2005年04月25日

Protelへの乗換え時の心得

基板設計者は、最初に使用したCADツールから受ける影響が大きく、これが新しいCADの選択や運用の障害になる場合が多々あります。一口にいうと、最初のCADによってできてしまった先入観まどわされて、新しいCADの利点を見い出すことができなくなることが問題なのですが、CADツールの場合には単に「先入観」の一言では片付けられないほど、深くて重いものがあります。

はじめてCADツールを導入した直後は、使いこなしに悪戦苦闘する日々が続きます。CADツールの持つ豊富な機能の中から必要な機能を探すのにひと苦労します。そしてやっと見つけたその機能は「帯に短しタスキに長し」のような場合が多く、意図どおりに役立てるためにはかなりの試行錯誤が必要になります。通常このような状態が数ヶ月続き、完全に使いこなせたという実感を得るまでには、1年くらいかかるのがふつうです。そして何年か経つと、他のどのCADを見ても「今使っているこれが一番良い」と思うようになり、この意識が新しいCADツールの受け入れを難しくします。

このようにCADの能力は、機能そのものではなく設計者の運用ノウハウによって発揮されるものであり、その過程でそのCADに合った設計手法が確立されます。これを継承するために、新しいCADへの移行はできるだけ避けたいところですが、不幸にも移行が必要になった場合には腹を決めてこれに取り組まなくてはなりません。

そこで、この移行に際しては次のような心構えが必要になります。

(1) 動機付け
まず環境の変化を的確にとらえ、新しいツールへの移行の必然性を認識することが必要です。なぜ移行が必要なのかを理解し、実現できなければ明日が無いという気持ちでとりくむことが必要です。
(2) 使いこなし
CADの機能は機種ごとに大きく異なるため、使い慣れた従来のCADと全く同じ機能はありません。このため従来とは異なる機能を使って同じ処理を実現しなくてはなりません。おそらく最初は、あれもできないこれもできないと不自由を感じますが、新しいCADに代替になる機能が必ず存在することに確信をもって、新しい手法を開拓する必要です。特にProtel ツールでは、旧来にとらわれずに機能の改良や追加が行われますので、Protel 2004 への移行においてはとりわけこのような努力が必要になります。また、はじめには使いづらいと思った機能も、使い慣れるに従ってしだいに便利なものに変わっていくことも忘れてはなりません。
(3) 設計工程をトータルで捉える
もし、CADにいくつか非効率な部分があっても、他の部分にそれを補う利点があるはずです。この優れたところを見つけてうまく活用することにより、設計工程トータルでの効率化を目指すことが重要です。

環境は時代と共に変化し続けます。そしてこの変化を先取りすることによりよってはじめてその恩恵を甘受することができます。先入観、慣れ、愛着などによって自分自身の進化のチャンスを逃がさないことが大切だと思います。

Comment on "Protelへの乗換え時の心得"

"Protelへの乗換え時の心得"へのコメントはまだありません。

Post a Comment

コメントする
(HTMLタグは使用できません)
ブラウザに投稿者情報を登録しますか?(Cookieを使用します。次回書き込み時に便利です。)
  •  
  •