2005年04月09日

自動機能のつかいみち

多くのPCB-CADには自動配置や自動配線機能が付いており、仕様書では高性能が謳われています。しかしその一方、ユーザからは自動配置や自動配線は使えないという声が聞かれます。

自動配線はともかく、自動配置による配置の結果が適正配置とはかけ離れたものになることは事実であり、この結果だけを見ると使えないと思ってしまいがちです。しかし、つかいみちはいろいろあります。CADはエンジニアの代わりになるものではなく単なる道具ですので、その用途と使こなしを考えることによってはじめて設計に役立てることが可能になります。

部品の自動配置
自動配置では最終配置として使用できるほど適正な部品配置はできません。しかし次のような用途では、設計者の負担を軽減する便利な道具として役立ちます。

(1) 基板密度の評価
基板の設計をはじめるにあたってはまず基板面積と回路の規模を比較して、基板上にすべての部品が適正な密度で配置できるかどうかの判断をしなくてはなりません。しかしよほどの熟練者でなければ、いちど部品を置いてみないとわからないというのが現実です。そこでこの「いちど基板上に部品を置いてみる」という作業に自動配置機能が使用できます。基板上にすべての部品が納まっても配線のためのスペースが不足する場合もあります。しかし、どれくらいの密度になるかということがすぐにわかりますので、設計プランが立てやすくなります。
(2) 初期配置
PCB外形を作成したあと部品を呼び出すと、PCB外形の外部にどっさりと部品が現れます。初心者の場合はこれを見て、何から手を付けてよいかわからず途方に暮れてしましまいます。このような場合、まず自動配置を行いPCB上に部品を並べてみると良いと思います。これにより、いちから配置を行うのではなく、仮配置された部品位置を修正するという方法で作業を進めることができます。いちから配置したほうな早い場合もあります。しかしこの作業過程での試行錯誤の経験が、いちから配置しなおす場合の構想に役立ちます。また、主要部品を手配置したあと、自動配置機能を使って周辺部品を配置済みの部品の周りに寄せ集めるという使い方も有効です。

自動配線
一般に自動配線は自動配置よりも実用度が高いとされています。Protel 2004をはじめとするその他の最近の自動配線ツールでは高周波ルールを守って配線できるものが増えており、配線結果をそのまま利用することもできます。しかし配線品質面では人間の能力にはかないませんので、高度な基板では自動配線機能を支援ツールとしての利用にとどめ、人手によって配線を完成させなくてはなりません。

(1) 配線結果の利用
品質要求や基板の密度が高くない場合には、自動配線が使えます。大規模な基板で、設計費や納期の制限に収まらない場合には特に有効です。自動配線結果の品質が不足している場合でも必要な箇所だけを手直しすることにより配線を適正なものに仕上げることができます。しかしこの方法では、自動配線での未結線が残って多いと手間取ります。また手設計と同じレベルの配線品質を目指すと時間がかかりりすぎますので妥協が必要です。また、密度の高い基板を手配する場合には常に「ほんとうに全部つながるのかという」という不安が付きまといます。しかし自動配線で結線が終わっているとこのような心配をしなくて済みますので、ずいぶんを気が楽になります。
(2) 部品配置の評価
配線のためのは端子の周りに適切な配線スペースが確保されていることが必要ですが、初心者にとって配線前にこの判断を行うことは至難のわざです。そこで、いちど自動配線を行うとその結果から、全般的な配線スペースの過不足に加え、スペースの不足しているところと余っているところがすぐにわかります。また配線の引き回しが難しい位置関係に部品配置されている箇所を見つけ出すこともできます。配線の難易度は部品の配置品質に依存し、部品配置が不適正な基板では適正な配線はできません。そこでこの部品配置の評価するツールして使用することにより、部品配置の適正化に要する時間を短縮することができます。

乱暴者ながらかってかってにすばやく仕事をしてくれるのがPCBツールの自動機能です。このため配置や配線結果に手設計と同じ品質を期待できません。まず食わず嫌いをやめ、試行錯誤代行ツールとしての使い方を試してみてはいかがでしょうか?

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