2005年07月15日

Protel で逆パターン

逆パターンという手法を使って、面パターン(ベタエリア)を能率よく作りましょうというお話です。

以下は、2004年の初めに雑誌記事用のサンプルとして設計した基板の一部です。デジタルアンプですので、電流容量の確保とノイズ対策のために面パターンを多用しています。

spread_poly.jpg

この基板は、Protel DXP とサービスパックの入っていない初代の Protel 2004 を使用して設計しました。このころの Protel には、旧来の自動ベタ塗り機能しかなく、このような多くの面パターンには大変手間取りました。しかし現在の Protel では、4回のサービスパッックによって次のような新しいベタ塗り機能が追加されており、面パターンの作成を能率良く行うことができます。

・ 手動のベタ塗り機能
・ 自動ベタ塗りエリア内のカットアウト
・ 自動ベタ塗りエリアのスライス(分割)

いずれも有用な機能ですが中でもスライス機能は、今まで用いることができなかった手法による設計を可能にするユニークな機能です。

もう一度、上のパターンをご覧ください。基板の大部分が銅箔で埋まっており、銅箔の無い部分のほうが圧倒的に少ないことが分ります。したがい、通常の設計方法のように銅箔のある部分の輪郭を描くのではなく、銅箔の無い部分に線を引くほうがデータ入力の作業量としては少なくて済みます。実際にこのような手法は、逆パターンとういう名前で以前から用いられてきました。そして、Protel の新しいスライス機能を使うとこの逆パターンによる設計が可能になります。

spp.jpg

大まかな逆パターン設計の手順はつぎのようになります。

(1) 基板全体を自動ベタ塗り機能を使って塗りつぶす
(2) 銅箔の無い部分の全てに、スライスラインを入れる
(3) スライスラインによって分割された複数のベタエリアのそれぞれに、適切なネットネームを付ける。

実際にこの手順を試してみると簡単な基板ならこの手法が有効に利用できることが分ります。しかし、現在のところスライスラインが必ずベタエリアの外周まで届いていないとスライスされませんので、ベタの内部を閉じた多角形/円弧で切り取ってベタを分割することができません。このため、少し複雑になってくると、従来どおりのベタ塗り方法と併用することが必要になります。

このようにスライス機能は、単独で逆パターン設計に用いるには非力ですが、従来の手法とうまく組み合わせて使用することにより面パターンによる配線を効率化できそうです。

電源や高周波基板の設計の際に一度試してみてはいかがでしょうか?

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