2005年04月19日

Gerber(ガーバ)フォーマット

PCB設計は回路設計とは異なり、実装設計ですので設計結果から直接製造データを出力します。いわゆるCAM出力と呼ばれる工程があり、設計が終わったあとアートワークフィルムを作成するためのガーバデータと、穴あけのためのNCデータの出力を行います。

この、PCBのフィルム作成工程は印刷物の場合と良く似ていますが、データの受け渡しに使用されるガーバデータはPCB独自のものです。また、ガーバフォーマットにはある程度の自由度が許されていますので、設定によっては正しいアートワークイメージが再現出来ない場合があります。このため製造側との正しいデータの受け渡しのためには、多少の予備知識が必要になります。

そこで、このガーバについて簡単にご紹介しておきたいと思います。これも前回に続き、DesignWave誌に寄稿したものの再利用です。

以下DesignWave誌 2005年 4月号からの抜粋です。

◇ 標準Gerberと拡張Gerber ◇

Gerberは、PCBのアートワークフィルムの作画に用いられるグラフィック・フォーマットです。もともとはフィルム作画機(フォトプロッタ)のメーカであるGerber社で開発され社内規格として使用されていたものです。これがデファクト・スタンダードとして広く普及したため、1979年にEIA (米国電子工業会)でRS-274Dとして規格化されました。現在、量産用のPCBフィルム作成には必ずと言ってよいほど、このGerberフォーマット(拡張されたものも含む)が用いられています。

このRS274-D Gerberフォーマットは、アートワークを「点」と「線」の組み合わせだけで表現します。RS274-D Gerberデータには作画するすべての「点」と「線」の座標が示されています。しかしこの「点」と「線」のサイズは含まれておらず、そのかわりにDコードと呼ばれる作画ツールの番号が示されています。このため実際に作画する場合には、このDコードに作画ツールの形状とサイズを与える必要があります。
初期のフォトプロッタでは、アパーチャと呼ばれるシャッターで光束を制御して、作画の形状とサイズを決定していました。このため作画ツールをアパーチャと呼び、そのサイズを示すリストをアパーチャ・テーブルと呼んでいます。このしくみはペンプロッタに置き換えて考えるとわかりやすいと思います。アパーチャはプロッタのペンに相当し、そのペン先の形状と太さがアパーチャ・テーブルに示されます。

RS274-Dで作画する場合にはGerberデータだけでなく、必ずこのアパーチャ・テーブルが必要になります。また、RS-274D Gerberには面を表現する手段がありません。このため、ベタ・パターンのように広く塗りつぶす部分には、多くの「線」を並べなくてはなりません。このため、パターンが単純でも塗りつぶしがあるとデータ量が膨大になることがあります。

このように、RS-274D Gerberにはいくつか不便な部分があるため、その改良版として、Gerber RS-274Xフォーマットが開発されました。これには、アパーチャ・サイズの記述が含まれていますので、別個にアパーチャ・テーブルを用意する必要はありません。また、「点」と「線」だけではなく「面」の記述が可能ですので、データ量が少なくてすみます。このRS-274XはEIA規格ではなくGerber社(Barco Gerber Systems Corporation)の社内規格です。しかしデータの受け渡しが簡単になることから、現在ではRS-274DよりもRS-274Xのほうが多く使われているようです。

RS-274XはRS-274Dの上位互換ですので両方ともGerberフォーマットです。しかしファイルをやり取りする時には混同を避けるために、RS-274Dを標準Gerber、RS-274Xを拡張Gerberと区別して呼んでいます。Gerberファイルを受け取ったときにはまず、Gerberの種類を見分ける必要があります。別個にアパーチャ・ファイルが用意されていなければ、それは拡張Gerberのはずです。しかし手違いもありえますので、一度ファイルの中身を覗いてみるとよいでしょう。通常はASCIIファイルですので、テキストエディタで読むことができます。

拡張Gerberの場合には、先頭付近に「%」で区切られたパラメータが何行か並んでいるはずです。これは、拡張Gerber独自のものですので標準Gerberにはありません。もしこれがなければ、標準Gerberですので、アパーチャ・ファイルを請求することが必要です。

拡張Gerberでデータをやり取りする場合はここまでの知識で十分です。標準Gerberを使う場合にはもう少し詳しく知る必要があります。またトラブルの解決にはさらに多くの知識が必要になります。次のページでフォーマットが詳細に解説されていますので、一度ご覧になることをお奨めします。

http://www.nagano-it.go.jp/jyouhou/technology/gbf_s.pdf
長野県情報技術試験場 - 技術の広場 ガーバーフォーマット [解説]
http://www.nagano-it.go.jp/jyouhou/technology/ext_gerber.pdf
長野県情報技術試験場 ? 拡張ガーバーフォーマットの解説
http://ohm.bu.edu/~hazen/my_d0/std/rs274xc.pdf
Barco Gerber Systems Corporation
Engineering Services Department
RS-274X Format User’s Guide
Part Number 414-100-014 Rev C
September 21, 1998

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