2005年05月25日

PC-CADのプラットホーム

EWS-CADの代用品として実用化されたPC-CADはその後、PCプラットホームの進化と歩調をあわる形で改良が進められます。

そこでまず、PC-CADに大きな影響を与えたプラットホームの進化の節目を拾ってみました。

(1) IBM-PC/ATおよびMS-DOSによるプラットホームの標準化
CP/M 時代とは異なり、機種ごとに異なったバージョンのプログラムを供給する必要がなくなり、PC-CADメーカはMS-DOS一本にターゲットを絞ったソフトウェアの開発が可能になった。
(2) 32bit CPU の出現
データ幅、メモリ空間とも32bitサイズでの処理が可能になった。DOS環境においても、DOS Extenderの併用により32ビットプログラムを動作させることが可能になった。
(3) Windows の出現
共通のユーザインタフェースやMDI/マルチタスク環境が提供され、プラットホームを複数のアプリケーションで共用することが容易になった。このようなプラットホームの汎用性の向上により、各個人が卓上で使用しているコンピュータでCAD作業を行うというDesktopEDAの運用形態が確立した。
(4) Windows の進化
Windows の32bit化およびネットワークのサポートにより、EWS-CADで使用されているUNIX環境と同等レベルのプラットホームに進化した。その後のハードウェアの進化により、さらに高性能化が進み、それまでUNIXを利用していたEWS-CADメーカもWindows 版の製品を提供するようになった。

この経過を振り返ってみるとそれぞれの節目で歴史に残る製品が出現しています。、
・ IBM-PC/ATおよびMS-DOSの普及が始まったころに、OrCAD SDT(回路図エディタ)が出現
・ 32bit CPU の普及が始まったころに、PADS 2000が出現
・ Windows の普及が始まったころに、Protel for Windows が出現
・ Windows の進化と共に各社から統合化やワークグループをサポートした製品が出現

このように、PC-CAD各社はプラットホームの進化の流れにタイミングよく乗ることにより、ビジネスを成功させています。

そこでもうひとつ忘れてはらない、マーケティング上の要素があります。これらの節目でデビューする製品は、新しい機能を実現するだけではなく、新しさを印象付けるデザインでなくてはならないことです。ユーザは、考えるだけでなく感じることによっても商品を選択するからです。

Protel Advanced Schematic が出現する以前に、ECS(CAD CAM Group)というWindows 版の回路図エディタがあり、主にOEMで多くのCADメーカに供給されていました。Protelよりもリリース時期が早く機能も充実していましたが、これが汎用の回路図エディタとして受け入れられるとは思えませんでした。画面のデザインも古くライブラリ管理等の基本構造もかなり古い印象を与えるものでした。とにかく理屈ではなくその印象の古さから、私たちがこの製品の販売に力を入れることはありませんでした。

現在では、EWS-CADメーカ各社もWindows版製品を主力にしています。このため、EWS-CADではなくむしろEWSの流れを汲むCADと言い換えたほうが的確かもしれません。そしてこれにより、両者のプラットフォームの差は無くなり、PC-CADがEWS-CADよりも非力に留まらざるを得ない理由は完全に消滅しました。

現在、両者の販売とサポートの形態は大きく異なっており、今後もこの違いはなくならないと思います。しかし製品そのものの能力差はますます縮まってくるのではないかと思います。

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