコンピュータ。当時英語版 DOS ソフトウェアのプラットフォームとして安心して使用できる PC が入手しにくい状況でした。このため使用パーツを厳選して組み立てたオリジナル PC をCAD 用として提供していました。この PC ケースには当時はまだ無名であった Antec 社の製品を選びました。

(3) モニター。 写真に写っているのは三洋電機製のものですが、機種の選定はお客さまにお任せしておりました。 

続いて前列左から、

(1) Qualster MT 装置のドライバー/ユーティリティ(MT 装置の添付物) (2) PADS PCB (16 ビット ソフトウェア。メーカは PADS → Mentor ) (3) MaxRoute オートルータ (メーカは Masstek → OrCAD → CADENCE ) (4) PC Gerber / ECAM (メーカは CSI → ACT → PADS → Mentor )

PADS の記憶   PADS の記憶 - ユーザー編 Massteck の記憶

これらのソフトウェアは今でこそメジャーな存在になっていますが、当時はまだ無名であり、まだこれらのソフトウェアを輸入販売しているところは他にありませんでした。ただし PADS は例外であり、すでの 5 社の代理店があり混戦状態でした。

私たちは、これらの全ての CAD ソフトウェアに対して、英文マニュアルの全文が翻訳された日本語マニュアルを添付しました。当時の私どもは、日本語マニュアルの無い製品を販売するなどということは許されないことだと思い込んでいましたので、労をいとわずマニュアルの翻訳に注力しました。

しかし当時の外国製 CAD ソフトウェアでは日本語マニュアルが皆無に近い状態でしたので、翻訳の依頼や、マニュアルだけを購入したいという引き合いが数多くありました。これを受け、PADS Software 社からの依頼で、その後の PADS2000 マニュアルの翻訳も行いました。 またECAM の日本語マニュアルについては当時の大手 CADメーカ様にもご利用いただきました。

最前列に写っているのは、Omnikey Ultra と Logitech マウスです。当時のキーボードやマウスは、いかにも「コストダウンしました!」と言わんばかりのものが多く、このようなチープなものを避けると選択肢はそれほど多くありませんでした。Omnikey Ultra はAlps 製メカニカルキースイッチを使っていたのでキータッチが良く、また DIP スイッチでキー配列が変更できるなど多機能でした。また机の上で安定させるために金属のおもりが入れられているなど、他に類を見ない贅沢な仕様の製品でした。

ざっと振り返ってみましたが、この頃の PC-CAD 業界は、今よりももっと活気があったように思います。この後 Windows の時代が到来し、PC-CAD が本格的に普及しますが、CAD ベンダーの数やツールのバリエーションはむしろ、MS-DOS 全盛のこの頃の方が豊富でした。

そして、私どもにとって、このような活気あふれた時期にCAD ビジネスに参入できたことは、大変幸運なことでした。

興味のあるかたはこちらもどうぞ。 OrCAD PADS Protel P-CAD 他 PC-CAD今昔物語

PADS は Mentor Graphics Corporation の登録商標です。 

Google 2001 でタイムスリップ

先週 Google が 2001年 1 月当時の Web を検索できるサイトを公開 したというニュースがありました。

Google の真意は不明ですが、歴史好きの私どもとしては試さずにはいられません。

そこでさっそく、「protel」と 「プロテル」のキーワードで検索してみました。
その結果は現在とは全く異なり 7 年半の歳月の長さを如実に感じさせるものでした。

" protel " での検索結果

protel2001ge.gif

 " プロテル " での検索結果

protel2001.gif 

まずこの結果から、検索された総ページ数を比べると、" protel " では 2001 年の36,400 件に対して、現在は 2,550,000 件に増えており、" プロテル " では 2001 年の 149 件に対して、現在は 3,420 件に増えています。この両者の間には20~70倍の違いがありますが、ネット上に公開されているページが増えただけでなく、Google の検索能力向上が大きく影響しているものと考えられます。

また、「protel」での検索結果の 1ページ目は、全てが英語ページであり、日本のユーザにとってこれは、少々不便なものであったと言えます。

そして、「protel」だけでなく「プロテル」の検索結果にも、アンビルコンサルティングのページはありません。それもそのはず、このころ私どもはまだ当時のプロテルジャパンに勤務しており、アンビルコンサルティングはまだ影も形もありませんでした。

次に、次索結果の最上位に表示される、プロテル(現アルティウム)のトップページを開いてみました。現在のアルティウムのページと比較するとずいぶんシンプルにまとめられています。

英語ページ
protel2001e.jpg 

日本語ページprotel2001j.jpg

 

余談になりますが、当時は Protel 99 SE がリリースされた 1年くらいあとであり、Protel 9 SE の全盛期といえる時期でした。また、ACCEL (P-CAD)とTasking 社を買収した直後で、組織の再編が行なわれていました。 この再編はその後も止む事はなく、その結果アルティウムジャパンの組織は、当時とは比べようが無いほど様変わりしています。

このように今回は、Google  2001 により過去を振りかえる機会を得ました。そして、実際に過去に接し、この間の Web 環境の進化を目の当たりにしました。

そして今、この進化が弊社のビジネスの原動力になっている事を再認識しています。

アルティウムの新旧カタログに想う

 アンビル コンサルティングでは、旧プロテルユーザ様とのお付き合いが多く、お問い合わせいただいた際には旧製品のカタログを引っぱり出すことが良くあります。そしてそのたびに、進化した現在の姿との間に隔世の感を覚え、また当時を思い起こし感慨にふけることも少なくありません。

そこで今回は、10年前の Protel 98 のカタログをご覧いただき、皆様にもちょっとだけこの想いを共有していただきたいと思います。

cat_ad6_p98.jpg

この左側のカタログは、旧テクスパートでデザインした Protel v3 のカタログ(EDA Digest '97)を Protel 98 用に手直しして  EDA Select '99 という 名前で発行したものです。大量(EDA Digest '97とあわせると 15,000冊くらい)に印刷するとともに PDF 版も用意しました。しかし当時の低速なネット環境ではダウンロードに時間がかかるPDF 版は、あまりご利用いただけなかったように記憶しています。

ページ数は合計 72 ページあり、これは右側に示した Altium Designer のカタログと同じです。しかし新旧のカタログを並べてみると両者には歴然とした違いがあります。

まず、Altium Designer のカタログが全ページフルカラーで印刷されているのに対して、Protel 98 のカタログはモノクロで印刷されており、表紙だけに黄色が一色追加されています。(PDF 版のスクリーンショットはフルカラー)  また挿絵には気の利いたイラストは無く、その代わりにスクリーンショットを大量に用いています。

この Protel 98 のモノトーンを基調にした配色は、主に印刷コストを削減するための妥協案でしたが、エンジニアに好まれる「エンジニアリングカラー」として、望ましい配色であるという判断もありました。

このように Protel 98 のカタログと Altium Designer のカタログとを比べると、見栄は明らかに劣ります。しかし機能説明などの内容は質と量の両面において充実しており、製品を訴求する力では大きく劣るものではないように思います。

この両者の違いを端的に表すと、「右脳に訴えかける、現 Altium Designer のカタログ」に対して「左脳に訴えかける Protel 98 のカタログ」ということになると思います。

美しいグラフィックスで構成された Altium Designer のカタログは「イメージをそのまま受け取り、直感で情報を取り込む右脳」に効率よく作用し、スクリーンショットと文章による解説が中心の Protel 98 のカタログは「思考、計算、記憶を司る左脳」に効率的に作用していると言えます。

そしてこの視点で 2 つのカタログをみると、それぞれに右脳と左脳への偏りが見られます。このため、今後はカタログの効果を最大化するために、このバランスへの配慮を行なうことが必要なのではないかと思います。

また、最近デザインされた Summer 08 世代のホームページや印刷物を見ると、 Altium Designer 6 世代のものから見栄えが大きく変わってきており、なんとなく Protel 98 のカタログに似てきています。 

Summary.JPG

例えばこのチャートの配色を見ると、 Protel 98 と同様にモノトーンを基調としており、また使用しているフォントも Protel 98 とほぼ同じです。この共通点が両者が似かよって見える原因のようです。

アルティウム社のデザイナーも、モノトーンを基調とした配色を「エンジニアリングカラー」として好ましいものと考え、使用し始めたのでしょうか?もしそうだとすれば、10年以上も前にこれを用いた私のセンスも、捨てたものではないと思ったりもしています。

また、デザインはさておきその内容を見ると、Protel 98 のカタログではサードパーティの商品の紹介に多くのページを割いています。統合ツールの優位性を強調しつつも、サードパーティツールとの併用を提案するという構成になっています。そして、最後のページではサードパーティから提供されているツールとライブラリを寄せ集めた Option Suite 98 が紹介されています。

suite98.jpg

この商品は、国内の要望に合わせて Protel 98 の機能を補うために企画されたもので大変よく売れました。しかし Altium Desiger では機能の改良が進み、いまではこの Option Suite 98 に含まれている多くのツールが不要になっています。

例えば、PCB に日本語を入力する FontMan は、Protel 2004 での TrueType による日本語入力機能の実現により、無用の長物と化してしまいました。もちろんこれは、アルティウムの進化を示すものに他なりません。

また、このProtel 99 のカタログでは、当時のホームページが紹介されています。

p98web.jpg

当時、Protel 98 には操作の手引書として使用できる書籍が出版されており、これがトップページの冒頭で紹介されています。またサイトの構成を見ると、当時のホームページが機能紹介よりもむしろ、サポート情報を中心に構成されていたことがわかります。

新旧のカタログを見比べてみると、ここ10年の間の変遷が浮かび上がってきます。私ども売り手側としては、この中から好ましい変化とそうでない変化を見分け、誤りのない道を選ばなければならないことを改めて痛感しています。

PC-CADの進化

1981 年のIBM-PCの出現により、ビジネス用途としてのパーソナルコンピューティング環境が誕生して以来、すでに四半世紀を経過しています。

この間の PC プラットフォームの進化はめざましく、PC-CAD もこれに歩調を合わせ劇的に進化しました。そしてこの間 CAD ベンダーによる覇権争いが繰り広げられ、栄枯盛衰の習しを世に伝えるかのごとく多くのブランドが生まれ、また姿を消しました。

DOS 版回路図エディタの草分け DASH(FutureNet)は消滅して久しく、同時期に出現した DOS 版 PCB-CAD の老舗 P-CAD も幾多の変遷の末、今はもう消滅しています。

今あらためてまわりを見渡してみても、1980年代に出現したブランドの中で今もなお生き残っているのは OrCAD と PADS くらいしか見当たりません。それとて大手ハイエンドCADベンダーである CADENCE と Mentor に買収されており決して無傷というわけではありません。また、Windows の追い風を受けて快進撃を遂げた Protel も、今は Altium(アルティウム) に名を変えています。

結局のところは、弱肉強食により弱いところは淘汰され、強いところはより強くなったということが言えます。そしてその結果、開発のリソースの集約が可能になり、このことがさらにCAD の進化を加速させました。

このような状況を背景に、現在の PC-CAD はどれも非常に高性能なものに進化しています。このこと自体は大変ありがたいことなのですが、使いこなしが難しくなったことに加え価格が上昇するなど、かつての PC-CADの手軽さが失われてきたのも事実です。

結果として過去四半世紀の年月は、簡単明瞭で手軽な PC-CAD を重厚長大・複雑怪奇なものに変化させてしまいました。私共は日々ユーザの皆様にAltium Designer の能力のすばらしさ訴え続けていますが、その一方で手軽さを失った今の PC-CAD への懸念を拭い切れないでいる、というのが正直なところではあります。

OrCAD は Cadence Design Systems, Inc. の登録商標です。PADS は Mentor Graphics Corporation の登録商標です。

Protel P-CAD OrCAD PADS 懐古録

リニューアルされた「アルティウムの情報箱」のカテゴリ「Protel P-CAD OrCAD PADS 懐古録
Windows PC-CAD が出現した頃から Altium Designer がリリースされる前まで、私どもとかかわりのあったブランド/製品に関しての記憶を書き記します。

なお、旧「アルティウムの知恵袋」の「Protel P-CAD OrCAD PADS 他 PC-CAD今昔物語」に保存されている過去ののコンテンツは移管されていませんので、過去の記事をご覧になりたい場合には、旧「Protel P-CAD OrCAD PADS 他 PC-CAD今昔物語」のカテゴリをご利用下さい。

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