2005年04月14日

ライブラリの標準化

Protel 2004の導入直後は、必要な回路図シンボルやフットプリントがすぐに見つからず作業に大変手間取ります。使い慣れるに従って要領よく探せるようにはなりますが、作業能率を上げるためには自社の設計内容にあわせた独自の標準ライブラリの構築と、その継続的なメンテナンスが必要です。しかしこのライブラリ標準化は、だれもが必要性を認める常識であるにもかかわらず、あまり成功していないのが現実のようです。

この標準化の実現のためには、ライブラリの作成と管理に専念できる担当者を置くことが必要になります。そして設計者が部品探しや部品作りに煩わされることなく、いきなり回路図を描き始められるようなライブラリ環境を整えることで、設計の能率は飛躍的に向上します。しかしこれも貴重な技術者の工数を割くことになりますので、わかっていてもすぐには実現出来ません。そこで、今回は設計者レベルでライブラリ管理と共有を効率よく行うためのヒントをいくつかご紹介します。

(1) 部品名の標準化
設計者がそれぞれ部品を作成する場合でも、部品の名称を標準化しておくことにより各設計者間での共用が容易になります。また個々に作成された複数のライブラリをマージして標準化する場合にも、名称の統一が容易になり、同じ部品が別名で重複登録されるという問題も発生しにくくなります。

(2) まず個人ベースで標準化
他人と共有しない個人のライブラリであっても標準化は必要です。一度作った部品は、個人の標準ライブラリに蓄積して再利用することが重要です。また一度標準ライブラリに登録した部品はその時々の都合で修正すべきではありません。修正が必要になった場合にはプロジェクトライブラリを作成して、ローカルに修正するとよいと思います。

(3) ライブラリを小規模に作る
ひとつのライブラリファイルに多くの部品が含まれていると、必要な部品が見つけにくくなります。このためカテゴリを細分化しライブラリ内の部品数を20-30個程度、多くても50個以内に納めるようにします。このようにすると、パネルからの取り出しが容易になるだけでなく、他の設計者との共有にも便利になります。

(4) 部品のリスト化と図面化
各設計者間での共有を進めるためには、作成した部品のリスト化が有効です。また初期の部品数の少ない段階では、図面化することもさほど困難ではありません。回路図/PCB上に部品を配置してPDF出力すれば部品名での検索もできます。

(5) 統合ライブラリについて
Protel 2004には、回路図シンボルとPCBをフットプリントをひとつのライブラリファイルに格納した統合ライブラリが用意されています。統合ライブラリは、供給されたものを使うだけなら極めて便利なものですが、作成やメンテナンスには手間取ります。個人ベースでライブラリを管理する場合には統合ライブラリのメリットは小さく、逆に回路図作成とPCB設計とを分業する場合には、部品が統合されていることに不便も生じます。このため、個人用ライブラリを作成する場合にはとりあえず、回路図とPCBが独立した従来型を用いたほうが無難です。

ライブラリの標準化は、作業能率を上げるだけでなく設計品質の向上のためにも重量です。工数の制限や煩わしさのため、わかっていても出来ないというのが現状だと思います。しかし放置できる問題ではありません。このため、少なくとも各設計者は標準化指向で日常の仕事にのぞむことにより、標準化を後押しすることが必要です。

Comment on "ライブラリの標準化"

"ライブラリの標準化"へのコメントはまだありません。

Post a Comment

コメントする
(HTMLタグは使用できません)
ブラウザに投稿者情報を登録しますか?(Cookieを使用します。次回書き込み時に便利です。)
  •  
  •