2005年05月24日

古きよき時代の記憶

昔話は古いほど面白いという訳ではありませんが、思いっきり古い話から始めてみたいと思います。

皆さんは1964年の東京オリンピックはご存知でしょうか? 。この年は東海道新幹線も開通した記念すべき年でもあります。この東京オリンピックでは競技結果の集計にIBMのコンピュータが使われたというのは有名な話ですが、実はCADの実用化はこのころから始まったのです。当時はパソコンはおろか、ミニコンすら無かった時代ですから当然の事ながらメインフレームの端末という形態でした。

これがメインフレームの束縛から逃れて、独立したプラットフォームを持つ、現在のCADの形態に進化したのは、1970年に発売が開始されたComputer VisionのCADDS1からだと言われています。この製品はメインフレームの端末として動作するのではなく専用に用意されたData Generalのミニコン上で動作するものした。

さすがの私も、この時代をエンジニアとしてリアルタイムに見聞きしたわけではありません。しかし幸運にも疑似体験をする機会を与えられました。10年くらい前に打ち合わせに出向いた、Computer Visionのボストンの本社に 1970年に発売された記念すべき CADDS1が展示してありました。そしてこの前でCADの進化についての講釈を聞かされました。Computer Vision がCADDS1でいかにCADを進化させたかという話でしたが、実機を前にして話を聞かされるとその臨場感はなかなかのもので、実際にその時代を見聞きしてきたような気にさえなってしまいます。

そこでこの体験に基づいて書いたのがこの記事の冒頭部分です。
http://www.cqpub.co.jp/dwm/contents/0004/dwm000400560.pdf

この部分の要旨はつぎのようなものです。
・ ワークステーションベースのCADツール(EWS-CAD)は、メインフレームの端末として生まれ、進化してきた。
・ 一方パーソナルコンピュータベースのCADツール(PC-CAD)はこれとは別に生まれ、別の進化の道を辿っている。
そしてこの後つぎのように話が展開し、話題は完全にPC-CADに移ります
・ PC-CADは、EWS-CAD の代用品として実用化が始まった
・ PC-CADは、Windows プラットフォームの進化を背景にEWS-CADの存在を脅かすほど進化した
・ ProtelのCADツールは革新的な技術により、近い将来EWS-CADにとってかわろうとしている

この記事は1996年に寄稿したものですので、もうかれこれ10年前の話になります。この時期はWindowsプラットフォームが本格的に普及し、今まで無かったWindows CADの市場が一気に立ち上がったころです。当時はなぜこんなに売れないの?とおもっていましたが、今から考えるとそれは飛ぶように売れたバブルの時代でした。また当時は新しいメーカの参入も多く華やかで面白い時代でもありました。

このように当時はWindowsの普及により、売れてあたりまえの時代背景があったのは事実です。しかしなにもしないのに勝手に売れたというわけでもありません。一口にいうとこれは、PCプラットフォームの進化を最大限に利用した製品開発とマーケティングの成果であったといえます。

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