2005年04月22日

自動配線ツールの進化

基板設計時間の大半を占める配線作業を自動化するため、古くからいくつもの自動配線アルゴリズムが開発され、少しずつ実用の範囲が広がってきました。

・メイズルータ
空きスペースを見つけて配線を通す。空きスペースが無くなったら配線を終了する。
・リップアップルータ
配線の障害になっている配線を別の場所に移動させて配線を通す。
・押しのけルータ
配線を押しのける事により空きスペースを作って配線を通す。
・オフグリッドルータ(シェープ ベースド ルータ)
配線の密度を上げる為にグリッドを無視して配線する。

メイズルータが自動配線の最も基本的なもので、他はメイズルータ結線率を上げる為に改良されたものです。しかし、リップアップルータは配線が遠回りしやすく、押しのけルータは結線率の改良が十分ではありませんでした。またオフグリッドルータは修正がしにくいというような弊害が発生しました。この為、現在ではこれらの技術を併用して改良されたものとなっており、デジタル基板の分野を中心に広く活用されています。

Protel 2004に組み込まれているSitus オートルータは最新の技術の投入によりトップレベルの配線能力を実現した自動配線ツールのひとつです。このSitus オートルータは、配線長を最短化するために斜め配線を行います。その結果、以前に行ったベンチマークテストによっても他の同種のオートルータよりも大幅に短く配線できまることが確認されています。

オートルータはCADツールの中では比較的評価をしやすいツールです。Protel 2004の導入検討に際しては、Situs Routerの斜め配線をぜひともお試しください。また、配線品質を評価する際の指標のひとつにマンハッタンレシオというものがあります。これについては以下のコラムが参考になります。

以下、DsignWave 2003年6月号より抜粋

マンハッタンレシオと斜め(45°)配線

ラッツネストの長さをX軸とY軸に分解し、これを加算したものをマンハッタン長と呼び、これと実際の配線パターンとの長さの比率をマンハッタンレシオといいます。

通常、プリント基板の自動配線では、層ごとに縦または横に配線方向が決められ、縦と横の直角方向のみに配線が行われます。このため障害物が存在せず、配線が冗長なく行われた場合には、実際の配線長はマンハッタン長と同じになり、マンハッタンレシオは1になります。

しかし、実際には基板上のあちこちに存在する障害物を避けなければならないので、配線長はマンハッタン長よりも長くなります。また最適な配線が行われず、遠回りした配線が多い場合には、マンハッタン長はさらに長くなり、マンハッタンレシオは1を大きく超えます。この、理想配線時に1を示すマンハッタンレシオは、配線結果のよしあしを評価するうえでわかりやすい指標の一つとして使用されています。

ところが、最近の高性能な自動配線ツールの中には、信号の劣化を防ぐため、斜めに対角線を引くようにパッド間を直線の配線で結ぶものもあります。この場合、最適配線時の配線パターンの長さは、マンハッタン長よりも短くなる場合があり、マンハッタンレシオは1よりも小さくなります。

自動配線の結果を人手による配線結果に近づけるためには、まだまだ多くの課題を解決しなくてはなりませんが、斜め配線によってマンハッタンレシオを下げる方法は、その課題の解決の一つであるといえます。

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