2005年07月22日

Protelでの片面設計のヒント

実装の高密度化に伴い片面基板が使用される頻度は減りましたが、依然として電源基板などには多用されます。

片面基板は両面(2層)や多層板とは異なる部分が多く、本来ならば特別な設計手順や専用のフットプリント・ライブラリを用いる必要があります。しかし頻度の少ない片面設計の準備ために時間を割けないことも多いと思いますので、両面設計の延長線上で片面設計を行うためのヒントをいくつか紹介します。

(1) 層数を両面に設定する (もっとも片面には設定できませんが...)
この2層の配線層のうち、半田面を実際の配線層として使用し部品面をジャンパーによる仮想的な配線層として使用します。そし基板製造時には半田面の配線データだけを使用し、部品面の配線データは出力しません。

(2) ビアを使ってジャンパーを挿入する
片面基板では、ジャンパー線を使って回路を接続することが多々あります。このジャンパー線は、PCB 設計の段階で初めて要求されるものですから、回路図には記入されていません。このため、マニュアル操作でめ、ジャンパー用フットプリントを呼び出す必要がありまた呼び出した後、ネット名を付加する必要があります。

このような手間を避けたい場合にはジャンパーの配置を、両面設計の時と同じ用にビアを使って部品面にも配線することによって行います。このときジャンパー層として使用する部品面の配線は、ジャンパーの仕様を守る必要があります。少なくとも、水平/垂直の直線であり、また配線長も決められているジャンパーの長さにあわせることが必要です。一旦このジャンパーを配置した後はグループ操作により、部品と同じように移動や回転などの操作を行うことができます。

この方法では、部品としてジャンパーが存在しませんので回路図との整合が崩れることはありません。しかし一方、パーツリストにジャンパー線の明細を出力したい場合には、ビアではなく部品を使ってジャンパーを挿入する必要があります。

(3) 両面基板用のフットプリントを PCB 上で片面用に修正する
片面基板は、基材に紙フェノールが用いられることも多くまたスルーホールも形成しませんので、パッドの強度が不足しがちです。この強度を補うため、面積の広いパッドを持ったフットプリントを使用します。このような片面専用のフットプリントが準備されていない場合には、両面基板用のフットプリントで代用し、PCB上に呼び出してから、パッド形状を修正します。

これには、Protel の次の機能が使用できます。
一括編集機能
Find Similar Objects と Inspector 及び List ウィンドウ
手動ベタ塗り機能
Solid Region をパッドに重ねて異型パッドを作成
フリーオブジェクトと部品との合体
Add Slected Primitives to Component コマンドでSolid Region とパッドとを合体

Protel では、Lock Primitives のチェックボタンをはずすことにより、大幅なフットプリントの修正を PCB 上で行うことができますので、フットプリント・ライブラリの拘束により作業性が低下することはありません。

そして、片面用に修正されたフットプリントは Make PCB Library コマンドにより、ライブラリファイルに一括保存して再利用することができます。

(4) 自動ベタ塗りのサーマル設定
両面/多層基板では、パッドとベタエリアとの間をサーマルリリーフで接続して放熱を緩和しますが、スルーホールの無い片面基板ではスペースの有効利用のため、サーマル接続を行わないのが一般的です。この接続ルールは、デザインルール Plane Plygon Contact Style で設定することができます。片面設計の場合にはここで、Contact Style を Direct に設定するとよいでしょう。

では以上、片面基板の設計を行う場合には参考にしてください。

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